英語の勉強をしていると、多くの人が混乱したり、間違えやすいポイントがあります。その大きな理由が「日本語との違い」ではないでしょうか。
例えば「単数と複数」は日本人にとっては馴染みにくい、苦労するパートです。
日本語では、単数と複数で言葉自体が変わってしまうことはほとんどありません。卵が一つでも二つでも「卵」です。でも、英語では「卵が二つあります」は “There are two eggs” です。
こういった “s” の付け忘れはよくありますよね。今日はそんな紛らわしい「複数形」に秘められた、ちょっとしたお話です。
単数か複数か、それが問題
「単数と複数」の話をする時に、私がいつも面白いなと思うことがあります。それは、みなさんご存じの「日清カップヌードル」です。
日本では製品のパッケージが “CUP NOODLE” となっているのですが、海外向け製品のパッケージは “CUP NOODLES” なんです。
“noodle” は見て分かる通り単数形です。麺が一本・・・・?そんなワケないですよね。
日本語ではカップヌードルという商標自体がそのまま受け入れられているので、友達に「今日のお昼はカップヌードル食べたよ」と言っても「え?おかしいでしょ?」とつっこまれることはないと思います。
でも、英語のネイティブにはとても不自然に聞こえます。そこは “noodles” なんですよね。
それぐらい「複数」には意味があるはずなのですが、そこで一つ気になったことがあります。
いつも複数形で使われる言葉
“Congratulations!” って聞いたことありませんか?
なんでいつも “s” がくっついてるんでしょうか? そう思ったのはある日、銀行に行った時でした。
ニュージーランドの銀行でも、ある程度大きい支店にはロビー係の人がいます。
その時は係の人が「今日のご用件は何ですか?」と聞いてくれたので「結婚して名前が変わったので、変更を届け出たいんですが」と言うと、”Oh, congratulations!!” と満面の笑顔で言ってくれました。
その瞬間に二つのことが頭をよぎりました。
一つ目は「”congratulations” は何でいつも “s” が付くんだろう?」で、二つ目は「結婚のお祝いで女性には “congratulations” って使わないんじゃなかったっけ?」でした。
“Congratulations!” はいつも複数
“Congratulations on getting a new job!” のように「おめでとう!」には必ず “s” が付きます。
でも “congratulations” だけではなく、いつでも “s” がくっついてくる単語の代表選手を皆さんはご存じのはずです。
“Thanks!” にも “s” がつきますよね。”Thank you.” とは言っても “Thank!” とは言いません。
他にも “Best wishes”、”Kind regards”、”greetings”、”condolences” などがありますが、どうしてこれらには全部 “s” が付いてるんでしょうか?
“s”がつく語には共通点がある
上の例を見てみると、ある共通点に気付きませんか?
お祝いの言葉だったり、幸せを祈る言葉だったり、よろしくとの挨拶だったり、哀悼の意だったり・・・これらを表したり伝えたりするのが上のフレーズや単語です。
そこにはたくさんのお祝いの言葉や気持ちが込められています。
私は専門家ではないので、ひょっとしたら違う説もあるかもしれませんが、お祝いする言葉や願いがたった一つではなくて、たくさん込められていますよという意味で複数形になると言われています。
「おめでとう!」と言う時には “Congratulations!” の “s” を忘れないようにしましょうね!
【おまけ】花嫁に使ってはいけない件
“Congratulations!” は、自分で努力をして何かを達成したり、何かを手に入れた人に対して使うお祝いの言葉なので、花嫁に言うと「苦労してよく結婚できたね」というニュアンスになって失礼になると、以前は言われていました。
でも、それは時代とともに変わってきていて “Congratulations!” も花嫁に対して使うことが増えてきたようですが、エチケットを守りたいなら、結婚式当日にはこんな言葉をかけてもいいですね。
I’m so happy for you.
I wish you every happiness.
Best wishes to both of you on your special day.
今回はほんの小話のようなコラムでしたが、ちょっと頭の片隅にでも置いておいてもらえたら、どこかで役立つと思います!
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