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2018/11/3 19:00

電車が四角顔から丸顔へ変貌中!?—東西の新車に見る最新の「鉄道車両デザイン考」

【2000系の秘密1】鮮やかな赤の車体が東京の活力を引き出す

新車2000系が先日、東京メトロ中野車両基地で報道陣に公開された。その模様をレポートするとともに、特に目を引いたポイントを紹介しよう。

↑2000系は現在の02系とは異なり車体全体がグローイング・スカーレットと名付けられた鮮やかな赤でカラーリングされる。さらに正面の丸みを帯びた形状が目を引く

 

↑鮮やかな赤い車体の側面には丸ノ内線の伝統となっている「サインウェーブ」と呼ばれる編み目模様が織り込まれる

 

↑2000系の正面ガラスには東京メトロで始めての丸窓、そして球面ガラスが使用された。前照灯も丸形でやわらかい印象を生み出している。この「やわらかさ」が今後の鉄道デザインのキーワードになりそうだ

 

中野車両基地内に停められた2000系6両編成。まず車体カラーが目を引く。グローイング・スカーレットと呼ばれる鮮やかな車体色。従来の丸ノ内線02系の銀色に赤ラインの車体に比べて、数段は刺激的なカラーだ。そこに丸ノ内線の伝統、「サインウェーブ」と呼ぶ編み目模様が織り込まれる。

 

加えて電車の顔となる前面デザインが印象的だ。東京メトロ初の球面ガラスを生かした正面窓を採用。前照灯なども丸みを活かした形となった。

 

こうした姿や形で“TOKYO”に活力を与えることができれば、と東京メトロは意欲的だ。確かに朝、こうした鮮やかなカラーの電車に出会えば、元気を分けてもらえそう。一日の活力源になるかも知れない。

 

さらに混みぎみの電車ならではの圧迫感を減らす工夫など、随所に新しい試みが取り入れられる。そんな車内を見ていこう。

↑車両中央の天井を高くしてドーム型の形状とした。1人分の座席幅も拡大、カラー分けしている。仕切り棒(スタンションポール)とともに、通路上にも吊り革が多く設けられ、混み合う車内でより快適にという配慮が感じられる。冷房装置も従来の1.4倍の能力を持つ

 

↑各ドアの上部には17インチの液晶モニターを3画面設置。路線案内とともに様々な情報を提供する。モニターは4言語(日・英・中・韓)で表示。訪日外国人向け車内無料Wi-Fiが設置されている

 

↑6両編成全車両にフリースペースを用意した。小テーブルや荷物かけ、コンセント(写真左側)も設置された。車端部には東京メトロ言うところの「丸ノ内線らしさを演出」した丸窓を設置。これは丸の内線の路線名「丸」に引っかけた“遊び心”の演出なのだろうか

 

↑車両と車両の間の貫通トビラには衝突防止標記として、透明のデザインシールが貼られている。よく見ると丸ノ内線沿線の主要駅近くの名所がデザイン化されている
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