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2016/5/15 12:00

「褒める」も「叱る」もこの一言で! 部下はもちろん子どもにも効く“魔法の言葉”

各企業や組織で新入社員が入って来て1か月以上が過ぎました。新しい水にだいぶ慣れてきた人が多いでしょうが、それだけ「5月病」も発生しやすくなります。そのほとんどが人間関係の悩みからといわれ、アンガーマネジメントの出番といえるでしょう。今回は「上司編」を取り上げてみます。

 

新入社員とは、1か月以上の付き合いが生まれました。全く知らない関係より少しは知り得た関係になったはずです。そこで使ってもらいたい“魔法の言葉”があります。

 

その“魔法の言葉”を紹介する前に、あるエピソードをご紹介しましょう。先日、都内のある小学校でアンガーマネジメントの授業を行いました。小学校5年生とその父兄約100人が対象です。まず、生徒たちにアンガーの基本を話した後、父兄の皆さんに残ってもらい、「間違った叱り方、正しい叱り方」を話しました。終了後、「何か質問はありませんか?」と言うと、誰も手を挙げません。「わかってもらえたんだ」と思い、教室を出ようとすると、その父兄の全員が私の前に列を作りました。思春期を迎えようとしている子供たちへの「悩み」を全員が持っていたのです。

 

驚いたことに、その内容のほとんどが「子供をどうやって叱っていいかわからない」でした。それだけ叱ることは難しいといえます。日本人は褒めるのも叱るのもひじょうにヘタです。ついつい上から目線の物言いになり、思いが伝わりません。アンガーマネジメントの中の「正しい叱り方」(間違った叱り方と同義)から最良の褒め言葉と叱り言葉を紹介しましょう。これこそ“魔法の言葉”です。

 

まず、褒め言葉は「~らしい」です。「それは、○○くん(さん)らしいね」。これだけで相手を信頼し、相手の気持ちに寄り添っていることが伝わります。では、叱り言葉は何ですか? もうおわかりですね。そう、「~らしくない」です。「それは、○○くん(さん)らしくないね」でいいのです。2つとも、全く知らない人に言っても意味がありません。少しは人柄を知っているからこそ有効で、そういう意味では2年目、3年目の人に対して使うとさらに効果的です。

 

ただし、この「~らしい」「~らしくない」を使うときに条件があります。決して人前では使わないこと。人前で褒めると、褒められていない人間は面白くありません。逆に人前で叱ると叱られた人間は想像以上にプライドが傷付きます。したがって、褒めるのも叱るのも別室で1対1の状況で行うことがより効果的であり、意味のあるものになります。

 

5月に入り、新卒者にも上司にも難しい季節になりました。だからこそ、この“魔法の言葉”を使い、しかも、個別で声をかけて乗り越えることができれば、人間関係の新たな絆が生まれる季節に変わります。

 

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著者プロフィール

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瀬戸口 仁
1960年2月25日、東京生まれ。サンケイスポーツ新聞社でプロ野球を11年間担当。独立して1993年に渡米し、ニューヨークを拠点に13年間、メジャーリーグ、とくに日本人メジャーリーガーを取材。日本の新聞、雑誌、サイト、テレビ、ラジオに彼らの「今」をリポートした。2007年に帰国後、スポーツライターのかたわら、大学や専門学校で講師を務め、アメリカで出合ったアンガーマネジメントのファシリテーターとして全国を飛び回り、講演、セミナー等を行っている。著書に「宣言力」シリーズ(野球編、サッカー編、オリンピック編)、「最強の日本人のつくり方」などがある。