ライフスタイル
2016/7/31 17:00

美男美女は高収入を得やすい事実。ブサイクはコンプレックスをバネに馬車馬のように頑張るしかないのか?

ルックスの良し悪しはモテや恋愛のチャンスだけでなく、収入までもを左右する、と聞いて、心穏やかでなくなる人は少なくないでしょう。天が二物を与えたのだと納得がいくほど何かの才能に秀でた美男美女が仕事でも成功を収めているのであれば納得せざるをえないにしても、「なんとなく優遇されているから」と見えてしまうと悶々としたものが残ります。

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いま、「イケメンに高収入が多い」という米国の研究結果が注目を集めています。イリノイ大学で、高校生9,000人を30代になるまで追跡した調査では、ルックスと年収に相関関係があることがわかったとのこと。

 

ルックスの良し悪しは、人生の様々な場面に強い影響をあたえる。今回の研究によれば、若いころに魅力的だと判断された学生は、大学に入っても良い成績を取り続け、成人後にも高収入を得やすい

 

また、MBA卒業生630名を調べた結果も以下のとおりだったそうです。

 

●イケメンは初任給が高く、その後10年間の昇給スピードも速い
●美女は初任給こそ低かったものの、やはり昇給のスピードは速い
●ルックスが良い人のほうが平均で10~15%も年収が高かった

 

参照:『イケメンに高収入が多いことが科学的に証明されてしまった件について』-ハーバー・ビジネス・オンライン

 

■生き残りを左右する重大な要素

やはり美男美女は最初から下駄を履かせてもらっているのか……と思われるかもしれませんが、これはまったくもって妥当のお話。動物ドキュメントなどを見ていると、種を問わず強いオス、強いメスはだいたいが美しい個体であることがわかります。生物において美しさ=強さの象徴であるなら、競争社会を生き残れる強い個体を企業なり社会なりがその強さを求め、美男美女優を遇するのはごく自然の流れといえます。

 

以前、昆虫を食べる女性に取材したことがあるのですが、食材として自然に手が伸びるのは「若くて大きくきれいな個体」という話でした(これは何も昆虫にかぎった話しではなく、どの食肉にも魚介にも野菜にもいえることですが)。人間の目から見てもきれいで強い昆虫たちは自然界でも当然、強さを発揮しているはずで、いい場所を縄張りにできるし、食糧にもありつきやすいし、同じく強くて美しい個体と生殖できる。そりゃ厳しい自然界を生き延びやすいでしょうね、とその女性に話したところ、彼女の答えは「生き延びるのに強いか美しいかはあまり関係なく、運でしかないですね」ということでした。

 

■美という資産は減っていく一方

つまり、どんなに多くの餌を食べてほかの個体より優位になったところで、天敵の鳥に一瞬にして命を奪われるかもしれない。縄張りを広げたところで、岩が転がってきてあっという間に下敷きになるかもしれない。強いオスとメスのあいだにできた卵も、大雨の後に濁流で一気に流されるかもしれない。

 

人間界もそんなものではないでしょうか。美男美女のほうがいろいろと有利に見えても、何が起こるかわからないご時世です。その人の容姿や気品など他者を魅了する要素を「エロティック・キャピタル」と定義する考えもありますが、この資本は多くの場合、年齢とともに目減りしていくものですし、それを待つまでもなく昆虫が自然に翻弄されるように、思ってもみないところで足をすくわれたり、不測の事態に巻き込まれたりするとこは、往々にしてありえるのです。一夜に高収入が得られなくなることも、たとえ高収入を得ていても幸せとは思えない状態になることも、世の中にはありふれています。

 

■運良く活きるため身につけたい能力

その前提を忘れて「ブサイクはコンプレックスをバネにして頑張るしかないんだ!」とむやみに自分を焚き付けることにあまり意味は感じません。美男美女と同じステージに乗れるようルックスを磨いたところで限度はあるし、能力をあげればきっと報われるといっても、自然に翻弄される昆虫のように一瞬にして息の根を止められればどうしようもありません。

 

それよりも、身近に危険が迫ったら察知して迅速に対応できる危機回避能力があったほうが、ただルックスに恵まれた人よりよほど現代を生き残れそうです。入社前、転職前にブラック企業を見抜く、エナジー・ヴァンパイア(接点を持つと一方的にエナジーを搾取され、こっちが疲れ果ててしまう人)を見抜く、自分とは関係のない何かマズいことに巻き込まれそうな予感がしたらサッとその場から抜け出せる……これは会社のトラブルだけでなく、飲み会での対応にも使えることですが、最初に1cmのゲタを履かせられていなくても、最後に笑うのはこの手の人たちではないでしょうか。

 

【著者プロフィール】

三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに編集、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

三浦ゆえのtwitter:https://twitter.com/MiuraYue

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