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2017/9/9 19:00

一般道約5000km、高速道路約400kmで制限速度がどんどん引き上げられている?

日本の道路は舗装や整備が行き届いて安全に走行できるのに、どうみても制限速度が低い道路がたくさんある。ということで、警察庁は2009年から一般道、2010年から高速道路で制限速度の見直しを行ってきた。さらに今年度中に、新東名と東北自動車道にてついに最高速度が110km/hにひきあげられることが決定した。

 

■最高速度が引き上げられた一般道、高速道路はどんな道路?

8月上旬に警察庁が発表した内容によると、2014年度~2016年度の3年間にわたって一般道合計約5000km、2010~2015年にかけて高速道路50区間計約370kmで制限速度の引き上げを実施したとのこと。

 

ここで速度を見直された一般道は

1.制限速度が40km/hと50km/hの一般道のうち、実勢速度が制限速度の20km/h超

2.歩道が確保され歩車分離がしっかり行われている道路で実勢速度との差が10km/h超

の条件を満たす全国の一般道計4394kmとのこと。凄い距離!と思いそうだが、狭い日本でも一般道だけで合計約121万km超もあるため見直し対象になった道路はわずか0.36%である。なお、最高速度の見直しは事故が多発している道路や市街地、学校の近辺で通学路になっているようなエリアは対象外となった。

 

■一般道で最高速度が80km/hに設定されている道路がある?

最高速度が60km/h→80km/hに引き上げられている道路は現在、全国で以下の2か所である。

・栃木県:国道119号(宇都宮北道路)の一部(80km/hの一般道は全国初2005年~)

・栃木県:国道408号バイパス(鬼怒テクノ通り)の一部(こちらは全国2番目2013年~)

80km/hといえば、高速道路でいえば中央道のほとんど、首都高でいえば湾岸線などが最高速度として設定されている。最高速度が80km/hなので、自転車や原付はもちろん、125cc以下の二輪車も通行禁止である。

 

で、実際どんな道路かというと…

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ご覧の通り、ビジュアルはほとんど高速道路である。周囲に歩道もないし、市街地を通るわけではなく完全に独立している。これなら一般道であっても最高速度80km/hで納得がいく。というより、こんな道路が最高速度50km/hである方が不自然かもしれない。

 

ちなみに最高速度などを決める警察庁の「交通規制基準」では、たとえ一般道であっても「自動車の通行機能を重視した構造で安全が確保された道路」であれば、一般道の法定速度60km/hを超えて最高速度70km/hまたは80km/hに設定することは問題ないのだそう。

 

■高速道路でも制限速度の見直しが行われている

新東名をはじめ、ずいぶん前から「最高速度の見直し」が行われている高速道路があるが、警察庁は2016年3月についに、高速道路で安全の条件を満たす一部区間にて最高速度を100km/h→120km/hへ引き上げる方針を発表し、その後同年10月に東北自動車道と新東名高速道路の一部区間において、最高速度を110km/hに引きあげることを決定した。

 

ちなみに高速道路の最高速度が引き上げられるのは、1963年に日本初の高速道路・名神高速道路が開通してから初の試みとなる。これはもう歴史的なことなのである。最高速度110km/hとなるのは静岡県の新東名高速道路(御殿場~浜松いなさジャンクション間約145km)と岩手県の東北自動車道(花巻南~盛岡南インターチェンジ間約31km)の区間で、2017年度中には速度標識が改正となり、順次速度引き上げが行われる模様。

 

■高速道路の最高速度はどうやって決まっている?

高速道路の最高速度は「設計速度」によって決められるのが原則である。設計速度とは「自動車が安全かつ快適に走行できる最高限度の速度」を指しており、道路の立地条件や予想交通量によって、60km/h・80km/h・100km/h・120km/hの4種類を設定。実際の最高速度は設計速度マイナス20~10km/hに設定されている。

 

ちなみに、間もなく最高速度が110km/hに変更される新東名高速道路の設計速度は140km/h。確かに道路幅も路肩も広く、直線道路が多いので、走りやすく100km/h超での巡行もストレスが少なそうだ。

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■ところでオービスは規制速度に対応している?

いつも高速道路を走っていて気になっていたのだが、例えば雨が降っていて100km/h→80km/hに規制されている道路区間にオービスがあった場合、オービスの作動速度も低くなるのか?ということである。結論から言うと、もろもろの理由でどうやら規制速度には対応していないらしい。

 

技術的にはオービスの設定速度を規制速度に対応させることも可能なようだが、規制速度は気象状況や事故による渋滞状況などによって頻繁に変わることもあり、ドライバーがどこで規制速度を認知したか?など、取り締まりが難しく誤認検挙の可能性も大きくなるということで、現状では速度規制に対応したオービスでの取り締まりは行われていない(たぶん)。

 

とはいえ、覆面パトカーの取り締まりは速度規制にがっつり対応している。速度規制には従った方が無難である。

 

【著者プロフィール】

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

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