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2019/5/25 17:30

山形盆地を快走! 最上川と縁が深い「左沢線」10の秘密

【左沢線の秘密⑩】最後に左沢の地名の由来をひも解く

たどってきた左沢線の旅。最後に、どうして左の沢と書いて「あてらざわ」と読ませるのか。このあたりの謎をひも解いてみよう。

 

↑最上川は大江町の左沢付近で大きく右にカーブ、寒河江方面へ流れていく。中央に写るのが左沢地区。このあたりには江戸時代まで米沢舟屋敷跡があり、米沢藩から出荷された品物は、最上川沿いに設けられたこの屋敷を介して酒田へ、そして上方へ運ばれた

 

↑米沢舟屋敷跡の前に残る「桜町渡船場」と案内用の石碑(右下写真)。米沢藩は36艘の船を所有、最上川の舟運が盛んなころは、この船着き場に舟が絶えず出入りした。他領の舟も行き来したと予測され、往時の最上川はきっと壮観だったに違いない

 

諸説あるが、代表的なのが「あちらの沢」が「あてらざわ」となった説。なぜ「こちらの沢」が右側で、「あちらの沢」が左側になったのかは疑問が残るが、あちらは左だったので「左沢」としたという。

 

さらに大江町を治めた領主・大江氏が山に登った時に、左に見えた山谷を「あちの沢」と称し、それが「左沢」の語源になったという説も残る。また、東北地方の地名の語源として多いアイヌ語を元にするという説も残る。

 

要は古くから地名と使われてきただけに、「絶対にこれ」という説はないようだった。

 

地名の由来についてはさらに謎が深まってしまったが、次回は、もっとゆっくりと巡ってみたいと感じさせる左沢線の旅だった。

 

↑左沢線では6月15日・16日、22日・23日の4日間、「さくらんぼ風っこ号」が山形駅〜寒河江駅間を走る予定だ。人気のトロッコ形観光列車「びゅうコースター風っこ」(写真)が使われる予定だ

 

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