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2018/2/21 20:00

ポルシェが3Dプリンターから旧車のパーツを供給

ポルシェクラシックは、パーツ供給問題への解決策として3Dプリンターを活用することを発表した。「スペアパーツの入手不可」という言葉は即座に問題を引き起こし、最悪の場合、クルマを走らせることができなくなる可能性があるだけに、クラシックなポルシェの愛好家にとっては朗報となる。

 

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その解決策となるのが、3Dプリンターを駆使することで少量のみ必要とされる非常に希少なパーツをリプロダクトするというもの。実際、生産されるパーツは技術的にも外観的にも、すべてオリジナルのパーツに対する完璧な忠実性という要件を満たしているという。

 

現在、ポルシェ クラシックでは約52,000点のパーツを揃え、スペアパーツの在庫が少なくなったり在庫切れになると、オリジナルのツールを使って複製している。しかし、需要がごく小数に限られてしまう欠品パーツの供給を確保することは、ポルシェ クラシックのエキスパートにとってさえ大きな課題となっている。

 

そんな非効率な部分を極力減らすため、特定のコンポーネントを製造するプロジェクトに乗り出す際、ポルシェ クラシックでは常に事前に幅広い製造方法を検討している。

 

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「レーザー溶融法」と「SLSプリンター」

実際に3Dプリンターを活用して作られたのは、「レーザー溶融法」を用いて製造されるスチールおよび合金製のパーツと「SLSプリンター」を用いて製造される樹脂製コンポーネントである。

 

「レーザー溶融法」は、不活性ガスの中で、高エネルギーのライトビームを用いて希望する場所で粉末を溶融、スチール層を作り出してプリントされ、3トン近い負荷をかけた圧力試験と、その後の内部欠陥を調べる断層撮影法による検査にも見事にクリア。実地試験と徹底的な走行試験により、コンポーネントの完璧な品質と機能が確認されている。なお、この手法を用いて作られたのはポルシェ959(生産はわずか292台)のクラッチリリースレバーだとか。

 

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一方、「SLS」は「レーザー焼結法」の略で、これは融点の直前まで材料を加熱し、残余エネルギーを用いレーザーで目的とする箇所の樹脂粉末を溶解するという方法。全パーツとも、最低でもオリジナルの品質要件以上に高い基準をクリア。また、取り付けたパーツを用いて試験することで、寸法と嵌め合いの精度が確保。オリジナルと同様、多様な材料で作られた樹脂製パーツは、オイル、燃料、酸、光への耐性を有する必要もあるが、結果はいずれも満足できるものだった。それを踏まえ、ポルシェ クラシックでは、3Dプリントを使って8つのパーツを製造。さらに20のコンポーネントの製造についても3Dプリントが適切であるかどうか、試験している最中だという。そのメリットは、コンポーネントの3次元デザインデータや3Dスキャンがあれば、製造を開始するための十分な基礎となること。したがって、必要に応じ、注文があり次第コンポーネントを製造できるので、ツールと保管コストの節約にもなるというわけだ。

 

ちなみに、この記事に掲載されているパーツだが911スピードスターのミラーベースや959のフューエルキャップ、964型911のクランクアーム、そして356Bおよび356C用のヒートエクスチェンジャーブラケットだ。