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2019/9/9 18:30

ワイドか折り畳みか、真逆に進化!どっちも欲しくて悩むナカバヤシの最新最強クリップボード

【きだてたく文房具レビュー】イレギュラーなサイズで使いやすさを進化させたクリップボード2点

数年前にタイムリープして、自分に「数年後には、クリップボードがすごい進化を遂げているぞ!」と言っても、おそらく信じなかっただろう。だってクリップボード、地味だし。ただ単に紙を挟んで立ったまま筆記するだけの板に、いったいどういった進化ができるのか? と鼻で笑ったかもしれない。本当に、すまない。自分の愚昧っぷりを恥じるばかりである。

 

実際のところ、2018年の初夏に発売されたキングジム「マグフラップ」を筆頭に、かなりすごい勢いで、各メーカーから進化型の機能性クリップボードが発売されているのだ。

【「マグフラップ」関連記事】
地味に凄すぎ! 最新クリップボードが“挟む”を極めた進化形態を発現
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そこで、あらためて考え直してみると、確かに“単なる紙を挟むだけの板”だった従来のクリップボードには、不満点が多い。「でもまぁ、そういうもんだし」という思い込みだけで使い続けてきたけれど、進化するべきポイントはいっぱいあったのだろう。

 

そこで今回は、そんな不満点をそれぞれ解消したクリップボード2点を紹介しよう。どちらもナカバヤシ製。地味な事務用品メーカーだが、これが注目するに値する面白さなのだ。

 

縦横がワイドで用紙の端まで書ける「ワイドクリップボード」

まず紹介したいのは、サイズ面で進化したクリップボード、ナカバヤシ「ワイドクリップボード シングルタイプ」だ。“ワイド”というだけあって、本体サイズが縦350㎜×横260㎜。従来のクリップボードがだいたい縦320㎜×横230㎜ぐらいが普通なので、縦横ともに約30㎜ずつ大きい計算になる。

 

大きくなっただけで何が不満の解消になっているのか? と思われるかもしれないが、これが使ってみると「おお、すごい便利!」と驚く。

↑ナカバヤシ「ワイドクリップボード シングルタイプ」(750円+税)360度折り返して筆記ができる「カバータイプ」(1000円+税)もある
↑ナカバヤシ「ワイドクリップボード シングルタイプ」(750円+税)360度折り返して筆記ができる「カバータイプ」(1000円+税)もある

 

例えば、普通のクリップボードで立ったままアンケートを書く場面を想定してほしい。記入欄が左右いっぱいまであったとして、横書きでずっと書いていくとすると、途中でハッと「あ、これ以上は書きづらい」と気付くはずだ。

 

なぜなら、アンケート用紙幅とクリップボード幅がほぼ一緒なので、右の方まで書き続けるとペンを握った右手(右利きの場合)がボードから離れて宙に浮いてしまうから。

↑利き手に合わせて紙をボード端に配置すると、ワイドになった分の余地がフルに活かせる
↑利き手に合わせて紙をボード端に配置すると、ワイドになった分の余地がフルに活かせる

 

そこで、このワイドクリップボードに切り替えてみよう。すると幅が約30㎜広い分だけ右手を乗せていられるので、用紙の端まで快適に書き続けることができるのである。

 

使ってみると、このサイズによる利便性はけっこうスゴい。たかだか+30㎜がこんなに効いてくるとは、予想外なほど。もちろん、下の+30㎜も同様に効く。

↑裏面の巨大ポケットには、角2封筒がそのまま入る。もらった資料が封筒ごと収納できるのは非常に便利
↑裏面の巨大ポケットには、角2封筒がそのまま入る。もらった資料が封筒ごと収納できるのは非常に便利

 

さらにもうひとつ、サイズによるメリットがある。このワイドクリップボードは裏面前面がクリアポケットになっているのだが、ここにA4用紙だけでなく、A4用の大きな角2封筒がすっぽりと収納してしまえるのだ。

 

展示会などで資料をもらうとき、A4のパンフレットを角2封筒に入れた状態で渡されることがままある。それをそのままクリップボードのポケットに入れられる=このボードひとつ抱えて展示会が回れてしまう、というわけ。あれこれ資料を渡されがちな展示会では、これは間違いなく快適になるはずだ。

サイズ半分でカバンにしまえる「折りたたみクリップボード」

前段で「大きいクリップボード、超便利!」と謳っておいてなんだけれども、大きいと不便な点ももちろんある。持ち歩く際にかさばったり、カバンに入れにくかったりするのは、明らかにサイズによるデメリットだろう。

 

そこで舌の根も乾かぬうちにオススメするのが、A4サイズを半分にして持ち歩ける超コンパクトなナカバヤシ「折りたたみクリップボード」だ。

↑ナカバヤシ「折りたたみクリップボード」(920円+税)
↑ナカバヤシ「折りたたみクリップボード」(920円+税)

 

↑持ち運ぶときは、この通りパタンと畳んでA5サイズに
↑持ち運ぶときは、この通りパタンと畳んでA5サイズに

 

機能は名前そのままで、折り畳みが可能ということ。持ち運びには折り畳んでA5サイズで、書くときは広げてA4サイズに、というクリップボードである。

 

初めてこれを見たときは「そもそもクリップボードって折り畳んでいいの?」と驚いたのだが、実際に試してみると、なんの問題もなく使えたのだから二度驚いた。

↑折り畳みクリップボードなんて、まともに使えるの? と訝しんでいたが、意外にも問題ない
↑折り畳みクリップボードなんて、まともに使えるの? と訝しんでいたが、意外にも問題ない

 

気になったのは、広げて書くときに書きにくくないだろうか? という点。これは、展開時に折り目を背中から支える構造になっているので、思ったよりも安定している。確かに普通のクリップボードよりは剛性は劣るが、ちゃんと“板”として使える感じだ。

 

ただ、折り目が段差としてうっすら残るので、紙一枚だけでは書いている際にペン先が引っかかる可能性はあるかも。

↑ボード背側の構造。展開時にはこのように折り目を裏から支えるようになっている
↑ボード背側の構造。展開時にはこのように折り目を裏から支えるようになっている

 

また、紙を挟んだまま折り畳むための機構も面白い。畳んだ際に紙が中から飛び出さないよう、下辺に紙押さえがついているのがポイント。ここに紙を差し込んでおくと、紙が上下で固定されるのだ。これなら、開いてボードとして使っている場合にも、紙が風などでバタつかず使いやすい。

↑ボード下辺の紙押さえはポケットになっており、これで紙がバタついたり飛び出したりするのを防ぐ
↑ボード下辺の紙押さえはポケットになっており、これで紙がバタついたり飛び出したりするのを防ぐ

 

折り畳んで持ち運ぶときは、表紙に付属のゴムベルトをかけておこう。これなら移動中に勝手にパカッと開いて慌てる、というようなトラブルはない。また、硬い発泡PPのボードが頑丈な表紙として機能するので、そのままカバンの中に放り込んでおいても、中の紙が押しつぶされて折れ曲がらないようになっている。

↑ボードを折り畳んでも紙はふんわり丸まるだけなので、折り目がつきにくい
↑ボードを折り畳んでも紙はふんわり丸まるだけなので、折り目がつきにくい

 

なにより畳んでA5サイズになると、手で持つにしてもカバンに入れるにしても、とにかくコンパクトだ。そして、書くときは開いてそのまま書き出せるわけで、「そうか、クリップボードは折り畳めるとこんなに便利なのか!」と感心してしまった。とにかく軽快さでいえば、現状で最強のクリップボードと言えるだろう。