文房具
2022/4/18 18:00

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】「CC」を体現!?「紙のメモ」の価値を見直すコクヨのメモパッド

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

“紙のメモ”の価値を再発見できるメモパッド

このデジタル化が進んだ時代に“紙のメモ”と聞くと、何をいまさらと思われるかもしれません。PCでもスマートフォンでも、メモを取る手段はいくらでもありますし、メールやSNSなら、遠くにいる相手にも一瞬で情報を送ることができます。文房具の仕事をしている私も同じで、日常ではPCやスマートフォンのおかげで便利な生活を送っています。

 

しかし私は、紙のメモも使っています。なぜなら、デジタル化のおかげで、逆説的に紙のメモの価値が見えてきたからです。

 

紙のメモなら相手に念を押せる

今回ご紹介するのはコクヨの「複写メモ」。見ての通りそっけないメモなのですが、これがとても便利なんです。

↑デジタル時代の紙のメモ。時代遅れのようですが、重要な存在意義があります。なぜなら…

コクヨ
複写メモ(134x91mm白上質紙50組入り)
190円(税別)

 

メールは便利です。たとえばCC機能などを使えば、多くの相手にもあっという間にメールを送れますよね。

 

しかしメールは、大量に飛び交うせいで見落とされるリスクが高いのも事実です。送ったメールが迷惑メールフォルダに入ってしまったり、CCに入っていたメールを見落としたりした経験が、誰にでもあるのではないでしょうか。

 

そんな時代だからこそ、物理的な紙のメモが存在感を発揮します。たとえばオフィスに何か伝言を残したい相手がいたとして、メールを送るよりも、紙のメモを相手の机の上に置いたほうが伝わる可能性が高いということもあるでしょう。机が乱れていない限りは見落とさないですから。

↑紙のメモは、現代ではむしろ見落とされにくいのが強み。物理的に“ある”ことのインパクトは大きいのです

 

カーボンコピーで楽に複写

この商品が「複写」メモなのは、メモを書くとバックカーボンによって下の紙に複写されるからです。要するに、1回メモを書くと2枚のメモが作られるというわけです。

↑この通り、カーボンによって複写されます

 

すると、相手に渡したメモの控えが手元に残ることになります。すると相手がメモを失くしたときのバックアップになりますし、自分に対しての記録にもなります。

 

これは非常に便利です。いちいち2枚書く必要がありません。オフィス内で伝言を伝える機会が多い人は、ぜひ使ってみてください。大量の複写を作ってしまわないようメモを書くときに下敷きを入れる必要はありますが、メモの最初に厚紙がついているので切り取って下敷き代わりに使うことができます。

 

繰り返しになりますが、見落とされにくさなら紙のメモのほうがデジタルよりも上である場合も多く、複写メモならバックアップもとれます。デジタルの方が優れていることが多そうなビジネスシーンでも、意外にアナログのメモが存在感を発揮することもあるので、デジタルとアナログをうまく使っていきましょう。

↑筆記する1枚目の紙の裏面にカーボンを印刷している、やや懐かしいメモ

 

ちなみに、「カーボンコビー」とは、メールの「CC」(Carbon Copy)の語源でもありますね。アナログなようでかえって便利な「元祖CC」で、情報伝達の漏れをなくしませんか?

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
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