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2019/8/4 18:00

東日本最後の115系の聖地「越後線」−− 新潟を走るローカル線10の秘密

【越後線の秘密⑥】バラエティに富む115系電車の色は何種類?

ややネガティブな話が続いたが、ここでは鉄道ファンに人気の115系の現状を見ることにしよう。

 

115系は国鉄が開発した近距離用電車111系をベースに、出力増強を図った車両だ。製造されたのは1963年〜1983年のことで、合計1900両以上が長年にわたり直流電化区間を走り続けた。東日本では中央本線、上越線などの主に勾配区間がある近距離路線の“エース”として活躍した。

 

そんな115系も衰えが目立つようになり、東日本では中央本線、群馬県内の路線からは徐々に消えていった。現在、東日本では、しなの鉄道にJRからの譲渡車両が多く残ってはいるものの、JR東日本で走るのは新潟地区のみとなってしまった。

 

新潟地区を走る115系はバラエティに富む。

↑新潟を走る115系の代表的な車両4種類。写真内に説明書きしたようにさまざまな塗装車両が揃うのが新潟地区の115系のおもしろいところ。さらに越後線ではこれらの車両に巡りあうことが多い

 

115系は現在の流麗な車両デザインに比べて、国鉄時代の車両デザインに見られる武骨さが感じられ、いい味を醸し出している。そんな姿が今も見られるのが新潟地区、とくに越後線は、最後の聖地となりつつある。

 

残るのは3両×7編成の計21両。車両カラーもいろいろだ。鉄道ファンからは7本6色体制とも言われるように、6色が揃う。塗装色の名前と、それぞれに塗られる編成番号を上げておこう。

一次新潟色N37編成
二次新潟色N33編成、N35編成
三次新潟色N34編成
弥彦色N36編成
湘南色N38編成
懐かしの新潟色N40編成

 

以上だ。115系に出会う機会が多いのが、柏崎駅〜吉田駅間。この区間は、極端に列車本数が減るのがちょっと残念なところだ。

 

↑越後線の最新車両、E129系。新潟支社のみに配置された車両で2両もしくは4両編成で走る列車が多い。車内の半分がセミクロスシートとロングシートという組み合わせ。ちなみにLED案内表示を撮影する場合には100分の1以下のシャッター速度が望ましい

 

 

【越後線の秘密⑦】新潟駅〜内野駅間は大都市近郊路線の趣が

越後線に関して余談が過ぎた。ここからは沿線の様子をレポートしよう。なかなか沿線模様も興味深いのが越後線だ。

 

今回は、路線の終点にあたる新潟駅側から列車に乗車する。現在、新潟駅は改良工事中。上越新幹線との乗り換えがラクになるようにと、在来線の高架化工事が進む。

 

訪れた時の、越後線の列車の発車は3・4番線の高架ホームからだった。列車は内野駅行き、もしくは吉田駅行きの2通りの路線を走る列車が多い。越後線の場合には、新潟発は“上り”列車となる。人口が多い街のターミナル駅発の列車が上りというのがちょっと不思議なところだ。

 

↑新潟市の表玄関でもある新潟駅の万代口。駅は高架化工事が進む。通路の工事なども進んでいるが、現状の高架ホームまで結構、この万代口から歩く必要がある。駅構内の高架化工事が完了すれば、この万代口の建物を含めさらに万代広場として整備される予定だ

 

↑新潟駅〜内野駅間は、頻繁に列車が行き交う。写真は信濃川橋梁を越えて、白山駅に近づくE129系回送列車

 

新潟駅から内野駅までは近郊区間の様相。約20〜30分間隔で走っている。

 

さて高架ホームを出発した吉田行きの列車。高架をおりしばらくは複線区間を走る。右にカーブして信濃川橋梁を前にして複線区間は終了。橋梁からはひたすら単線区間となる。

 

乗客は多くほぼ満席といった状況。次の白山駅へ到着する。ここで多くの乗客が下車していく。学生の姿が目立つことから駅近くに学校が複数あるのだろう。

 

白山駅で、早くも空いた状態になる。しばらくは左右に新潟市の住宅街が続く。関屋駅を過ぎると、間もなく前述した信濃川の関屋分水の流れを越える。

 

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