本・書籍
2017/4/14 20:40

10年分の汚れもするり! 掃除後の部屋を見た人が驚くほどきれいになる「重曹とお酢の使い方」

フランスから日本に帰国する際、私は10年暮らした賃貸アパートを、なるべく10年前と同じ状態に戻すべく必死で大掃除をしました。というのも、フランスでは入居時と退出時に「エタ・デ・リュー」と呼ばれる物件のかなり細かな状態チェックが行われ、書類として残されるから。

 

退出時に破損した箇所、汚した箇所があれば、その修繕費と掃除代が敷金から引かれてしまいます。しかも、破損や汚れがひどいと大家から追加請求されることもあると友人のフランス人たちから聞かされていました。そのため、借家人たちは皆、何日もかけて部屋の隅から隅までを徹底的に磨き上げるのだそうです。

 

重曹と酢で磨くだけで部屋はピカピカに!

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それでさっそく、テレビCMで見たするりと汚れが落ちるはずの化学洗浄剤を買い揃え、掃除をはじめてみました。しかし、10年分の汚れはしつこく、まったく落ちない……。「あぁ、困った……。どうしよう」と呟いたとき、数年前に会ったひとりのおばあちゃんをふっと思い出しました。

 

女性誌の取材でパリのマダムたち数人に生活術を聞いた話なのですが、その中に、イタリア系フランス人のとても陽気なおばあちゃんがいました。

 

アパルトマンを訪ねると「不思議の国のアリスの部屋へようこそ!」と言って、招き入れてくれたアリスおばあちゃん。その部屋は白を基調にコーディネイトされていて、ピカピカに磨きこまれていたのです。アリスおばあちゃんはエコロジーな生活を心がけていていました。

 

確か、「掃除には重曹と酢しか使わない」と言っていたはず。

 

そこで、私は当時の取材ノートを引っ張り出し、事細かに聞いた掃除法、洗濯法、料理法など改めて見てみると、ありました。キッチンのしつこい汚れは重曹パックで簡単に落とせる、カーペットの臭いやシミは重曹で消す、水垢は酢をかけて磨けばピカピカ、などなど……。

 

知恵がたくさんメモしてあったのに、当時それらは記事にはしなかった部分なので、すっかり忘れていたのです。

 

さっそく、試してみました。がんこな油汚れがこびりついたレンジ台とその周り、換気扇などには水で溶いた重曹をパックのように塗り、その上からキッチンペーパーをかぶせ、さらにラップをふわり。そして待つこと、1時間ちょっと。

 

外してみると、なんと簡単にするすると汚れが落ちたのです。また、水周りは酢で輝くほどきれいになりました。そうして向かえたエタ・デ・リュー、不動産会社の担当は10年前とほぼ変わらない部屋を見て「ミラクル!」と叫んでいました。フランスのおばあちゃんの知恵に私は助けられたのです。

 

重曹だけで家の中すみずみまできれいに

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地球にやさしい天然素材を使ったハウスキーピングは欧米の主婦をはじめ、日本でも定着してきています。『重曹とお酢ですっきり暮らす』(岩尾明子・著/主婦の友社・刊)は、掃除、洗濯、料理、さらに、スキンケアにも重曹とお酢を使いこなすテクニックを紹介した、使える一冊です。

 

水にとかすと弱アルカリ性になる、生活排水を汚さない天然ミネラル。重曹といえば、ベーキングソーダとして、パンやケーキをふくらませるために使われることがほとんどでした。でも、このサラサラの粉がもつ研磨作用や中和作用は、とても優秀。キッチンからリビング、サニタリーまで、家の中をすみずみまできれいにしてくれるのです。
(『重曹とお酢ですっきり暮らす』から引用)

 

重曹の具体的な使い方をちょっと紹介してみましょう。

 

*魚焼きグリルのにおいやベタベタ汚れ予防には、重曹を敷き詰めて調理すると後処理が簡単。

 

*重曹が冷蔵庫内のいやなにおいをとる。

 

*換気扇のベタベタ汚れは重曹できれいに落とせる。

 

*リビングのたばこのにおい消しには、灰皿に重曹を敷き詰めておくとよい。

 

*重曹水のスプレーでカーテンのにおいをとる。

 

*衣類の果汁やワインのしみは重曹で落とせる。

 

*洗濯の仕上げに重曹を加えると部屋干しのいやなにおいを防げる。

 

*重曹と塩で天然の発砲入浴剤ができる。

 

*重曹水でうがいををすると息がさわやかに。

 

これらは重曹の使い方のほんの一部で、本書には驚くべき活用法が満載されています。

 

お酢はポットの水あかとりにも使える!

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「酢」も、気軽に使える天然素材。水あかを落としたり、アンモニア臭の中和など、重曹と並んでハウスキーピングの場面で抜群の効果を発揮します。
(『重曹とお酢ですっきり暮らす』から引用)

 

酢にはさざざまな種類があります。しかし、色の濃いもの、あるいは他の調味料が混ざったものはハウスキーピングには不向きなので、においがやさしいホワイトビネガー、あるいは手に入りやすい穀物酢を活用してほしいです。具体的なお酢の使い方は、以下の通り。

 

*湯沸しポットの水あか、においは酢を使えばすっきり。

 

*酢水を畳やフローリングにスプレーし、布でふくと抗菌作用ですっきりに。

 

*鏡やガラスのくもりは酢で簡単にとれる。

 

しつこい汚れには重曹+お酢がピッタリ

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台所のがんこな汚れに威力を発揮するのが、重曹と酢で作るクリームクレンザーです。

 

ボウルに重曹1カップをいれ、液体石けん50mlを少しずつ加え、もったりするまでまぜる。次に大さじ1の酢を加え、全体がふわふわのホイップクリーム状になればOK。
(『重曹とお酢ですっきり暮らす』から引用)

 

今まで落とせなかった汚れも、この天然クレンザーでするすると落とせるので、ぜひお試しを。この他にも知っておきたい重曹と酢の2ステップ掃除法、洗濯法がいろいろ。パワーがあるのに人にも地球にもやさしい、これからの時代のエコロジーなハウスキーピング、この本を参考にさっそくはじめてみてください。

(文:沼口祐子)

 

【参考書籍】
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重曹とお酢ですっきり暮らす
著者:岩尾明子
出版社:主婦の友社

重曹やお酢を使ったお掃除は、ナチュラルだけれど難しそう、本当にキレイになるの? そんな疑問を持った方にこそ、この本をおすすめします。重曹は、洗剤や中和剤、研磨剤として、皿洗いからステンレスのポリッシュ、クロス類のシミ取りなどに。また、お酢は、水あか落としや抗菌、トイレのアンモニア臭や魚の生ぐささ、タバコの臭い消しなどに活躍。この2つがあれば、家中の汚れや気になる臭いがすっきり解決!キッチン、リビング、洗濯など、使える場所や家事ごとに使いかたを解説してあるので、取り入れたい項目からすぐに試してOK。基本的な使い方さえマスターすれば、誰でも簡単に重曹とお酢を使ったすっきり暮らしが始められます。

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