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2018/10/4 7:00

住み替えで得をする! 専門家が教える賃貸物件を上手に借りる方法

賃貸の住み替えを考えるとき、誰もが少しでも安く、お得に借りられたらいいのに! と思うものです。同じような条件の物件であれば、たいていは相場から家賃が決められていますが、築年数や設備によっては、細かな価格差がある場合もあります。また、相場が下がる時期や特典などを知っておくと、次の引っ越しに役立つでしょう。

 

ここでは、賃貸の住宅事情に詳しく、宅地建物取引士である住宅・不動産ライターの椎名前太さんに、賃貸物件のお得な借り方についてレクチャーしてもらいました。

 

1. 同じ物件でも価格が下がっていることがある

住み替えは夏が狙いめ!

賃貸物件は常に借りたり解約されたりを繰り返しているので、情報には日々動きがあります。なかでも入学や卒業、就職など、たくさんの人が新生活をスタートさせる春は、昨日出ていなかった物件情報が今日は何十件も出ている、というのはよくある話。反対に、春は同じ時期に同じような条件で探している人が多いため、いい物件はすぐに決まってしまいます。つまり、この時期を越えると引越しを考える人が少なくなるので、春以降は価格が下がったり、家賃の交渉がしやすくなったりするのです。

 

「夏は、暑くて引越しに向いていないと思う方も多いので、引越し会社の運搬価格も安くなっているところが多いです。ファミリータイプの広い部屋の場合、9月の新学期に合わせて動く方が多いので、時期を選べるならば、物件の動きが比較的落ち着く7月から8月を狙いましょう」(住宅ライター・椎名前太さん、以下同)

 

※知っておきたい「定期建物賃貸借契約」

賃貸物件には普通賃貸借契約のほか、「定期建物賃貸借契約」という、住める期間が定められている物件があります。「貸主が海外転勤から帰ってくる日まで」「取り壊すまで」など理由はさまざまですが、契約期間が期間限定のため、賃料が相場より安い価格で設定されています。「2年だけ住めればいい」などと期間を区切って探している場合は、定期借家も視野に入れてみましょう。

 

2. 二重に家賃がかからないスケジュール設定をする

解約手続き日は契約書で確認を!

賃貸から賃貸への住み替えは、新しい住居の契約より先に今の住まいの解約が必要です。多くの場合は「退去したい日から1カ月前に解約の連絡をする」という契約内容になっていますが、2カ月前となっていることや、退去届が担当者の手元に届いてから1カ月、などとしている場合も。どのような条件になっているか、今一度契約書を確認しましょう。

 

「新しい住居の家賃をいつから支払うか、不動産会社や貸主と相談できる場合もあるので、退去日を伝えて二重に家賃がかからない方法を考えてみるとよいでしょう。また、解約手続きをしていたのに新しい物件が見つからない、という場合などは早めに不動産会社に連絡しておくことで、退去日を伸ばすなどの対応をしてもらえる場合もあります。困ったら問い合わせをして、現状を伝えましょう」

 

3. 新築物件はやはり高め!

2~3年落ちの物件を選ぶ

インターネットでの物件検索は、さまざまなチェックボックスを選択することで、好みの物件がヒットするようにできています。新しいほうがいいからと「新築」にチェックしてしまうと、相場より賃料がやや高めの物件ばかりになってしまうので、お得に借りるのであれば、前にひとりかふたりだけが入居した築2?3年の物件がおすすめ。また、検索するときは範囲を広めに考えてチェックしましょう。たとえば駅近がいいからと「10分以内」にしてしまうと、駅から11分かかる物件はヒットしなくなってしまいます。

 

「新築物件の家賃は“新築プレミアム”と呼ばれ、価格も1割前後高くなり、家賃交渉は難しいと思ってよいでしょう。契約更新時期を過ぎた築2年前後の物件は、設備は新しいのに新築を謳えないので少し価格が落ち着きます。また、安さを求めるなら築11年以降がいいかもしれませんが、エアコンなどの基本設備が老朽化している場合があるので、設備の交換やリフォーム済み物件を狙うのが得策でしょう。入居中に設備が壊れたら直してはくれますが、その期間は使用できないので、交換することを契約条件とする手もあります」

 

4. 戻ってくる敷金は、自分次第で変わる!

原状回復しなければならないポイントは?

新しい住居をお得に借りるのと同時に、今の住居に支払っている敷金を返金してもらうことも大切です。原状回復と敷金についてはトラブルに発展することが多かったので、東京都ではいわゆる「東京ルール」と呼ばれる東京都紛争防止条例で、トラブルにならないよう明確化されています。

 

それによると、住居の壊れた部分の修理は、故意に壊したり過失によったりするものは敷金から引かれる可能性がありますが、例えば壁にポスターなどを貼っていたために生じたクロスの変色や、家具を置いたことによる床のへこみなど、「一般的な使い方で変化したもの」や、「経年によって劣化して壊れたもの」については、住人が支払う必要がありません。また、加入している保険で修理できるものもありますから、退去前に壊れてしまったところを保険で直しておくのもひとつの手でしょう。退去時のルームクリーニングが借主負担となっている場合は、いくら掃除をきれいにして引き渡しても値段は変わりませんから、部屋の掃除は掃除機をかける程度で充分です。

 

「昨年、敷金に関しての民法が120年ぶりに改正されたんです。それまでは敷金の使い方や原状回復について、法律では何も定められておらず、貸主都合の原状回復にも敷金が充てられ、返還されないこともありました。しかし、今回の改正で敷金は返還するものということが明文化されました」

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