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2019/3/16 19:15

日本車は国外生産のほうが多い!? 海外における日本車の評判を探ってみた

日本の自動車メーカーは海外でも多くの車を生産している。「海外でも」というより、海外での生産台数が圧倒的に多い。日本自動車工業会の調べによると、2017年に日本国内で生産された車の台数は969万台。このうち、日本から海外に輸出された自動車は463万台で、同年、海外生産された車の台数は1974万台だ。海外で生産される日本車は日本で生産される台数の約2倍となり、日本から輸出される日本車の約4倍もの数字になっている。

カンボジアの街中。日本車の姿が目立つ。撮影:Hiroto KATO

 

そして、現地生産しているメーカーの車は当然だが現地でも人気が高い。やはり、自動車工場が一つできると、多くの雇用が生まれ、地域社会への様々な貢献もできる。その結果、車やメーカーに対するイメージも良くなり、信頼関係も強くなりそのメーカーの車を買う人が増える……日本車の比率が高いアジアや北米がまさにそのような状況であろう。

アメリカでは多くの日本車ディーラーがある。撮影:Hiroto KATO

 

とくにアメリカの場合は、過去に壮絶な貿易摩擦の歴史があり、全米各地で日本車叩き、ジャパンバッシングが繰り広げられた。日本の自動車に欠陥があるわけでもなく、何も悪いことはしていない。自分たちの車(米国車)より、品質が良く燃費のよい日本の車が売れているというのが理由だ。なんとも不条理なバッシングを受けたものである。日本車に対して関税を大幅に上げるという話もあったが、結局はアメリカ国内に工場を作り現地生産をする動きが加速した。

 

そうして、北米がけん引役となり、統計が残るのは1985年には89万1142台だった海外での生産台数は、10年後の1995年には555万9480台、2005年にはついに一千万台を超えて1060万6157台、2017年には1974万1299台となっている。

 

■アメリカ市場における日本車人気は?

アメリカのスーパーマーケットの駐車場。見渡す限り日本車…。撮影:Hiroto KATO

 

先進国の中で最も日本車の人気が高いのはアメリカである。アメリカにおける日本車販売の歴史は長く、1960年代後半から始まっている。カローラも初代からアメリカでの販売が開始されており、日本同様50年の歴史を持っている。日本車の販売シェアは1969年には18%、オイルショック後の1975年には5割を超えている。オイルショックにより、大排気量で燃費の悪いアメリカ車よりも、小排気量でも性能が良い小型車が爆発的に売れたためだ。さらに1970年代末の第二次オイルショックで日本車の優位は絶対的なものになった。80年代に入ると、ホンダを皮切りに日本の自動車メーカーの現地生産が加速していく。

 

そうして、アメリカにおける日本車人気はどんどん高まり、乗用車販売台数ランキングの上位は日本車が常連となった。2018年1~12月のSUV/乗用車販売ランキングを見てみると……

 

【アメリカ SUV/乗用車販売ランキング】

1.トヨタ RAV4
2.日産 ローグ
3.ホンダ CRV
4.トヨタ カムリ
5.シボレー エクイノックス
6.ホンダ シビック
7.ホンダ アコード

 

と、なんと1~7位までに日本車が6台。このほか、トヨタ カローラ、日産アルティマ、日産セントラなども常にトップ20位に入っている。

 

■日本車が98%以上という国もあるアジア

日本やタイからの中古車が多いカンボジアも日本車率が高い。撮影:Hiroto KATO

 

それではアジアはどうだろうか?中国や東南アジアにも日系ブランド車は多数、現地生産されている。

 

例えば、日本車が圧倒的シェアを持つインドネシアの場合、2018年の小型乗用・商用車の販売シェアを見ると……

 

【インドネシア 小型乗用・商用車の販売シェア】

トヨタ 30.6%
ダイハツ 17.6%
ホンダ 14.1%
三菱 12.4%
スズキ 10.3%
三菱ふそう 4.5%
日野 3.5%
いすゞ 2.3%

 

合計でなんと97.7%が日本車である。日本車以外を探すのが難しいほど。日本にはない東南アジア専用モデルも多く、7~8人乗りで人も荷物もたくさん積めるミニバン的な車が人気だ。

東南アジアでは7~8人乗車のミニバンが人気。写真はカンボジア。撮影:Hiroto KATO

 

ちなみに、タイでの日本車シェアも高く84%以上。自動車購入に様々な規制が掛かるシンガポールでも56%、親日国として知られるオーストラリアでも日本車のシェアは約5割で、最も売れているのはトヨタ・ハイラックスである。

 

また、日本やタイからの中古車が特に多いカンボジアも日本車率が非常に高い。とくに人気はLEXUS RX(ハリアー)、カムリ、カローラでタイ生産の新型ハイラックスや、インドネシアやタイで生産されるトヨタ大型SUVフォーチュナーなども良く見かける。

トヨタの大型SUVフォーチュナー。撮影:Hiroto KATO

 

■欧州で人気の日本車は?

自動車先進国欧州は、多数の自動車メーカー、とくにVWやフィアットなど日本同様小型車を得意とするメーカーが多いこともあって、アメリカほどに日本車人気は高くない。日系メーカーが現地生産を始めたのは1990年前後でアメリカに比べると約10年程度遅くなっている背景もあるだろう。

 

2017年の1年間、EU諸国全体で約1504万台の新車が販売され、このうち日本車全メーカー合計の新車販売シェアは約13%。とくに人気なのはトヨタ・ヤリス(日本でいうところのヴィッツ)、日産・キャシュカイ(同じくデュアリス)、トヨタ・C-HRなど。

 

しかし、今年2月1日より、日欧間のEPA発効となったため、8年後にはEU諸国における日本車への関税がゼロになることが決定している。現在10%となっている日本製乗用車に対する関税が8年後に完全撤廃となるため、日本車の販売台数増加が期待されている。

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

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