乗り物
鉄道
2019/7/14 17:00

爽快感抜群! 秘境を走る「只見線」じっくり探訪記<その1>

【只見線じっくり探訪記⑥】全線乗車はなかなかの苦労が必要に

筆者の願いとして只見線に乗車していただきたいとお伝えしたものの、通して乗ろうとすると現実にはやや苦労する。

 

現在、列車が走る区間の列車本数を見ると、会津若松駅〜会津川口駅間の全線を走る列車は6往復、只見駅〜小出駅間を走る列車は3往復(他に小出駅〜大白川駅間を走る列車が1往復あり)しかない。

 

不通区間の会津川口駅〜只見駅間は代行バスが結んでいる。只見線を通して乗るプランを組んでみよう。すると、スムーズに乗り継げる列車が少ないことがわかる。

 

↑会津川口駅〜只見駅間を結んで走る代行バス。会津川口駅発、只見駅行が日に6本、只見駅発、会津川口駅行が7本、不通区間となっている各駅に止まって走る。代行バスの所要時間は50分ほどかかる

 

例えば会津若松駅7時37分発の列車に乗ると、何と小出駅着が16時53分にもなる。会津若松駅13時07分発の列車だと、小出駅の着が夜の19時48分となってしまう。小出駅から只見線へ乗車しても似たり寄ったりだ。連絡がスムーズでなく、途中の駅で2〜4時間もの待ち時間が生じてしまう。

 

唯一スムーズに乗り継げる列車を紹介しよう。

 

《会津若松駅→小出駅》 会津若松駅6時発 → 会津川口駅8時1分着 → 代行バス・会津川口駅8時15分発 → 只見駅9時5分着 → 只見駅9時30分発 → 小出10時43分着

《小出駅→会津若松駅》 小出駅13時11分発 → 只見駅14時28分着 → 代行バス・只見駅14時32分発 → 会津川口駅15時22分着 → 会津川口駅15時27分発 → 会津若松駅17時19分着

 

会津若松駅を出発地点とすると、かなり早朝の列車を利用しなければいけない。前日は会津若松での宿泊が必須となる。一方、小出駅側からは、昼過ぎ発の列車が利用できる。この列車ならば首都圏からでもその日のうち乗継ぎ旅が楽しめる。途中、乗継ぎのための時間が少なめで、のんびりできない厳しさはあるものの、あまり贅沢は言えないようだ。

 

よって13時11分、小出駅発の列車および、乗り継げる会津川口駅発の列車は、鉄道ファンや、旅好きな人々の姿が良く見受けられる。

 

 

【只見線じっくり探訪記⑦】残り少ないキハ40系が活躍する路線

只見線に多くの鉄道ファンが引きつけられる理由の一つが、国鉄時代に生まれたキハ40系が今も活躍していることだろう。

 

キハ40系は1977(昭和52)年から1982(昭和57)年にかけて、当時の国鉄が製造した気動車だ。非電化区間の主力車両として、現在も各地を走り続けている。とはいえ誕生してから40年近くと古参車両となってきたこともあり、JR東海ではすでに消滅、JR四国も車両数が少なめとなっている。

 

さらにJR東日本のキハ40系は、ここ数年、廃車になる車両が多くなっている。只見線と会津若松駅で接続する磐越西線では、長年、会津若松駅〜新潟駅間をキハ40系が走ってきたが、8月19日からは新型GV-E400系の営業開始の予定。今年度中にはキハ40系の運転を終了させる予定だとされる。ほかにキハ40系が残る路線となると、秋田県や青森県の路線となる。

 

よって首都圏から最も近い路線が只見線に鉄道ファンが集まる、ということになる。今のうちにキハ40系を撮影しておこう、と沿線の人気撮影スポットへ、訪れる鉄道ファンも、増えてきているように感じた。

 

↑会津若松駅〜会津川口駅間では東北地域本社色と呼ばれるカラーのキハ40系が走る。座席はセクミロスシートの車両に混じって、すべてロングシートという車両も走る。ちなみに只見駅〜小出駅と、磐越西線では新津運輸区に配置されたキハ40系が走る

 

↑「只見ユネスコエコパーク」のPRを兼ねたラッピング車両も会津若松駅〜会津川口駅間で走る。同ラッピング車両は2020年3月ごろまで運行の予定だ

 

ちなみに2019年7月20日(土曜)、21日(日曜)には快速「只見夏休み満喫号」として新潟駅〜只見駅間を走る予定だ。使われる車両はオレンジ色とクリーム色の旧国鉄色と呼ばれるカラーで塗られたキハ40系。時刻は下記のようになっている。

 

新潟駅7時11分発 → 只見駅10時41分着、只見駅13時18分発 → 新潟16時10分着

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5