ライフスタイル
2016/7/18 15:00

働くママが背負う「第二子問題」の根深さ

定時や時短勤務で帰るような女性が、第二子の出産を控えて育休を取得…という情報を知ったとき、あなたの職場では快く送り出してくれる雰囲気があるでしょうか。「また?」と眉をひそめる人が実際には多いのではないかと感じます。とくに長時間労働や残業が常時ある職場では、子供がいるから先に帰ります、ということさえ言いにくい状況。そこで、第二子を出産するのでしばらく休みます、戻ってくるまでよろしくお願いしますと申し出ても、いい身分だな、やっぱり使えないな、と思われてしまうのは当然のことです。かつては私も、同じ女性でありながらそう感じていたのです。

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一人目の時に皆から出産を祝福され、復職を期待されていた職場でさえ、状況が変わってしまうことだってあります。経営業績の悪化や上司の判断で“育休切り”を経験した筆者が身をもって知るのは、働くママは戦力外通告を真っ先に受けやすい立場であるということ。そして、同じ女性が応援してくれるとは限らないということです。さまざまな場面で出会ってきた働く女性のうち、20代後半から30代で「結婚している」「子供がいる」「子供が二人以上いる」割合は本当に少ないと感じます。結婚して子供を産み育てることを選ばない人生もありますが、いつかは結婚したい、子供を産みたいと思っていながら叶わずにいる人も多いでしょう。そんな中で、働きながら育児をする大変さを話しても共感は得られません。一人目、二人目と産み育てながら働く女性のロールモデルを増やしていかなければ、同じ女性からも敵対視されてしまうことになります。

 

さらに、第二子問題が抱えるのは、待機児童問題でもあるのです。何とか二人目を授かっても、そこには保活の苦労が再び待ち受けています。妊娠中から保育園の空き状況を確認したり、民間保育施設の入園希望リストに登録したりと、ゆっくり落ち着いてはいられません。産休に入るまで仕事を続ける中、家に帰れば上の子の育児が待ち受け、疲れやストレスで切迫早産になってしまうことだってあるでしょう。それでも、保育園を見つけ出さなければ復職のめども立たず、上の子が在園中であれば退園させられてしまうことだってあるのです。一人目の復職後からようやくリズムに乗り始めた仕事を中断してまで、確約のない保活に飛び込む勇気はないと言う人も多いのです。

 

参院選の結果、アベノミクスは加速されていくこととなりました。政府の方針では、女性が活躍する社会を実現しようする動きがあります。でも、女性リーダーが必ずしも働くママを応援してくれるとは限らないのでご注意。バリキャリ女性ほど、同じ女性への評価は厳しいのです。筆者の場合、第二子妊娠時に女性管理職から「結婚して子供も二人授かっているのだから(そんなに働き続けなくて)もういいんじゃない」と、復職の相談も早々に退職のほのめかしを受けたことも。同じ女性だから理解してもらえると思うなかれ、なのです。やりがいのある仕事をこなしながら、昇進もして頑張るようなワーキングママはごく少数、限られたケースだけと思います。だからこそ、男性だって変わってほしいのが本音。内閣府主催「さんきゅうぱぱプロジェクト」のような取り組みが推進され、多様な働き方として「勤務場所」や「勤務時間」に固定されないテレワークが広がれば、イクメンも活躍しやすくなるのでしょうか。

 

第二子問題は働くママだけが背負うのではなく、パパだって支えて活躍しなければなりません。子供は一人だけで十分、と決めるのも価値観。でも、今後も働き続けたいとして二人目を望むなら、そこにある壁を乗り越えるのは女性だけの問題ではないと感じます。

 

【著者プロフィール】

村井 麻紀

1976年生まれ。東京都下出身・武蔵野市在住。

広告代理店での勤務を経て、制作会社へ。男女二児の働くママとしてフルタイム勤務で奮闘中。明日香医院での出産、育休切りによる転職、数々の保育園に子供を通わせた経験により、働く女性の出産から保育園に関すること、ワーク・ライフ・バランス問題には常にアンテナを張って過ごしています。奈良の煎茶道美風流・家元直伝の東京サロンで「文人趣味」も十年以上継続。

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