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2019/6/1 17:30

花と山景色と最古の鉄道遺産が旅人を出迎える「山形鉄道」10の疑問

 

【長井線の疑問③】フラワー長井線の沿線にある花名所は?

その後、国鉄の一路線として走り続けた長井線だったが、国鉄からJR東日本に移った翌年の秋(1988年10月25日)に山形鉄道に移管された。そして路線名も「フラワー長井線」と改められた。

 

この名前は読者の方が予想されるように、沿線には花の名所が多いことから付けられたものである。

 

長井線沿線には花の名所が多い。南陽市赤湯の名物「烏帽子山千本桜」。川西町のダリヤの名所「ダリヤ園」。長井市の「あやめ公園」。さらに終点の荒砥駅がある白鷹町は日本一の紅花の産地という具合だ。

 

現在は、これらの沿線の花名所は長井線のラッピング車としてPRされている。長井線の旅ではラッピング車両でも花見気分が味わえるのだ。

↑朝日岳などの山々を見ながら走る長井線の列車。写真の車両は長井線のシンボル車両「花結びより」。車内の座席はロングシート(他車両はクロスシートが主流)だが、飲食が可能なテーブルに加えてステージや音響設備なども備えている

 

 

【長井線の疑問④】東口と西口で造りがまったく異なる赤湯駅だが

山形新幹線(山形線・奥羽本線)の赤湯駅に降り立つ。ここが長井線の起点となる。この赤湯駅。東口と西口ではかなり造りが異なる。まずはその外観から見ていこう。

↑アーチ状のおしゃれな屋根を持つ赤湯駅の東口。新駅舎は1993(平成5)年に誕生した。通商産業省のグッドデザイン賞を受賞した地元・南陽市自慢の駅でもある

 

↑赤湯駅の西口駅舎。ログハウスの造りとなっている。こちらに山形鉄道の出札窓口がある。こちらはこちらで好感が持てるが、東口とはかなり異なる印象だった

 

東口はアーチ状の屋根がおしゃれな造り。西口はシンプルなログハウスだ。赤湯駅の玄関口となるのは東口で、こちらの側に町が広がる。対して西口は新興住宅地の趣で民家が点在する。

 

赤い湯と書いて「赤湯」。その名からわかるように温泉がある土地だ。温泉名は赤湯温泉。14軒の温泉旅館と4つの公衆浴場が街の中にある。とはいえ駅近くに温泉施設はない。温泉宿がある地域へは車で5分ほど(1.5km)と離れているのがちょっと残念だ。

↑赤湯駅を発車する山形新幹線つばさ。東京駅からは2時間30分弱の乗車時間で到着する。ほとんどの列車が赤湯駅に停車するので便利だ

 

前置きが長くなったが、長井線の列車に乗ってみよう。

 

赤湯駅の4番線に桜ラッピングの車両が停車していた。座席はクロスシートが主体で、やわらかめの座り心地で寛げる。乗車すると気動車のアイドリング音が耳に届き、鉄道の旅に一興を添える。

 

列車の発車は1時間〜1時間30分ごと。荒砥駅との間を1日に12往復の列車が走る。赤湯駅〜荒砥駅間の所要時間は1時間前後。快速列車などの優等列車はなく、すべてが普通列車だ。

↑赤湯駅の4番線が長井線のホームとなっている。列車は1両ないし2両編成での運行となる。平日の朝夕は通学時に利用する学生の姿が目立つ

 

赤湯駅を静かに発車した列車はしばらく山形新幹線(山形線)の線路に平行して走る。田畑が見え始め、列車は大きく左にカーブする。次の駅が南陽市役所駅だ。駅名どおり駅前に南陽市役所が建つ。

 

この駅を過ぎると、左右に果物畑が多くなる。南陽市はフルーツの宝庫で、とくにブドウは山形県一の栽培量だ。ちなみに山形県のブドウ生産量は山梨県に次ぐ全国2位。どちらも県名に山が付いているのは何かの縁だろうか。

 

ほかに、さくらんぼ、ラ・フランスが栽培されている。フルーツが実る季節にぜひ訪れてみたい路線である。

 

宮内駅、おりはた駅と民家と畑が混在するエリアを通り抜ける。そして梨郷駅へ。梨の郷と書いて「りんごう」と読む。南陽市になるまで地元は梨郷村という村名で、それが由来となっている。以前は梨の郷だったのだろう。現在は南陽の名物となっている洋梨作りが盛んなようだった。

 

梨郷駅からはしばらく畑を見て走り、最上川を渡る。長井線で始めての最上川との出会いだ。このあたり中・下流域とは異なり、河原もあり、水量もそれほど多くはない。とうとうと流れる最上川のイメージとはだいぶ異なる。

 

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