「イクラ」に「たらこ」、「かずのこ」に「とびこ」…日本人は魚の卵をよく食べますよね。私もたらこが大好きなので、日本に帰国した時は必ず食べます。
では「イクラ」「たらこ」「かずのこ」「とびこ」って英語言うとどうなるのでしょうか?
これらはよく日本食に使われていたり、特に「イクラ」や「とびこ」はお寿司に使われていることも多いので、海外の人に日本食を説明する時に役に立つかもしれませんよ。
魚の卵(魚卵)は英語で “roe”
「イクラ」「たらこ」「かずのこ」「とびこ」といった魚の卵(魚卵)を英語で表すときによく使われるのが “roe” という単語です。
“roe” とはオックスフォード現代英英辞典によると、
the mass of eggs inside a female fish (hard roe),…(中略)used as food
つまり「メスの魚の体内にある卵の塊(集合体)で食物として使われるもの」を “roe” や “hard roe” と呼びます。小さいつぶつぶが集まった「いくら(厳密には筋子)」や「たらこ」がまさにそうですね。
ちなみに、”fish eggs” と言っても間違いではありませんが、私が耳にする限りでは “roe” の方がよく使われていると思います。
“caviar” で表すこともある
「キャビア」と言えばチョウザメ(sturgeon)の卵を塩漬けにしたものですよね。
英語の “caviar” も主にチョウザメの卵の「キャビア」を指しますが、他の魚の卵にも使われるんです。
ニュージーランドでも「イクラ」や「たらこ」が瓶詰め・缶詰めで売られていて、私が見た中ではパッケージには “roe” よりも “caviar” と書かれていることが多いです。
そのせいか、”roe” は魚の卵そのものを指して、”caviar” は加工された食品としてのイメージがあります。
「イクラ」「たらこ」「かずのこ」「とびこ」は英語で?
“roe” や “caviar” の前に魚の種類をくっつければOKです。
イクラ:salmon roe, salmon caviar
たらこ:pollock roe, cod roe, cod caviar
とびこ:flying fish roe, flying fish caviar, tobiko caviar
かずのこ:herring roe, herring caviar
からすみ:mullet roe, mullet caviar
のように呼びます。
「たらこ」は「たら(cod)」の「卵(roe)」で “cod roe” と呼ばれることもありますが、日本で出回っているたらこはスケトウダラ(Alaska pollock)の卵なので、厳密に言うと “pollock roe” だそうです。
ただ、魚の種類に詳しくない人に「スケトウダラ」は伝わりにくいかもしれないので、そんな場合には “a type of cod” のように言い換えてもいいですね。
“soft roe” って何?
先ほど紹介したように「メスの体内にある卵のかたまり」は “roe” や “hard roe” と呼ばれますが、実は “soft roe” なるものもあるんです。
“soft roe” とは、オックスフォード新英英辞典によると、
the ripe testes of a male fish, especially when used as food
ということですが、”testes” なんて聞き慣れない単語が出てきたので調べてみると “testis(精巣)” の複数形でした(「睾丸」という意味もあるようです)。
「食物として使われる成熟した精巣」 …何のことかピンときましたか?
“soft roe” とは「白子」です。確かに “soft” というだけあって、プルプル柔らかいですよね。
“roe” の発音は?
“roe” の読み方は「ロエ」ではありませんよ。
発音は「列」や「ボートを漕ぐ」の “row” と全く同じで、イギリス英語では/rəʊ/、アメリカ英語では /roʊ/ となります。
ちなみに、お寿司を連想して「生の」を意味する “raw”と混乱しそうですが、ちょっと違うので注意してくださいね。こちらはイギリス英語では /rɔː/、アメリカ英語では /rɑː/ です。
また「イクラ」や「たらこ」などを「食べられる?」と聞きたい場合に、ちょっと知っておきたいポイントはこちらで紹介しています。
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