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2019/6/22 17:00

この秋に日本の空を飛ぶJAL新型機「A350-900」の秘密

【新型機の秘密⑥】収納スペースの開け閉めにもひと工夫ほどこす

飛行機の出発時、機内では収納スペースを締めるのにひと苦労しているCAの姿を良く見かける。多くの荷物が入った収納スペースの動きは重く、さらに高い位置に備え付けられているので、ぴったり締めるという作業はかなり大変そうだ。

 

JALではA350導入にあたり、エアバス社に、この収納スペースの可動に関してサポートシステムを付けてもらえるように要望を出した。エアバス社のその大切さを理解し、力をそれほど入れずに開け閉めできるように、従来のA350にはなかったサポートシステムを工夫し、新たに取り付けた。

↑JALが導入したA350の大型収納スペースにはサポートシステムがついている。そのため、開け閉めがラクになったそう。同CAさんも「ラクに開け閉めできて乗るのが楽しみ」と話す

 

今回の公開では室内でJALのCA(キャビンアテンダント)が取材撮影のサポートをしていた。複数人に尋ねたところ、従来機にくらべて、大型収納スペースの開け閉めが非常にラクになっていると答えてくれた。

 

あるCAさんは、締める時、途中から「ズ・ズ・ズ〜と上がっていく感じ」と表現してくれた。今後、A350に乗ったらCAさんにお任せせずに、「ズ・ズ・ズ〜」を体験したい。

 

 

【新型機の秘密⑦】ややっ!普通席も横幅が心持ち広いぞ

A350機の室内にある各クラスの座席に座ってみた。ファーストクラスは大型のシェル、柔らかなクッションでソファのような座り心地と同機の解説書にある。隣の席とは間仕切りとなるセンターディバインダーも設けられ、プライバシーが保たれる。

 

↑機体の前方にあるファーストクラスのスペース。隣りあう席の間には視線を防ぐようにセンターディバイダーが設けられる。左下写真は座席に設けられたスイッチ。JAL国内線では初の電動リクライニングシートを採用した。電動マッサージ機能も備えている

 

「ひとつ上のくつろぎを」がクラスJのシート。足下のシートピッチが約97cmと広く、さらに足をサポートするレッグレストも備えている。二種類の生地を組み合わせたシートカバーで、「室内空間にアクセントを与えるとともに、視覚的な広がりを創り出します」と同機の解説書にある。

 

↑クラスJのシート。肘掛け部分に収納された折り畳み式のテーブルを開いてみた。肘掛け部分には座席のリクライニングボタンとともに、レッグレスト用のボタンが付く。レッグレストは微妙な角度での調整が可能、体型に合わせた位置で利用できる

 

3種類のシートのうち、後方にある普通席。座席は黒とグレーの生地で落ち着く。A350の普通席の特徴は、頭部をサポートするヘッドレストの可動域が上下に大きいこと。さらに、普通席にもUSBポートやAC電源が用意されている。

 

そしてうれしいのは、従来の飛行機の標準的な座席幅(左右のアームレスト間)にくらべて広いことだろう。長さは約44cm。これは普通の座席に比べて1.5cm広いのだという。

 

実際に座ってみた。普通席の場合、隣りあう人との距離感が気になるところだが、適度なすき間が保てるのがうれしい。

 

↑3列シートが並ぶ普通席。座面の横幅が従来の普通席に比べて1.5cm広い。これもA350のワイドボディのなせるワザと言えそうだ

 

↑普通席に付くモニターは10インチ。搭乗時にお目にかかる最初の画面には例えば左上のように55Eと座席番号も記されている。これならば座席番号を間違えてしまって、という心配もなさそうだ。映画、ライブTVなど映像コンテンツもモニターで楽しむことができる

 

↑座席に付くモニターでは機外カメラの映像も見ることができる。尾翼(矢印の位置に付く)のカメラによる「ウイングビュー」が見えるというのも画期的。鳥になった気分で空の旅が楽しめそうだ(囲み内はウイングビューの見本映像)
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