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2019/10/17 18:45

21年ぶりに日本上陸!VWゴルフ、クリーンディーゼルはガソリンモデルと何が違うのか?

現行ゴルフの“究極形態”的な完成度が魅力

さて、今回久々の復活となったゴルフのディーゼルですが、搭載するのは「パサート」から導入が始まった最新世代の2Lターボ。気になる排ガス浄化システムは、尿素水溶液(Adブルー)を使うSCRなどを駆使して最高水準のクリーン度を達成しています。そのパワー&トルクは150PSと340Nmで、同時期に投入された「シャラン」用のTDIと比較すれば若干控えめな数値になりますが、コンパクト級のサイズに対しては十二分といえるもの。

↑搭載ユニットは、パサートから始まりティグアン、パサート・オールトラック、シャランにも搭載される最新世代の2Lターボ

 

実際、その走りはディーゼルならではの充実したトルクが印象的です。同じゴルフならスポーツ仕様の「GTI」に匹敵するトルクなだけに、加速自体も強力そのもの。音や振動、といったディーゼルにつきものの弱点も走っている限りは一切気になりません。また、これは先行上陸した「ティグアン」のTDIでも確認済みでしたが組み合わせる7速DCT(ツインクラッチの新世代AT。VWでの呼称はDSG)との相性が良いことも魅力のひとつ。発進時から回転上限に至るシームレスな加速、そして極低速の微細なアクセル操作にも正確に反応するレスポンスの良さは、前述したゴルフならではの上質感を一層引き立てる出来映え。実のところ、1.2Lガソリンターボのベーシックなゴルフでも実用上の動力性能にはまったく不足はないのですが、一度クリーンディーゼルの余裕を体感してしまうと、そのある種の贅沢感が離れがたいのもまた事実。車重は1.2Lガソリン比で200kg近く、1.4Lガソリン比でも100kg以上重くなるディーゼル仕様ですが、今回試した限りでは操縦性に対するネガティブさもほとんど感じられません。むしろ、乗り心地についてはガソリン仕様より重厚と感じられるほどなので、ゴルフの最上級モデルとして接しても満足度は高いはずです。

↑排ガス浄化にSCRシステムを使うため、給油口には軽油に加えAdブルー(尿素水溶液)の注入口も追加されます

 

上陸してすでに7年目となる現行ゴルフ。実はまもなく本国では新型が発表されるので、モデルライフ的には末期にあたります。しかし、仮に年内に新型が発表されたとしてもそれが日本にやって来るのはまだ先の話。その意味では、完熟の域にある現行型を選ぶ理由は十分にありますし、それがこのクリーンディーゼルであればゴルフが持つ魅力を網羅できることは間違いありません。およそ30万円、というガソリン仕様の価格差は悩ましいところですが、優れた経済性を誇るだけに「理性的に贅沢を味わいたい」というニーズにもピッタリの選択といえるでしょう。

↑ガソリン仕様より重くはなりますが、340Nmに達するトルクの恩恵で動力性能は余裕タップリ。7速DCTとの良好なマッチングにより、走行時は上質感も堪能できます

 

SPEC【TDIハイライン・マイスター】●全長×全幅×全高:4265(4575)×1800×1480(1485)㎜●車両重量:1430(1490)㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:150PS/3500~4000rpm●最大トルク:340Nm/1750~3000rpm●WLTCモード燃費:18.9(17.7)㎞/L ※( )内はヴァリアント

 

撮影/宮門秀行

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