ライフスタイル
2019/10/29 21:50

トレンドよりストーリー性。モデルの“しばさき”こと柴田紗希の意外なファッション観

モデルの活動を中心に数々のブランドコラボも手掛け、20代の女性から圧倒的な支持を集める柴田紗希さん。ファッションだけでなく、日々の暮らしや人とのつながりを大切にする彼女の生き方に共感するファンが多く、Instagramのフォロワー数は33万人以上。前回は、そんな彼女の人気の秘密を、7つのキーワードで紐解きましたが、今回はそのなかでもっとも彼女らしいキーワード「おしゃれ」について掘り下げます。

 

モデルとして、さまざまな媒体を通じて独自のファッションを発信。私服で雑誌に出るだけでなく、韓国では洋服の買付けまで! どんなファッションも、根底にあるものはヴィンテージだという柴田さんに、服選びやコーディネートなど“おしゃれすること”に対するこだわりを語ってもらいました。

【関連記事】はじめまして、柴田紗希です。私の暮らしにある、7つのキーワード
https://at-living.press/culture/14125/

 

おしゃれの始まりは「人とかぶらない服を着たい」っていう気持ち

洋服はほとんど古着しか買わないんです。きっかけは「人とかぶらない格好がしたい」っていう気持ちから。幼いときから服が好きだったのですが、みんなが着ているようなピンクの服は苦手で、小学生の頃からアースカラーを着ていたんです。

↑古着屋「JANTIQUES」で買ったブラウスは、レース使いが繊細で絶妙

 

母がおしゃれが好きで、シャツにベストみたいなマニッシュな格好をしてることが多くて。幼少期のファッションは、母に影響を受けたと思います。みんなが着てる子供らしい服じゃなくて、アースカラーやネイビーの服を着たときに、「これがかっこいい服の着方なんだ!」って思っていました。人と違ったファッションをすることが楽しかったっていう記憶はありますね。

 

物語がある古着を着ると、ワクワクするんです

高校生のときに、初めて古着屋さんに行きました。それは激安古着のサンキューマートだったけど、宝探し気分で可愛い洋服を探すことがすごく楽しくて、そこから古着が好きになりました。一点物だから人とかぶらないことがうれしくて、そこから人と違った個性的な格好をしたいって気持ちが強くなったのかな。

↑「古着屋「OLGOU」で見つけたオールインワン」

 

↑いわゆるセーラー服のデザインだが、「実は水着として作られたものなんです」

 

それから、いろんな古着屋さんに通うようになったら、古着屋さんから聞くお話が楽しくて。その服の意味や歴史を知る中で、より服への愛情が深まって、特別感を持って古着を着るようになりました。歳を重ねていくうちに、古着よりも古い年代のヴィンテージ、アンティークが好きになりました。

 

古着のすべてには物語があって、特別感があるんです。それは自分だけしかわからないこだわりだけど、着るだけで自分がキラキラして見えるように思えるんです。

↑「お気に入りの服は部屋に見えるように置いておくんです。普段の生活の中で目に入るだけで幸せな気持ちになるから」

 

━━━そんな“しばさき”さんが、モデルとして私服を発信する上で伝えたいこととは?

 

GetNaviがプロデュースするライフスタイルウェブマガジン「@Living」

365日、毎日新しいコーディネートを見つける

モデルという職業として、私服を発信する上で伝えたいのは、「服が好きで、服を楽しんでます」ってこと。だから、同じコーディネートは絶対にしません。常に新しさや面白さを足してみて、365日違うコーディネートをしています。

↑「『JANTIQUES』で購入したレザーパンツは、サイズ感がぴったりの運命の一着。軽くて柔らかくて最高です」

 

最近、「やっとレザーのパンツが似合うかも」って思えるようになったんです。昔、このパンツを見ても、ピンとこなくて目に入ってなかったと思います。昔より今の方が着られる服の幅が広がって、新しい発見やワクワクが増えました。知れば知るほど、楽しくなる、そんな古着はこの先もずっと好きなものだと思います。

 

大人になっても、基本的に好きなものは変わらないです。古着が好きなこともそうだし、デニム、スウェット、レースとか、好きなアイテムも一緒。でも選ぶものは、ちょっとずつ変わってきていて、その中で自分らしい服装を追求しています。ヴィンテージやアンティークの服は値段が張ることも多いけど、1枚買ってそれを大切に着るっていう楽しみ方ができるようになってきました。

 

ファッションアイコンで、好きなのはオードリー・ヘップバーン。今の時代に見ても、自然体におしゃれだし、自分で可愛さを見つけている人。古着屋さんで、ヘップバーンが着てたら可愛いなって思うのを選ぶときもあります。

↑「王道だけど、ヘップバーンが好きです。今の時代に見ても、おしゃれに見えるのが不思議」

 

ヘップバーンは床に座って朝食を食べながら本を読むらしいんですけど、それを真似したりもしてます(笑)。髪型も真似して、自分で前髪を増やしたのは失敗しちゃった(笑)。

 

みんなにもファッションの楽しさを知ってもらいたい!

今、「Live shop!」のチャンネル「usum」で、韓国での買付けもしてるんです。韓国の買付って、みんなシンプルで今どきな同じようなもの買い付けてくるけど、それは嫌なんです。自分らしい、古着要素があるものを選んでいます。「古着でこれが売ってたら可愛いな」という目線で判断して、古着が好きな人でも着られる個性があるアイテムを探しています。売れる、売れないじゃなくて、みんなにも新しいファッションにチャレンジして欲しいって想いで選ぶことも多いですね。

 

もっとたくさんの人におしゃれの楽しさを知って欲しい。例えば、バッグにスカーフを巻くだけでもいつもと変わるし、そんな簡単なことでも楽しめるから。今のトレンドの洋服って古着を元にデザインされているものも多いし、トレンドを取り入れながらもみんなも古着が楽しめるって思うんです。

↑「『ANGIE LA LA』で買ったヴィンテージのトップスは、模様やデザインが見かけないもの。本当に古いものなんだろうなって思います」

 

ファッションは、今の自分をちゃんと作ってくれたすごく大切なもの。この先も、自分だけのファッションを貫いていたい。でも、みんなの参考にもなるように、みんながやっても可愛いだろうなって思うものを考えながら服を着ていきたいです。

 

【プロフィール】

モデル / 柴田紗希

“しばさき”の愛称で幅広い年齢層の女性から親しまれる愛知県出身のモデル。ファッションモデルとして人気女性ファッション誌「mer」で12ヶ月連続表紙を飾る。ヴィンテージアイテムに詳しく、自身がプロデュースする配信番組「usum」で自らセレクトした洋服とヴィンテージアイテムの販売も行なっている。

 

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