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掃除機
2020/10/29 22:30

バルミューダ初の掃除機が「圧倒的に気持ちいい」のはなぜ? テクノロジーの細部を社長が語る!

本体重量は重いほうだが、掃除中に負担を感じることは少ない

なお本体重量は約3.1kgと、最近のコードレススティッククリーナーの中では重さがあるため、やはり持ち上げると重く感じます。しかし基本的には床に置いた状態で使い、掃除を始めると軽やかに動くため、掃除中に負担を感じることはなさそうです。しかも、寺尾社長によると、このヘッドの重さにも理由があるとのこと。

 

「ヘッドにブラシが2本あり、モーターも2つ付いているため、一番重い部品がヘッドとなっています。しかし、実際の製品重量と動かしたときの体感はまったく違います。持ち上げる掃除機と(本機のように)滑らせる掃除機、同じ重さでも人にとっての感じ方は全然違うのではないかな、と。また、実はヘッドにある程度重さがないと、じゅうたんに対応できないんです。(ヘッドが軽すぎると)すぐに転がってしまうので、今回は私たちのクリーナー事業の第1弾ということもあり、ある程度のオールマイティさが欲しかった。そのための重さと大きさなのです」(寺尾社長)

↑記者の質問に答える寺尾社長

 

ゴミを浮遊させる力が優れていて、運転音も「意外に静か」

ちなみに、肝心の吸引力についてはどうなのでしょうか?

 

「私もすでに自宅で使っていますが、パワーは十分です。通常の掃除機に比べて、両側からかきこむという構造なので、そもそもゴミを浮遊させる力が優れています。また、通常の掃除機は引くときに吸い込むとされていますが、我々の掃除機はどちらの方向でもかき出すことができます。ゴミを浮かせる、吸う、このダブルの力で優れた掃除性能を商品に付与できたと思います。そして、(掃除するスピードが)びっくりするくらい速い。数名のエンジニアが使い始めていますが、一番の変化は掃除をする人が変わったということ。圧倒的に気持ちがいいので『掃除機をかけたことがないけど、かけるようになりました』という社員が続出しています」(寺尾社長)

↑滑るような操作感が気持ちよく、クセになりそう

 

同社らしいデザインの美しさも健在。立てかけられた1本のほうきのように自然な姿を目指したといい、付属のスタンドは最も美しい角度で立てかけられるよう設計したとのこと。運転音についても、「作ってみたら意外と静かだった。デュアルブラシヘッドの効果で空気の流通が速いのではないか、と開発チームは推測をしている」(寺尾社長)といいます。

 

「デュアルブラシヘッド」と「360°スワイプ構造」を開発したことで、スイスイ滑ってぐりんぐりん回る、まったく新しい操作感が楽しめる本機。角ローラーなどの細部へのこだわりも、滑るような操作感に貢献しています。これらの技術は、「自分たちが欲しいモノ」という動機を重視し、個人的な着想を開発の起点としているのが大きなポイント。同社のこうした姿勢が実を結び、「圧倒的に気持ちいい」操作感が実現したといえるでしょう。

 

加えて、十分な集じん力を持ち、デザインも美しく、運転音も静か。このBALMUDA The Cleaner、単なるアイデア先行のモデルではなく、総合力が高いモデルに仕上がっているように思えます。新規参入ながら、群雄割拠の掃除機市場で新たな価値を創り出すかも……そんな期待が持てるクリーナーだと感じました。

 

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