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2019/12/9 19:30

キングジムの大ヒットファイルからスピンオフ!ルーズリーフを二つ折りできる「コンパックノート」

二つ折りできるルーズリーフバインダーと専用ルーズリーフをレビュー

日常的に持ち歩く荷物が多すぎて、とにかくカバンが重くてしんどい。クラウドファンディングで「肩への負担が少ない」と謳っているリュックを買ったおかげで、確かに肩への荷重は減った。が、全体的な重量は変わっていないんだから、結果的に体全体が均等に疲れるということになってしまうわけだ。

 

そんなの、荷物を減らせばいいじゃんとも思うのだけど、なまじリュックに容量があるものだから、いつの間にかあれこれ放り込んでギッシリ……ということになってしまう。たぶん私は、ハムスターかなにかが功徳を積んで人間に転生したんだろう。

 

せめて仕事道具(PCやカメラなど)を持ち歩かない日は、できるだけ小さなボディバッグを使おうと切り替えたところ、これがやたらと軽快。そりゃ、普段10kg超だった荷重が1kgほどになったんだから、「フッ、そろそろ本気を出すか……」と体に巻き付けていたオモリを外したような話である。

 

ただ、軽いのはいいんだけど、やっぱり荷物が入らなすぎる。「最低限、普段から使っているA5ノートが入るサイズ」ということでバッグを選んだんだけど、幅がギリギリ過ぎて、出し入れがつらいのだ。だからといってノートを廃してハンドメモだけに頼るのは、なんとなく心許ない。大きく書けて、収納時には小さくなるノートってないものか……と思っていたら、ちょうどいいタイミングで、キングジムがまさに願っていたような商品を出していたのである。

 

ルーズリーフも折り畳める時代へ

2017年、キングジムの二つ折りにして持ち運べるクリアーファイル「コンパック」が、一時は生産が間に合わないほどの爆売れ大ヒット商品となった。「そうか、ユーザーは折り畳んで持ち運びがラクになると嬉しいのか」と気付いたキングジムは、今年の秋にシリーズ最新作として、二つ折りにできるルーズリーフバインダー「コンパックノート」を投入した。

キングジム
コンパックノート
A5サイズ 480円(税別)/B5サイズ 500円(税別)/A4サイズ 650円(税別)
※写真はB5サイズ

 

↑バインダーを展開した状態。用紙は上下4つずつに振り分けられたリングで綴じる。同社の「テフレーヌバインダー」と似たルックスだ
↑バインダーを展開した状態。用紙は上下4つずつに振り分けられたリングで綴じる。同社の「テフレーヌバインダー」と似たルックスだ

 

初代コンパックのときも、「おお、クリアーファイルって折り畳んでいいのか!」という驚きがあったのだが、今度も同様に「ルーズリーフも折り畳んでいいのか!」だ。

 

サイズは展開時でA5、B5、A4の3タイプ。それぞれ半分に折るので、収納サイズはA6、B6、A5となる(バインダーなので、厳密にはそれより一回り大きいが)。実際に運用する際は、B5バインダーの二つ折りはA5用紙とほぼ同幅になる、と考えておけばいい。

↑A5・B5サイズを手に持ってみた。特にA5は、ルーズリーフバインダーとはとても思えないサイズだ
↑A5・B5サイズを手に持ってみた。特にA5は、ルーズリーフバインダーとはとても思えないサイズだ

 

↑もちろん、口の狭いボディバッグにも簡単に入る。これはラクだ
↑もちろん、口の狭いボディバッグにも簡単に入る。これはラクだ

 

手に持ってみると、ノートとしては本当に小さい。これ本当にルーズリーフなの!? と不安になるほどだ。もちろんボディバッグにもスポスポ入るし、女性用の小さいカバンにだって余裕だろう。

 

ところがパカリと展開してみると、折れているとはいえ見覚えのあるいつものルーズリーフサイズに早変わり。「ルーズリーフバインダーは二つ折りにできない」という思い込みが抜けないせいか、1週間ほどテストとして使い続けた現時点でも、開くたびにギョッとするほどインパクトがある。これは、実際に使ってもらえば同意してもらえるのではないだろうか。

↑表紙ごと折り目から浮き上がってくるので、紙を押さえ付けて安定させるのはやっかいだ
↑表紙ごと折り目から浮き上がってくるので、紙を押さえ付けて安定させるのはやっかいだ

 

↑リングは、左右からつまむんで開く方式
↑リングは、左右からつまむんで開く方式

 

ではいざ書いてみるか、となったときにまず思うのは、表紙・用紙ともに折り目ががっちり付いてしまっているので、書きにくそうだなーということ。これは正直にいうと、確かにお世辞にも書きやすいとは言いづらい。机に置いて手で押さえても、どうしたって上か下かのどちらかが浮いてくるし、用紙自体もボコボコとしてフラットにはならない。

 

ちなみに浮き上がり感に関しては、サイズの小さいA5が最もピーキーで、大きくなるほど自重によって安定する印象だ。

↑リングには1箇所ツメが出ており、表紙を畳むと対面するリングに引っかかって固定される
↑リングには1箇所ツメが出ており、表紙を畳むと対面するリングに引っかかって固定される

 

↑表紙の切り欠きを差し込むことで固定されるストッパー。リングのツメと合わせて使えば、持ち運び中に勝手に表紙が開くことはなさそうだ
↑表紙の切り欠きを差し込むことで固定されるストッパー。リングのツメと合わせて使えば、持ち運び中に勝手に表紙が開くことはなさそうだ

 

ただ、それは使い物になるのか? と問われると、少し答えに悩む。確かに、ノートとしての書き味は万全とは言えない。だが、使い方によっては割り切れないレベルでもないのである。慣れれば書けないわけでもないし。

 

それよりも、メモなんかよりはるかに筆記スペースの大きいルーズリーフを半分に折って持ち運べる、というメリットのほうがありがたい場合もあるだろう。筆者も、ボディバッグ運用時には割り切ってこのA5バインダーを使うことに決めた。だって、これが持ち運びには最もラクだから!

 

万人向けでは絶対にないが、でもどこかに欲しい人はきっといるはず……という、10人中1人でも欲しい人がいれば商品企画にゴーを出すことでお馴染みのキングジムらしい製品、と言えるだろう。

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