乗り物
クルマ
2019/4/1 18:00

プライバシーより安全を重視! ボルボの「運転手モニタリングカメラ」は行き過ぎ?

突然ですが、1959年の消費者たちの発言を紹介します。

 

「こんなことをすれば警察がさらに嫌われるだろう。警察と一般市民の良好な関係が悪化してしまうことは嘆かわしい」「この法律は個人の人権を侵害し、ビッグブラザー的な政府の実現に向けた前進となってしまう」

 

これらの危機感迫る発言は、どのような法律について述べたことか想像できますでしょうか? これは実はシートベルトが義務化されたときに挙げられた反対の声なんです。これらの反対の声をプレゼンテーションで発表したのが、スウェーデンの自動車メーカーであるボルボ。というのもボルボは、「クルマのなかに運転手モニタリング用のカメラを設置し、居眠りや飲酒運転、ながら運転を防止する」という新しい安全機能を発表したのです。

安全のためとは言え、運転手をカメラでモニタリングすることについて、プライバシーの観点から懸念の声があがるだろうということを想定して、ボルボは前述のシートベルト反対の声を紹介したわけです。「ほら、いまとなってはシートベルトに反対する人は誰もいないでしょう」というわけですね。

 

ボルボのビジョン2020は「2020年以降、新型ボルボの乗客の死亡事故や重傷を負う事故をゼロにする」というもの。この目標を達成するために、ボルボはかなり大胆な安全機能を導入しようとしています。その一つがカメラによる運転手モニタリングなわけですね。

目が閉じられていないか、道路以外のところへと目が向けられていないかをチェックするモニタリングカメラ。運転手の目線と行動の両方を見て、運転手の気が散っていたり、飲酒運転をしていたりすれば「介入」する設計のようです。Subaru ForesterやBMW X7といった一部の車両では運転手に向けられたカメラの設置は行われていますが、メーカー全車両へと展開されるのはボルボが初めてとのこと。

 

システムが危険を検知すれば、ボルボの電話アシスタント・センターからクルマへと連絡が入り、運転手から反応がなければ車両は速度を落とす、もしくは場合によっては停止もするそうです。2020年前半には全車両展開されるとのことですが、カメラの台数や詳細はまだ述べられていません。

 

そのほかにもボルボは新しい安全対策を発表しています。それは全車両が出せる最高速度を時速180キロに制限するというもの。また友人にクルマを貸したり、家族に運転をさせたりするときにはクルマの所有者が最高速度を制限することも可能になります。「他人に自分のクルマを運転させるのが不安でたまらない」という人には安心の機能ですね。

運転自体に制限をかけることで安全を確保するというこのアプローチに対して、ツイッター上では「No no no no!」「モニタリングされるのは気持ち悪い」といった嫌悪感の書き込みがすぐに見つかります。どのようなカメラがどこに設置され、データはどのようにシェアされるのか。詳細が判らない限り、消費者の抵抗感はなかなか消えないでしょう。