ライフスタイル
2020/4/2 19:00

ダウンも家で洗える!“洗濯王子”が素材別に教える、冬物の“おしゃれ着”洗濯のコツ

素材別のお手入れ方法

ここからは、冬物衣類に使われる代表的な5つの素材を紹介しながら、洗濯が簡単にできる難易度順に洗濯方法をお伝えします。洗濯表示をチェックした上で、洗い方を参考にしてみてください。

 

難易度1=「ボア」素材の洗い方

もこもことあたたかい化学繊維のボア素材については、手洗いでなくてもOK。洗濯機でじゃぶじゃぶ洗ってしまっても大丈夫な素材です。ただし、水を吸収しやすい素材なので水を入れて洗い始める前に水の吸い具合を確認してみましょう。もし水の吸収が激しい素材や大きめなアウターであれば、「毛布モード」にすると水量多めで洗えます。

 

1.毛の絡まりがある場合は(豚毛の洋服ブラシや髪の毛用のクシで)ブラッシング。汚れがひどい場合は下洗いをする。

2.ファスナーを閉めて、そのまま洗濯機に入れる。

3.おしゃれ着用洗剤と柔軟剤(静電気を防いでくれる)を入れる。(液体洗剤用の投入口がある場合はそこへ、洗剤を直接洗濯槽に入れる場合は水が溜まってから投入)

4.洗濯機が終わったら、自然乾燥させる。

5.乾燥後、ブラッシングをするとふんわり仕上げられる。

 

難易度2=「アクリルファー」素材の洗い方

今回は大きなアクリルファーの衣類を紹介しますが、首元だけの物や、てのひらサイズで収まるようなものは、手洗いと脱水だけでも十分。湿気や汚れを吸ったアクリルファーも一度洗えばさっぱり&ふんわり仕上げられます。

 

1.汚れがひどい場合は下洗い。

2.30〜40℃のぬるま湯をおけにため、水量に合わせたおしゃれ着用洗剤を注ぐ。

3.もみ込むように手洗いする。

4.1分ほど、中間脱水をする。

5.水できれいにすすぐ。

6.水をため、水量に合わせた柔軟剤を注ぐ。

7.3分間脱水する。(大きさに合わせて脱水時間は変更する)

8.大きさに合わせて干す。

 

難易度3=「ダウン」素材の洗い方

一般的な縦型洗濯機を所有している場合は、手洗いにした方が安心ですが、洗濯おけに収まらないくらい大きなものなら洗濯槽で直接押し洗いするのもおすすめ。今回は、おけで手洗いする手順をお伝えします。

 

1.皮脂汚れがある場合は、部分洗いをする。(冬物衣類の衣替えポイント1を参照)

2.30〜40℃のぬるま湯をおけにため、水量に合わせたおしゃれ着用洗剤を注ぐ。

3.揉み出すように手洗いをする。

4.30秒ほど、中間脱水をする。(ファスナーがあるものは、ファスナーをしめる)

5.水できれいにすすぐ。(汚れの度合いによって、1〜2回で調整)

6.柔軟剤は使わず、そのまま3分間脱水する。(柔軟剤を使うとダウンが膨らみにくくなるため)

7.ダウンの片寄りが気になる場合は、脱水中一時停止をして、ほぐす。

8.自然乾燥させた後、乾燥機で仕上げるとふんわりする。

 

ドラム式ならそのまま洗濯機で洗えてしまいますが、糸で縫われていない「シームレスダウン」の場合、洗うことで接着部分が剥がれてしまうことがあります。糸で縫われているものに比べ耐久性が弱いものが多いので、洗濯時はもちろん購入時にも注意が必要です。

 

難易度4=「ニット」「モヘア」素材の洗い方

自宅で洗う場合どうしても気になるのが「縮み」ですよね。そこで、あらかじめメジャーで袖の長さ、丈の長さを測っておくことで縮んでしまった場合に戻しやすくなります。また干す時に、水の重力で伸びてしまいやすいので、干す時は平干しで。

1.目立つ汚れがある場合は、下洗いをする。

2.常温に近い(20〜30℃まで)の水をため、水量に合わせたおしゃれ着用洗剤を注ぐ。

3.伸びやすい形であれば、洗濯ネットに入れたまま手洗いする。(形崩れが心配なものや毛が長めのニットは、動かさずに5分くらいのつけおき洗いもおすすめ)

4.水のにごりがなくなるまで、2〜3回すすぐ。

5.水をため、水量に合わせた柔軟剤を注ぐ。

6.すすいだ衣類を水の中に入れて、成分をなじませる。(ネットのままでOK)

7.洗濯機に入れて1分脱水。(洗濯ネットのままでOK)

8.平干しして、乾燥させる。

9.ニットは洗濯後ある程度縮むので、スチームアイロンで形を整える。

 

難易度5=「ツイード」素材の洗い方

ツイード素材は、凸凹した部分の間がつまりやすいため、水を含んで膨らみやすくなります。水を含むことで、ひとつひとつの繊維が寄り、縮みやすいので、干し方や仕上げが重要です。

 

1.30〜40℃のぬるま湯をため、水量に合わせたおしゃれ着用洗剤を注ぐ。

2.その中に衣類を入れて、優しく揉むように洗う。

3.水のにごりがなくなるまで、2〜3回すすぐ。

4.水をため、水量に合わせた柔軟剤を注ぐ。

5.すすいだ衣類を水の中に入れて、成分をなじませる。

6.洗濯機に入れて脱水。(1分ごとに様子を見る)

7.つまりを戻しながら干す。

8.乾燥後、つまりが気になるようだったらアイロンで仕上げる。

 

手順を見ていくと、時間がかかって大変そうに見えるかもしれませんが、中村さんは干すまでの工程を大体5分前後で終えていました。洗濯機に入れて洗うと、脱水が終わるまででも45分くらいかかるので、正直「こんなに早くていいの?」と驚いたほど。また手洗いすることで、その服への愛着は倍増するような気持ちになります。

 

後編にお伝えする夏の衣替えでは、リネン素材やシワ加工されているようなチュールスカートなどの洗濯方法を紹介します。

【関連記事】
自宅でできる、夏物の洗濯の基本と衣替え前に気を付けること −秋の衣替え編−

 

【プロフィール】

洗濯家 / 中村祐一

1984年生まれ。長野県のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアに出演多数。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から「洗濯アドバイス」という分野を切り開いてきたパイオニア。よりよい暮らし方の提案を洗濯という側面から行い、「衣食住」における「衣」の分野の改革に取り組む。
公式サイト=https://www.sentaku-yuichi.com/
ブログ=https://ameblo.jp/sentaku929/

 

▼この記事は、GetNaviがプロデュースするライフスタイルウェブマガジン「@Living」から転載したものです▼

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