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2021/1/15 18:45

アベレージゴルファーの強い味方、テーラーメイドの新作「SIMグローレ」はよく飛ぶ!!

筆者のメインドライバーはテーラーメイドの「M GLOIRE(エム グローレ)」です。日本人のために日本人が開発した日本規格のドライバーで、誰が打っても上がる・つかまる・飛ぶ、やさしいドライバーとして、2018年の発売時には11週連続でトップセールスを記録した人気モデル。そのグローレシリーズがさらに進化した「SIM GLOIRE(シム グローレ)」が2020年10月に発売されました。今回、新製品を試打することができたので、その感想とともに進化のポイントをレポートします。

 

筆者は昨年、Mグローレに乗り換えましたが、それまで使っていたドライバーも初心者向けの優しいモデルだったため、大きな違いは感じられませんでした。左右に大きなバラケはなく、安定して真っ直ぐは飛ぶものの、飛距離に大きな変化はなく、キャリーで175ヤード、ランで200ヤードくらい。ところが、以前レポートしたように、「テーラーメイド銀座店」でのクラブフィッティング体験の際にグローバルモデルの「SIM MAX-D」を試したところ、キャリーで195ヤード、ランで約220ヤードを出すことに成功。SIMドライバーの性能に驚愕したものです。ただ、「SIM MAX-D」はグローバルモデルで中上級者向けのため、初心者の筆者にはとっては安定性に欠け、クラブに振られているという感覚が残りました。

 

新製品のSIMグローレはその名の通り、グローレシリーズとSIMシリーズの良さを合体させた、まさに理想のドライバー。やさしさはそのままに、より“飛ぶ”仕様になっています。

↑SIMグローレのドラーバーとフェアウエイウッド

 

風を切ってヘッドスピードを上げる

まずは、SIMドライバーの代名詞である「イナーシャジェネレーター」をグローレシリーズに初めて搭載しました。ダウンスイングからインパクトにかけての最もクラブが加速する局面において、クラブフェースにぶつかる空気を後方に整えて流すことで、クラブの加速を止めない仕組みです。SIMドライバーではソールに流線型のウエイトを取り付けましたが、SIMグローレはボールのつかまりをよくするためにソールのヒール側にウエイトを寄せ、ソール側と段差を設けることで風の流れを整えています。このウエイト「イナーシャジェネレーター」を取り付けることで重心を低い位置に維持でき、ボールを上げることができます。また、「イナーシャジェネレーター」により低重心が確保できるため、クラブのソールを持ち上げてより空気抵抗が少ない流線型に近づけることができました。これらによりヘッドスピードの向上が図れます。

↑SIMドライバーはソール中央に台形のイナーシャジェネレーターがついています

 

↑新作のSIMグローレはつかまりをよくするためヒール側にイナーシャジェネレーターを寄せました

 

↑ソールを上げて風の流れを整え、空気抵抗を減らしてヘッドスピードアップを図ります

 

↑写真では分かりづらいですが右側に段差があり、これが空気の流れを整えてヘッドスピード上げるイナーシャジェネレーター

 

次に、弾道を整える機能です。いわゆる、つかまる機能。クラブヘッドのヒール寄りに23.5gのドローバイアスウエイト、バックウエイトも23.5gと合計47gのウエイトにより、大きめの重心角30度を実現しました。これによりヘッドの返りがよくなり、ボールがつかまるのです。スライスに悩むビギナーに最適です。

↑2つのウエイトにより重心角30度をキープ。ヘッドが自然に返ってボールをつかみます

 

独自のチタン素材ツイストフェースで真っ直ぐぶっ飛び

ボールの初速を上げるため、フェースも改良しました。テーラーメイド独自素材の「ZATECチタン」をフェース全面に採用、硬くて極薄のフェースにより反発係数をルールの最上限まで高めるとともに、どこで打ってもハイスピードボールが打ち出せるようになります。

↑新素材ZATECチタンを採用、強くて薄いフェースによりハイスピード化

 

また、SIMドライバーの特徴として、一度ルールを超えた反発係数のヘッドを作り、その後、ヘッドにレジンを挿入することでルール限界値まで戻す「スピードインジェクション」テクノロジーを採用していますが、このレジンの注入口を塞ぐためのネジがフェース前面下部に2つ設置されています。SIMグローレではレジンの注入口をトウ側に穿つことでフェース面のネジを廃止しました。これにより、フェース下部の反発性能を落とさずにすみます。さらに、フェースとボディの金属同士が接触しない貫通型のスピードポケットも採用しており、フェース下部にボールが当たった際の初速のロスを抑えます。これらの結果、前モデルよりもスイートエリアが拡大し、よりミスに強いドライバーに進化しました。

↑側面からレジンを注入することでフェース面には穴がなくなり、フェース下部の反発係数を維持できました

 

↑スイートエリアが大幅に拡大し、ミスに強く、どこで打っても飛ぶやさしいクラブに

 

実際にコースで打ってみると、ミスヒットに対するカバー性能の高さと飛距離の向上が実感できます。もともとテーラーメイドのドライバーは「ツイストフェース」という、ねじれたフェース面によりミスヒットに強いとされています。トウ寄り、ヒール寄りに当たっても真っ直ぐ飛ぶように弾道を補正してくれる機能です。SIMグローレも当然ツイストフェース搭載なのですが、スイートエリアが拡大したことで、よりミスヒットに強くなった印象です。トウ寄り・ヒール寄りで打ち、ボールが右や左に飛び出していっても空中でククッと曲がり、フェアウエイへと戻るシーンが多々ありました。

 

また、飛距離も伸びています。力を入れず、クラブに任せるよう打ってみると、鋭い打ち出しからの高い弾道で真っ直ぐ飛び、ランもしっかり出ます。正確には測っていませんが、目測で230ヤード近くは飛びました。ゴルフを始めてまだ4年、現在54歳の筆者にとって230ヤードは小さな夢だったのですが、クラブを変えただけで叶ってしまったのは嬉しいことです。

↑通常のラウンドでの使用だったため、他のプレーヤーに迷惑がかからぬよう撮影はアドレスのポーズをしたところですが、実際に打ってみると構えやすく、振り抜きやすく、ボールは真っ直ぐ高く上がりました

 

↑シャフトはフジクラがテーラーメイド用に開発したエアスピーダー。軽量化して振りやすく、先端にしなりをもたせたことでつかまりがよくなっています

 

↑レディースはおしゃれなコーラルブルーのヘッド

 

アイアンは1番手上の飛び

テーラーメイドでは、ドライバーと同時に「SIMグローレ」ブランドのフェアウエイウッド、レスキュー、アイアンも発売しました。フェアウエイウッドは重心角30度、貫通型スピードポケット、ツイストフェースと、ドライバーとのマッチングに重点を置き、スイングの連続性を高めるとともに、ソール形状の変更により摩擦を減らして芝生からの抜けを高めてスピードアップ。さらにヘッドサイズを大型化して飛距離性能と寛容性が向上しました。

↑フェアウエイウッドも重心角は30度なので、ドライバーからのつながりがとてもよい

 

アイアンは、ソールに49gのタングステンウエイトを埋め込んだことで、テーラーメイド史上最低重心となり、ワイドソール形状と相まって芝生からの抜けの良さを実現。多少手前から入ってダフリ気味でもソールが滑り、ボールの芯を捉えて高い弾道で打ち出します。ワイドスイートエリア、貫通型スピードポケットでミスヒットにも寛容。ヘッド、シャフトともに軽量化を図っており、非力なシニアでも振りやすいアイアンです。

↑ワイドソールと低重心でミスに強く、高く上がるアイアン

 

実際にコースで打ってみると、低重心ゆえ弾道が高く、直進性も高い印象。何より、飛距離の伸びを実感しました。普段は7番アイアンでグリーンを狙える距離が、いつもどおりに打つとグリーンオーバー。感覚的に1番手上の飛びです。飛びすぎてアプローチの感覚を掴むのにちょっと苦労しましたが、慣れたらパーオンの強い味方になりそうです。バンカーからサンドウエッジも打ってみましたが、こちらはしっかりとスピンが効いてグリーン上でピタッと止まります。SIMグローレシリーズは総じて扱いやすく、ゴルフが楽しくなります。

↑キャビティバックながら野暮ったさはなく、洗練されたデザインのSIMグローレアイアン

 

↑SIMグローレシリーズの価格一覧。ドライバー 9万2400円/フェアウェイウッド 5万3900円/レスキュー 4万2900円/アイアン5本セット 14万3000円(すべて税込)

 

筆者はシニア向けと言われるやさしいクラブセットを使っていますが、SIMグローレシリーズはそれよりも扱いやすく、飛距離も伸びました。100切りも夢じゃないかもしれません(笑)。さすがにフルセットは買えないけど、自分へのプレゼントとしてドライバーだけでも買おうかなと悩み中。

 

 

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