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2017/7/30 18:00

【意外と知らない】日本のプロ野球にあって、アメリカの大リーグに存在しないモノとは?

日本人が大リーグの球場を訪れたとき、「あれッ?」と思うことがあります。それは、圧倒的にネットが少ないこと。バックネットはあります。バックネットはバックストップと呼ばれ、球場ができた当初からあるのですが、バックネットの両サイドから内野、外野と続くネットがないのです。

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■大リーグの球場にはネットが「ない」

ネットがないと危ないでしょう。とくに内野など、強烈なライナーが飛んできたら危ないことこの上ありません。だから日本の球場にはあるのですが、この点に日米の野球を見る(観戦する)姿勢の違いが如実に表れます。

 

「危ない」というのが、ある意味、キーワードです。危なければボールから目を離すことはありません。1球1球、集中力を高め、真剣に見るでしょう。だから、球種にも詳しくなり、作戦にも精通していきます。

 

ところが、日本の場合はどうでしょうか。ネットで守られているため、下を向いて(ボールから目を切って)お弁当を食べることもできます。ビールを飲みながら、横に座っている友人とおしゃべりすることだってできます。とにかく、安全だからです。

 

■大リーグは“グラブ持参”で観戦が当たり前

ネットに守られていない部分でも“差”が出ます。大リーグの球場に足を運ぶファンの多くはグラブを持参します。もちろん、ファウルボール(ホームランボールを含む)を取るためです。一方、日本のファンはそれほどグラブを持ってきません。

 

ここでの大きな違いは、大リーグファンの場合、グラブを手にしているため、ファウルボールが来たら当然、取りにいきます。しかし、日本のファンの場合はグラブがないため取りにいかず、逃げます。不思議と打球は逃げる方、逃げる方へと吸い寄せられていきます。そして、当たってしまうのです。

 

■野球は「見る」もの? 「参加」するもの?

どうしてこのような“差”が出るのでしょうか。それは、野球に「参加」しているかどうかの違いのような気がします。大リーグのファンは、「テイク・ア・リスク」(あえて危険を冒す)しても「参加」します。「参加」しなければ楽しめないじゃないか、という思いがその裏にあるのです。日本のファンの場合は、野球をただ見る(観戦する)だけで、「参加」するという意識はありません。

 

「参加」しなくても十分楽しんでいるといえばそれまでですが、1球1球を真剣に見て、野球の知識を深め、作戦までも精通する大リーグファンに触れるにつけ、「国技」である野球への思いの深さを感じざるを得ません。

 

【著者プロフィール】

瀬戸口仁

1960年2月25日、東京生まれ。サンケイスポーツ新聞社でプロ野球を11年間担当。独立して1993年に渡米し、ニューヨークを拠点に13年間、メジャーリーグ、とくに日本人メジャーリーガーを取材。日本の新聞、雑誌、サイト、テレビ、ラジオに彼らの「今」をリポートした。帰国後は長年のキャリアを活かした“日米比較”や“正しいゴール設定の仕方”、“潜在意識”など、スポーツに関連するテーマを中心に執筆活動を行うかたわら大学や専門学校で講師を務める。著書に「宣言力」シリーズ(野球編、サッカー編、オリンピック編)、「最強の日本人のつくり方」など。

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