ライフスタイル
2016/10/22 15:00

増え続ける仮装人口、ハロウィンはなぜ日本独自の進化を遂げたのか?

そもそもハロウィンってどんなイベント?

9月頃から店頭やショーウィンドウで見掛けるハロウィングッズ。いつの間にやら、秋のイベントとして定着しつつありますが、昨今はマナーを逸脱した盛り上がりや、グロテスク過ぎる特殊メイク、露出度が高すぎるコスプレなどを問題視する声も少なくありません。

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そもそもハロウィンは、古代ケルトの収穫祭とお盆のような行事が、キリスト教と結びつき、アメリカに渡ってカボチャのお化け(ジャック・オー・ランタン)が誕生したといわれている、様々な地域の文化が混ざり合ってできた日です。10月31日は悪霊や死者があの世からやってくると信じられており、お化けに仮装することで、乗り移られないようにするのが、ハロウィンの仮装の始まり。海外におけるハロウィンでは、子供たちが仮装をして、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ)」を合い言葉に、近隣を訪ね歩いてお菓子をもらって回ります。

 

ですが、そんな背景なんて知らない人が多いまま、日本に定着しつつあるハロウィン。一体どうしてそんなに人気になったのでしょうか?

 

テーマパークや商業施設による認知度の上昇

「ハロウィン」という言葉は、1994年に日本で公開された映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で広く知られるようになりました。しかし、その当時はハロウィンは「外国のお祭り」くらいの認識でしかなく、日本でハロウィンイベントはほとんど行われていなかったようです。

 

日本における大型ハロウィンイベントの先駆けは、20年目を迎える川崎の大型複合施設チッタのハロウィンパーティーだといわれています。それが地域の商店街や町内会と結びつき、カワサキ・ハロウィン・パレードとして、今や街をあげての一大イベントとなっています。

 

火付けに一役買ったのが、日本の2大テーマパーク。1997年からディズニーランドが、2002年からユニバーサルスタジオジャパンが、ハロウィンをテーマとしたイベントをヒットさせ、その規模は年々大きくなってきています。特にディズニーランド・ディズニーシーは普段、大人の仮装はNGですが、ハロウィン期間中だけ条件付きで解禁になります。そのため、キャラクターになりきってディズニーランドを楽しみたいというディズニーファンが、ハロウィンに合わせてコスプレで大挙するようになったのです。

 

コスプレ文化の浸透とグッズ販売による仮装人口の増加

90年代頃からコスプレ人口は右肩上がりに増大し、「コスプレ」がサブカルチャーとして認知されるようになりました。牽引したのは、アニメファンとビジュアル系バンドファンです。コスプレ人口が増えるにつれ、自作しなくてはならなかったコスプレ衣装が、人気の衣装を中心に市販されるようになり、誰でも手軽にコスプレ衣装を手に入れられるようになっていきました。

 

ドン・キホーテやトイザらスなどは、いち早く仮装グッズやパーティーグッズの販売を手掛けていましたが、ハロウィンの認知度が上がってくると、店頭の目立つところにハロウィン用コスプレ衣装を展示するようになり、ハロウィンに興味がない人でもハロウィン=仮装のイメージを定着させたように思います。仮装人口が増えるにつれ、手を出しやすい低価格なものも増え、バリエーションも増えていっています。また、「他の人とかぶりたくない」「クオリティの高い仮装をしたい」というニーズから、高価格なインポートの衣装や、精巧なハンドメイドの衣装が売れているのも特徴的です。

 

ハロウィンにはオレンジ・黒・紫という色、ジャック・オー・ランタンやゴースト、コウモリなどのおどろおどろしいモチーフなど、固定されたイメージがあるため、グッズ展開しやすい条件が揃っています。これらが商業資本と結びつき、衣装だけでなく小物や食品なども販売されるようになり、ハロウィンが一般化していったのではないでしょうか。また、一見難しそうな傷メイクやゾンビメイクなどは、YouTubeやキュレーションサイト等にわかりやすい手順が解説されており、衣装だけでなく、血糊やドーランの販売に拍車を掛けました。

 

2015年の調査では、ハロウィンの市場規模(推計)はバレンタインデーの市場を上回り、約1220億円にのぼるといわれています。2011年の560億円からわずか4年で倍増しており、ハロウィンの盛り上がりが数字に表れています。

 

マナーを守って楽しもう

日本で独自の進化を遂げ、大人の巨大仮装イベントとなりつつあるハロウィン。その規模は年々拡大していますが、その一方で不快にさせる仮装、着替えのための商業施設トイレの占拠、道路の混雑、危険物と見まがうものの所持、混雑に紛れての痴漢行為など、逮捕者が出る騒ぎまで起きています。

 

当たり前ですがハロウィンに仮装をするなら、人に迷惑を掛けないよう楽しんでほしいもの。その大前提すら守れていない一部の人達によって、ハロウィンが社会問題になっています。数年のブームとなって終わるか、バレンタインデーやクリスマスのように季節のイベントとして定着していくのか、2016年のハロウィンの動向に注目です。

 

【著者プロフィール】

相沢あい

恋愛コラム二スト/コミュニケーションアドバイザー。早稲田大学人間科学部出身。高校生の時から執筆活動を開始。2004年にミスインターナショナル日本ファイナリスト選出を機に、芸能活動を始める。現在は、コラム執筆・インタビュー原稿作成などを行うライターや、広告やWEBの制作、レポーターとしても活動中。