ライフスタイル
2019/2/21 6:45

見極めは鼻水の色⁉︎ 花粉飛散のピークに子どもの花粉症やアレルギー症状を抑えるには?

今年も、花粉症に悩まされるシーズンがやって来ました。自分はもちろん、子どもも心配。「もう我慢しなくてOK! アレルギー体質でも安心のチョコで作る“アレルゲンフリー”スイーツ」でもあったように、花粉症などのアレルギーを発症する子どもが増えてきたといいます。アレルギーとはどんな症状なのか、症状を緩和するには暮らしの中でどういった対策をとればいいのか、日本アレルギー学会専門医の眞々田容子さんに聞きました。

 

花粉症やハウスダストアレルギーの対策とは?

———最近、子どもが鼻水が止まらなくてつらそうで……。今の時期は、鼻水が出ていても花粉症か風邪か、なかなか区別がつかないですよね。花粉症と風邪にはどのような違いがあるんでしょうか?

 


眞々田さん「一番わかりやすいのが、鼻水の色ですね。風邪の場合、初期は透明の鼻水が出てきますが、だんだん黄色や緑の鼻水になっていきます。でも、花粉症などアレルギー性鼻炎の場合は、透明や白い鼻水が継続して出るんです。また、症状が長期間続いて、目のかゆみといった症状が出てくるのも特徴です。」

 

———うちの子どもも、透明の鼻水をズルズルさせていたなぁ。たまに目もかゆそうにしていたから、花粉症みたいですね。そもそも、子どもが花粉症などのアレルギーを発症する原因とは、なんなのでしょうか?

 


眞々田さん「子どもの年齢によって“原因物質”が異なってきます。乳児の場合は、卵・乳・小麦など食物によるアレルギー、特にアトピーが多いですね。お子さんが大きくなると、食物によるアレルギー症状は少なくなり、ハウスダストやダニが主な原因物質になってくることが多いです。鼻水などの症状が出る花粉症などのアレルギー性鼻炎は、花粉はもちろん、ハウスダストやダニなどが原因にもなることがあります」

 

———ハウスダストやダニも原因なのですね。うちも花粉症の子どものために、家庭でできることはしてあげたいと思うんですが、家庭ではどういった点に気をつければいいでしょうか?

 


眞々田さん「原因物質であるハウスダストやダニ、花粉は、布製品をこまめに掃除することで、症状を抑える効果が期待できますよ。とくに布団は、こまめに乾燥機をかけた後、さらに掃除機で吸うことで、ダニの死骸まで除去することができます。あとは、ソファに掃除機をかけたり、カーテンを洗濯したり、エアコンのフィルター掃除をするなど。それから、観葉植物の葉っぱなどに溜まったホコリの掃除も忘れずに行いましょう。」

 

———花粉症には、こまめな掃除が大切なんですね。それならすぐにできそうです。では、食生活で気をつけるべきことはありますか?

 


眞々田さん「栄養バランスのととのった食事を心がけることが一番大切です。お菓子類、ジャンクフードなどはアレルギーを誘発するような油や添加物が使われていることもあります。なるべく自炊を心がけて、青魚などの魚の脂や、えごま油など、良質な油を食生活に取り入れるのがおすすめです。昔ながらの日本食が、アレルギー症状を抑えるためには効果的なんですよ」

 

———花粉症などのアレルギーは、意外にも油が鍵を握っているんですね。それにしても、昔ながらの日本食が、実はアレルギーの面でも有効だったとは! そういえば、最近はアレルギーを発症する子どもが昔よりも増えていると聞きますが、食生活の変化も一因なのでしょうか?

 


眞々田さん「そうですね。たとえば、パンやパスタなどの小麦製品は、もともと日本人の体には合わないといわれていますが、今ではたくさんの人が口にしています。あとは、ジャンクフードなどの普及により、添加物や脂を摂取する機会が増えていることも、アレルギーの増加に結びついていると考えられていますね」

 

———掃除に食事……そのほかにもできることはありますか?

 


眞々田さん「アレルギー症状は、体が疲れると症状が悪化しやすくなってしまいます。日々の生活で体を疲れさせないことや、ストレスをためないことも、花粉症などのアレルギー症状を悪化させないために重要ですね」

 

まとめ

日常のケアで花粉症の症状をやわらげる

子どもの花粉症を緩和するためには、こまめな掃除や食生活を見直すなど、日々の生活の中でのケアが大きく関係することがわかりました。アレルギーの原因物質に触れる機会をなるべく減らし、子どもが健やかに過ごせるように心がけるのが、親としてできることのようです。

 

クローバーこどもクリニック 院長|眞々田容子さん

台東区蔵前の小児科・クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。一般の新生児や小児科を中心に、アレルギー疾患や母乳育児を専門分野とする。自身も現在子育て中のママドクター。
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