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2019/4/13 15:00

新宿は「Shi“n”juku」なのに新橋は「Shi“m”bashi」なのはナゼ? 「ん」のローマ字表記のヒミツ

先日は新元号「令和」のローマ字表記が “Leiwa” ではなく “Reiwa” になる理由を紹介しましたが、日本では地名や駅名がローマ字で書かれることもありますよね。

 

例えば、駅名の「新宿」と「新橋」。ホームにある駅名が書かれた看板のローマ字表記はどうなっているか、ご存じですか?

 

Shinjuku

Shinbashi

 

と思った方、実際はそうなっていないはずです。

 

Shinjuku

Shimbashi

 

です。「新宿」も「新橋」も同じ「新(しん)」なのに、なぜ「ん」の表記が “n” と “m” に分かれるのでしょうか?

 

今回はローマ字で「ん」を表すときの “n” と “m” の使い分けをスッキリ解説したいと思います!

 

「ん」のローマ字表記には “n” と “m” がある

私は大阪出身なのですが、昔「なんば」駅のホームでぼーっと電車を待っていたときに、目の前にあった「NAMBA」と書かれた看板を見て不思議に思ったことがあります。

 

なぜ「NANBA」ではなく「NAMBA」なのでしょうか?

 

これが分かると「新宿(Shinjuku)」と「新橋(Shimbashi)」の違いも簡単に分かるんです!

 

“m” で表す「ん」

たいていの「ん」は、ローマ字で書くと “n” になります。なので、例外的に “m” になる場合のルールを先に解説しましょう。

 

新橋(しんばし)

難波(なんば)

日本橋(にほんばし、にっぽんばし)

 

これらを意識せずにサラッと発音してみてください。「ん」で唇を閉じてから次の音を発音しているのが分かりますか?

 

これが “m” で表す「ん」なんです。ルールはこうです↓

 

「ん」の後ろに「ば行、ぱ行、ま行」の音が続くときに「ん」は “m” になる(mb、mp、mm)

 

「ば行」も「ぱ行」も「ま行」も発音するときは上と下の唇がくっつきますよね。なので、その前に「ん」があると、私たちは無意識のうちにその「ん」も口を閉じて発音しているんです。

 

この、唇を閉じて鼻から出す「ん」は英語の “m” の音なので、”m” という表記になるんですね。「天ぷら」が英語で “tempura” と描かれるのも、発音が “m” だからです。

 

つまり「新橋」「難波」「日本橋」の駅名看板は、こうなっています↓

 

Shimbashi

Namba

Nihombashi、Nippombashi

ちなみに、大阪にある「天満(てんま)駅」や「本町(ほんまち)駅」のローマ字表示も、

 

Temma

Hommachi

 

です。「ん」の後ろが「ま行」だからですね。

 

“n” で表す「ん」

では試しに、次の駅名を普通に読んでみてください。

 

新宿

神田

五反田

 

「ん」は上下の唇がくっつきませんよね。口を開けたまま発音します。なので、これらの「ん」は “n” の表記、

 

Shinjuku

Kanda

Gotanda

 

となります。日本語が母国語の人は意識していないと思いますが、”n” の「ん」と “m” の「ん」は発音が違うんですね。

 

道路標識では全ての「ん」が “n”

これで「ん」の “m” と “n” の使い分けは分かりましたよね。

 

ではここから、ちょっとややこしい話をします。

 

実は、道路標識では上で紹介したルールが適用されていません。

上の写真のように、交差点名が書いてある白地に青い文字の標識や、車を運転しているときによく見る、青地に白文字で地名と方向を示している標識ってありますよね。

 

それらの道路標識では、先ほど “m” の「ん」で紹介した「新橋」「難波」「日本橋」なども、

 

Shinbashi

Nanba

Nihonbashi、Nipponbashi

 

のように “n” で書かれているんです。これは一体なぜなのでしょうか?

 

その理由は「どのように表記するか」のルールの違いです。

 

道路標識に使われるローマ字も、駅名の表記で使われるローマ字もどちらも「ヘボン式」です。ただし、ヘボン式も用途によってバリエーションがいくつかあって、それによって「ん」の表記方法が変わってきます。

 

それぞれが違う表記ルールを採用した結果、道路標識の「ん」はすべて “n” になり、駅名の表記では “n” と “m(mb、mp、mm)” を使うことになったんですね。(ちなみに、パスポートの氏名のローマ字表記も “n” と “m” を使い分けるようです )

 

つまり、”m” の音の「ん」を “m” で書くか “n” で書くかは、どのルールに則って表記するのかという違いなので、どちらかだけが正解ということはありません。

 

ただ、海外からの人が正確に発音しやすいのは “m(mb、mp、mm)” を採用した方かな、という気が個人的にはします。

 

街に出たら、駅名の看板や道路標識をぜひチェックしてみてくださいね!

 

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