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2017/2/19 19:30

「新車のニオイ」好き? 嫌い? 賛否両論が極端に分かれるワケ

寒い日が続く中でも春の訪れを感じるこの頃。梅の花もちらほら咲き始め、膨らんだ花の蕾からは草木が新しく芽吹く春の匂いが漂ってくるようです。こういう気配は春がそこまで来ていることを感じさせてくれ、気持ちもわくわくしてきませんか? 私が思うに、人は「新しいもののニオイ」や「気配」を感じると自ずと気分が良くなるものだと感じています。

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新しい洋服や鞄、財布なども新品のニオイがします。デパートの売り場には新品独特のニオイが漂っていますよね。そのニオイと新しい品物を使う時のワクワク感で気分がアップします。また新築のお家のニオイ!コレもそれだけで幸せな気持ちになります。そこでの新しい暮らしをすぐにイメージできてとてもいい気分になります。今回はそんなたくさんあるいい気分になる新しいニオイの中でも、車好きにはたまらない「新車」のニオイについて触れてみたいと思います。

 

■なぜ新車のニオイを好きな人がいるのか?

これには2つ理由があると考えています。1つは、新車の主なニオイとなっている揮発性物質による物質的効果。そして2つ目は、「匂い」を感じる嗅覚が、大脳辺縁系という「人間の感情と記憶」を司る部分へ直接刺激を与えるというメカニズムであることから、ニオイが「人の感情と記憶」に深く関わっているということです。

 

実は新車のニオイは「好きと嫌い」の両極端な意見があるようです。「好き」で言えば男性や車好きの方が多く、「嫌い」で言えば女性や子どもなど、車の運転をしない方が多いようです。これは車そのものに対しての意識の違いが大きく関係しており、新車のニオイが好きな人は、おそらく「車が好き、運転が好きな人」です。車や運転が好きな人の脳は、嗅覚がそれを感じた時に、新車を操縦することへの満足感やワクワク感、またそれが意中の車であれば憧れの車に乗れることに高揚感を感じることでしょう。もし以前から愛用して乗車している車であれば、その車でのいい思い出や記憶が呼び起こされることもあるでしょう。おそらく、車のニオイが何なのか?ということよりも、新車と触れ合う自分をイメージすることが先になり「新車の匂い=大好き」に繋がるのではないかと考えます。

 

新車の独特なニオイは主にシートや金属などの素材そのもののと、接着剤のニオイなのだそうです。ニオイというものは揮発性の物質を嗅覚が感じ取ることで認識されるものです。特に接着剤はシンナーの仲間の化合物であるものが多いことからも、物質的に陶酔効果が懸念されるものが多いことが想像できると思います。よってその物質のニオイの効果で「好き」に繋がる場合が考えられるといえるでしょう。例えば、排気ガスのニオイやストーブが燃え出すときのニオイ、シンナーのニオイが大好きだという事と同様の理由が考えられます。

 

■人を惹きつける新車のニオイの魅力とは?

これらをふまえると、新車のニオイの魅力は「新しい車に対する価値観」なのではないかと考えます。そのニオイが、自分が乗りたい大好きなクルマの新車を思い起こすのならば、なおさらニオイが何か?ということよりも嗅覚が呼び覚ました経験や記憶から「新しい車を運転している自分」や「それを手に入れるまでの背景や抱く価値観」が脳裏に浮かび、「最高にいい匂い」だと感じるのではないでしょうか。

 

「車や運転に興味がない人」は、運転をしない車内での快適性を求める傾向にあるため、新車独特のニオイは、狭い空間において我慢しなければならない不快なニオイだと感じている人が多いようです。特に皮のシートの車においては、運転手は革シートのニオイが大好きでも、同乗する家族が嫌がるというケースが多いそうです。このように同じニオイでも、嗅ぐ人の持つ車への価値観で「好き、嫌い」の感情の違いが生まれるのではないでしょうか?

 

人はニオイを嗅いだ時、接着剤のニオイや革シートのニオイを分析する前に「このニオイが好きか嫌いか?」を直感で認識します。車が大好きな人は接着剤や革のニオイよりも「新車の価値」を嗅ぎ分け、その魅力に惹きつけられているのかもしれませんね。その物質のニオイは嫌いでも、背景にあるものが魅力的であれば、嗅覚が大脳へ伝へるニオイの情報は感情として「好き」を感じるということが言えます。新車のニオイに惹きつけられるように、自分を魅力的に魅せたいときにも「匂い」は人の感情をも変える大きな武器になるのではないでしょうか?

 

【著者プロフィール】

橋本裕子

アロマテラピー K’s Aroma主宰、All Aboutアロマテラピー・手作りコスメガイド、英国IFA認定アロマセラピスト、@アロマ社認定 アロマ空間コーディネーター、日本アロマコーディネーター協会認定インストラクター。使う人に役立つアロマテラピーを伝えることを信念として、企業への出張セミナーやイベント会場でのセミナー実施の提供を中心に活動中。最近は、実生活での経験を活かし、あらゆる空間を香りでコーディネートするアロマ空間コーディネーターとしても活動している。

K’s Aroma:http://www.ks-aroma.jp/