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2018/3/30 16:30

断捨離か保管か!? かさばる季節外服のスッキリ収納術

ダウンコートや厚手のニットなど、冬服の出番が少なくなってきました。真冬にだけ着るものはそろそろクリーニングに出して、春物にチェンジしたいところ。そこで、整理収納コンサルタントの森山尚美さんに、かさばる冬服の保管と、普段のクローゼットの効率的な収納法を教えてもらいました。

 

森山さん宅のクローゼットは、オフシーズンの衣類も含めて、ご主人とお子さん2人を合わせた4人分のすべてが、ウォークインクローゼット1室にまとまっています。

 

「部屋ごとにたんすやクローゼットを配すのもひとつの方法ですが、洗濯して畳んだ洗濯物を、いくつもの部屋のいくつもの場所にしまって回るのは面倒ですよね。1部屋に収まれば、それだけ家事の効率がよくなるので、わが家ではすべて一室に。これは片づけ全般に言えることですが、まずはなにが自分にとってラクなのか、無理なく続けてやれるのか、というところから方法を考えるのがベストです」(森山さん)

 

衣替えの前にいらないものを手放し、必要な服だけを収納する

整理しやすいように多くを持たない、というのが森山さんのルール。「たくさん服を持っていても、気に入っているものは意外と少なくて、ヘビロテする服はいつも同じ、ということはありませんか? 一度着てみて『あれ? なんだかイマイチだな』と思ったものは、わたしはもう棚には戻しません。一度着てイマイチと思ったものは、次に着たときもやっぱりイマイチで、結局着ないんです。また、昔着ていたけれど最近ずっと着ていない、という服も思いきって手放しましょう」(森山さん)

 

【いらない服の見極め方】
・着てみてイマイチだなと思ったもの
・昔着ていたもの
・いつか手入れをしようと思ったまま放置してあるもの
・いるかいらないか悩んでしまうもの

 

【いらない服の手放し方】
・シーズンのはじまりにリサイクルに出す

 

「捨てるとなると勇気がいりますが、誰かが使ってくれると思うと気持ちも違うもの。不要な衣類はリサイクルに出すのがおすすめです。シーズンが終わってからよりも、シーズンがはじまるときに出すほうが高い値がついたり、早く売れたりするので、今から出す春夏ものの中から不要なものをチョイスします」(森山さん)

 

すべてをひと目で見渡せるように収納する

収納するものが決まったら、次は収納の仕方です。使い勝手のいいアイテムを揃えて、どこに何が入っているのかわかりやすくしてみましょう。

 

1.ラベルで中身を「見える化」する

「引き出しや衣装ケースなどには必ずラベルをつけて、何が入っているのかわかるようにします。マスキングテープなどで持ち主ごとに色分けすると、家族で使いやすいでしょう」(森山さん)

↑衣装ケース前面の見やすい場所に、ラベルを貼って中身を把握しやすく

 

↑無印の深さ18cmの衣装ケース。衣装ケースはだいたい18、24、30cmと3タイプの深さがラインナップ。薄手のものや子ども用には18cmを、上着やパンツなどかさばるものには24cmがおすすめです

 

2.深さと奥行きのない収納ケースを選ぶ

「衣装ケースは、奥行きのある押入タイプや、深さのあるもののほうがたくさん入るので、そちらを選びがち。実際は、浅くて奥行きのないタイプのほうが引き出しやすいし、中身が見えやすくて取り出しやすいんです。奥行きが必要な場合は、ふたつ買って並べるとよいでしょう」(森山さん)

 

3.1段ずつ分かれているケースを選ぶ

「2段、3段と重なったケースでは、位置を変えたり上下を移動させたりすることができないので、1段のものか、1段ずつ外れるタイプがよいでしょう。透明で中が見やすいものを選ぶのもポイントです」(森山さん)

 

4.服は縦に揃え余裕を持たせて収納する

「服を縦に収納することで、それがどんな服なのかわかりやすく、取り出しやすくなります。ぎゅっと詰め込まないで、スカスカにしておくのもポイント。詰め込めば量は入るかもしれませんが、取り出すときにも戻すときにも手が入りにくく、ほかの洋服まで畳み直さなければならなくなることもありますよね」(森山さん)

 

5.ケースに入れないものは畳んで収納する

「服を畳むことが苦ではない方は、わが家のようにオープンラックなどにそのまま収納するのがおすすめです。ショップのディスプレイのようにすべてが見えるので、どんな色のどんなアイテムがどのくらいあるかがすぐにわかります。また、たんすにしまうと開けたり閉めたりする手間がありますが、この収納法ならば取り出すのもラク。ただ、服を畳むことが面倒な方や苦手な方は、ハンガーにすべてかけるほうがよいでしょう」(森山さん)

 

 

次に、オフシーズンの衣類を保管する場所を見ていきましょう。

 

オフシーズンの衣類は保管する場所を工夫する

次に、オフシーズンの衣類を保管する場所を見ていきましょう。森山さんは、「管理しやすい場所に置く」ことと「預けて保管する」を上手に使い分けているようです。

 

1.オフシーズンの服でも手の届きにくい場所には収納しない

「脚立がないと届かないような場所には、たとえオフシーズンの衣類でも収納せず、思い出の品など、めったに取り出さないものを収納します。高い場所でも収納アイテムによって取り出しやすくなるのであればOK。IKEAのスクッブシリーズは、軽くて、下に手をかけるだけで引っ張り出せて便利です」(森山さん)

 

2.しまうものとしまわないものを考えて効率よく衣替えをする

「衣替えというと、秋冬ものと春夏ものをそっくりそのまま入れ替える、と思いがちですが、出し入れはなるべく少ないほうがラク。季節をまたいで一年中着られるものもありますから、しまうものは真冬のものと真夏のものだけ、というように分けて考えてみましょう」(森山さん)

↑森山さんの、しまうものとしまわないもの。右は冬にしか着ないニット類で「しまうもの」。左はシャツや長袖のパーカーなど、春夏も着る機会がある「しまわないもの」

 

3.かさばる衣類は預ける

「わが家では、コートはすべてクリーニング店に預けてしまいます。家に置いておくと場所を取るからということもありますが、いいコートはなるべくいい状態で保管しておきたいので、自宅にあるよりきちんと管理してくれるところに預けたほうが安心です。お値段はクリーニング店によって違いますが、だいたい一着数百円とお手ごろなんですよ。冬の布団も預かってもらっています」(森山さん)

 

「預ける」という選択肢の中には、トランクルームを使うという方法もあります。最近は、預けたものをアプリやブラウザで管理できるクラウド収納サービス「サマリーポケット」など、段ボール一箱から気軽に荷物を預けることができるトランクルームアプリが主流。預けた荷物はアプリからいつでも確認したり、取り出したりすることができます。

↑「サマリーポケット」では、スマホから集荷依頼ができ、ダンボール1箱から気軽に荷物を預けられます。保管物のリストもスマホの画面で確認可能

 

大和リビングによる賃貸住宅「D-room」の利用者が選べるサービス「D-room+」でも、このサマリーポケットを無料で使えるお得なオプションサービスが人気だとか。D-room+対象物件の入居者は、オプションの中からトランクルームサービス、サマリーポケットを選択した場合は専用ボックス代や月額保管料、預けたものの取り出し送料が無料になります。

↑大和リビングによる賃貸住宅の利用者が選べるサービス「D-room+」

 

↑サマリーポケットに対応したD-room物件の入居者は、①2箱分の専用ボックス代金、②居住中の2箱分の保管料、③1年につき2箱分までの取り出し送料、の3サービスを無料で利用できます

 

森山さんのように「オフシーズンの衣類や布団を預けたい」「洋服がクローゼットに入り切らない」といった収納の悩みを、すっきり解決してくれそうです。

 

続いて森山さんイチ押しの、衣類がすっきり片付く便利アイテムを教えてもらいます。

 

すっきり収納が叶うおすすめアイテム

森山さんイチ押しの、衣類がすっきり片付く便利アイテムを教えてもらいました。

 

1.ドイツ製のMAWAハンガー

MAWAハンガーは、表面に特殊なコーティングがされていて、かけた洋服が滑り落ちません。ニットなどの伸びやすい洋服もしっかり型崩れを防ぎます。「服が増えてハンガーが足りなくなったときは、ハンガーを買うのではなくて、不要な服を処分します。事前にハンガーの本数を決めておけば、服を買ったときにその都度いらないものはないかと考えるきっかけになり、服が増えません」(森山さん)

 

2.ジッパー式保存袋

薄手のコートやニットなどは、一着ずつジッパー式の保存袋にしまいます。「衣類の圧縮収納袋はサイズが大きくてたくさんのものを一度にしまうタイプなので、何が入っているかわかりにくく、今これだけ出したいというときに不便です。また、掃除機で吸い取る必要があるなど手間もかかるので、自分で空気を抜けるような小さな食品用の保存袋がベストです」(森山さん)

森山さんが終始強調していたのは、「しまいこまず、見えるように保管する」ということ。何をしまったのか見渡せると、同じような服を買ってしまうことを防げます。また、すっきりしたクローゼットは風通しがよく、服が傷みにくいというメリットがあります。さらに掃除がしやすく手間がかかりません。

 

春物を出す前に、まずはクローゼットの見直しをはじめてみましょう。

 

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