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2018/8/18 18:00

「プレミアムフライデー」の次は「シャイニングマンデー」!? 早くも批判ばかりで期待が高まらないワケ

「プレミアムフライデー」に続いて、経産省が新たに始めようとしているのが月曜午前を休もうという「シャイニングマンデー」です。

7月30日、経産省の職員の3割が午前中に休暇を取ったそう。月末の金曜日に早帰りをする「プレミアムフライデー」の振り替えで、輝かしい1週間の始まりとして「シャイニングマンデー」と呼ぶ声もあるようです 。その狙いは「プレミアムフライデー」と同じく消費喚起、そして、働き方改革の一環で長時間労働の是正につなげることだそうです 1 。

 

経産省の担当者によると、月曜の午前中を休むことで、「観光地に行って月曜日の朝に帰ってくる、または子どもたちと夜遅くまでテレビを見たうえで月曜日はゆっくりと過ごしたうえで会社に来るといったような働き方ができる」とのことです。

 

土日に半日程度の休暇を付け足すことで旅行などの消費を喚起する、家族と過ごす時間を増やすという構想は「プレミアムフライデー」と全く同じ。当初より経済界から、月末の金曜日は繁忙期と重なることも多く早帰りを促進することは難しいという声があがっていました。なので、繁忙期を過ぎた後の「シャイニングマンデー」であれば休めるというケースもあるかもしれません。

 

■やっぱり低かった 「プレミアムフライデー」の利用率

そもそも「プレミアムフライデー」は、どの程度利用されているのでしょうか。ニッセイ基礎研究所の20~70代の生活者1万人を対象にした調査2 によると、「プレミアムフライデー」の認知度は非常に高くなっています。全体で94.5%であり、性別や年齢、職業によらず、幅広く認知されています。

 

一方で利用率は、開始直後の2ヶ月の状況を見ると利用率は全体で5%にもなりませんでした。利用が多かったのは、旗振り役でもある公務員や大企業、電気やガスなどのインフラ企業です。また、利用者の過ごし方は、「食事」(46.3%)や「買い物」(44.6%)が多くなっていました。一方で「自宅で過ごした」(30.5%)も多く、早帰りをしても消費につながらない層も少なくありません。

 

なお、8割以上は勤め先で導入されなかったと回答しており、大半の企業は導入を躊躇したようです。「プレミアムフライデー」で消費者の行き先となる飲食店やデパートでは、むしろ人手が必要となってしまいますし、そもそも仕事量を減らさずに早帰りだけを促進することは難しいでしょう。

 

■「シャイニングマンデー」を定着させるために必要なこと

「プレミアムフライデー」、そして、「シャイニングマンデー」は今後、定着するのでしょうか。キーとなるのは仕事の生産性向上と収入の増加をセットで進めることです。仕事量が減らないことには、他の日の残業につながりかねませんし、所得が増えなければいくら休みがあっても消費はできません。

 

また、業種や職種によって繁忙期は異なるため、実施日の柔軟性も必要です。その点で言えば、「プレミアムフライデー」のみで促進するよりも、「シャイニングマンデー」を組み合わせた方が効果を上げられるのではないでしょうか。

 

さらに、「金曜午後」や「月曜午前」にこだわらずに、同じ会社であっても部署ごとに休みやすい日に実施することができれば利用率が高まる可能性もあるでしょう。多くの人が休暇を楽しめる仕組みづくりに期待したいものです。

 

1 テレビ朝日ANNニュース「経産省担当者「シャイニングマンデー」について語る」(2018/7/31)
2 「家計消費と生活不安に関する調査」、調査対象:全国の20~70歳代の一般個人、調査手法:ネットリサーチ、実施時期:2017/4/6~4/13、調査機関:(株)マクロミル

 

【著者プロフィール】

ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員 久我尚子

ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員
2001年早稲田大学大学院理工学研究科修了。
NTTドコモを経て、2010年よりニッセイ基礎研究所。
専門は消費者行動。内閣府や総務省の統計関連の委員をつとめる。
著書に「若者は本当にお金がないのか? 統計データが語る意外な真実」
(2014、光文社新書)など。統計を使って暮らしを読み解くことが得意。

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