本・書籍
2017/7/30 10:00

雲を知れば天気が読める! 覚えておきたい雲の形4選

梅雨が開けて、夏本番を迎えた。

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夏になると、空に浮かぶ雲を撮影することが多い。スカッと晴れた空に浮かぶ雲がおもしろいのだ。

 

これまで割と雲を撮影してきたが、実は雲についてはあまりよく知らない。そこで、『空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド』(村井昭夫・著/学研プラス・刊)で、僕が撮影した雲はどんな種類でどんな名前がついているのか、探してみたいと思う。

 

一番雲らしい雲「積雲」

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この雲は、「積雲」だ。もっともポピュラーな雲と言ってもいいだろう。とても大きく見える雲だが、実はそれほど大きくはないという。

 

積雲のひとつひとつの雲片は大きく見えますが、これは地表近くにできるため、地表に近い私たちに近いからであり、実際はそれほど大規模な雲ではありません。

(『空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド』より引用)

 

低い位置にあるので大きく見えるようだ。また、色が灰色〜暗灰色に見えるのは、雲の層が厚いためということだ。この雲が空に浮かんでいると、思わず写真を撮ってしまう。やはり、雲らしい雲だからだろうか。

 

長時間雨を降らす「乱層雲」

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どんよりとした雲が空全体を覆っている。いかにも「雨が降るぞー!」という感じだ。これは「乱層雲」という。長時間雨を降らす雲だ。

 

数時間〜数日間にわたって弱い雨が続く。温暖前線による乱層雲の場合は雨域の通過とともに気温が上がることが多い。雲底の色が暗くなると雲が厚くなっている証拠であり、雨脚も強くなる。

(『空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド』より引用)

 

中層域にできる雲だが、雲底が下層部に垂れ込むため、光が届かず灰色になる。この雲を見たら、洗濯を干すのはやめたほうがいいだろう。

 

モコモコかわいい「ひつじ雲」

これは「高積雲」だ。大きめの雲片が並んでいる様子がひつじに似ていることから、別名「ひつじ雲」とも呼ばれる

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もっと雲片が小さい場合は「うろこ雲」と呼ばれる。ただし、うろこ雲はもっと上層にできる「巻積雲」なので、雲としての種類は違うようだ。

 

雲片の間隔が狭まると同時に厚みが増していくようだと天気は崩れる可能性が高い。

(『空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド』より引用)

 

雲は雨を降らせるものだが、ひつじ雲を見ていると雨が降るようにはあまり感じない。なんとなく幸せな気分になれる雲だ。

 

さまざまな形がある「飛行機雲」

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実は、この雲がなんなのか、長年不思議に思っていた。飛行機雲のようだが、僕が見たことのある飛行機雲はもっと細いものばかり。こんなに幅広のものは見たことがなかった。

 

本書を読んでいると、やはり飛行機雲のようだ。飛行機雲は、航空機の排気の影響で上空1万m付近の大気に含まれる水蒸気が変化してできる雲。そのため、形状はさまざまに変化するようだ。

 

この雲からたくさんの種類の新しい雲が生まれる。何本もの飛行機雲が大きく広がっていくときは天気が悪くなる可能性が高いので、翌日の天気にも注目。

(『空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド』より引用)

 

飛行機雲は、そのあとどんな雲になるかによって、天気が変わる。たくさんの飛行機雲が空に残っているときは、天気が悪くなる前兆とのことだ。

 

夏の空に浮かぶ雲を見てみよう

天気がよい夏の日は、空に雲が浮かんでいることが多い。特に、空気のきれいなところにいくと、抜けるような青空に浮かぶ雲が楽しめる。毎日仕事で忙しいという人も多いだろうが、たまには空を見上げてみてはいかがだろうか。さまざまな表情をした雲を見ていると、なんとなくすっきりした気持ちになるはずだ。

 

ああ、僕にはビールの泡に見えるよ……。

 

(文:三浦一紀)

 

【文献紹介】

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空の図鑑 雲と空の光の観察ガイド

著者:村井昭夫

出版社:学研プラス

基本の10種雲形はもとより、蜂の巣状、漏斗状、うね状など多数の変種を美しい写真で紹介。さらに、虹、幻日、太陽柱など光の大気現象まで網羅した、空の図鑑である。初心者も空を楽しめる、虹を作ってみる、手で雲を測る、写真の撮り方などのヒントも満載。

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