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2020/4/12 18:30

【保存版】2020年春までに登場した「鉄道新型車両」をずらり紹介【西日本編】&【貨物編】

 

JR九州YC1系気動車

−2020年3月14日運行開始−

↑正面にLEDライトの縁取り、前照灯などかなりユニークなデザインのYC1系。3月14日から海景色が楽しめる大村線を走り始めた

 

国鉄形キハ66・67形に代わる近未来的車両が登場

YC1系の「YC」とは「YASASHIKUTE CHIKARAMOCHI(やさしくて ちからもち)」を意味する。そんな優しい、力持ちの車両を開発コンセプトに生まれたのがYC1系だ。

 

このYC1系は気動車だが、近年、各鉄道会社で使われ始めた気動車と同じように、ディーゼル・エレクトリック方式を採用している。ディーゼル・エレクトリック方式とは、搭載するディーゼルエンジンを使って電気を生み出し、この電気によってモーターを回して走る車両システムを指す。

 

さらにYC1形は天井部分に蓄電池を積む。蓄電池には発電した電力と共に、ブレーキをかけた時に生まれる回生電力も充電される。走行時にはディーゼルエンジンで生み出した電気に加えて、蓄電池に貯めた電気も効率良く利用して走る。

 

こうしたシステムを採用したことにより、既存の気動車に比べて約20%の燃料消費量削減を可能にした。

 

2018年6月に2両の量産先行編成を導入し、試運転が続けられてきた。量産先行編成に加えて、走行テストの結果を反映した量産車2両×2編成が2020年3月14日のダイヤ改正に合わせて導入され、長崎県内の大村線を中心に走り始めている。

 

今後、増備が進むに従い、国鉄時代に生まれたキハ66・67形気動車は徐々に減っていきそうだ。ちなみに筆者が訪れた3月末現在には、キハ66・67形は快速シーサイドライナーなどの列車にも利用されているのが確認できた。また貴重になっている国鉄原色塗装の車両も走り続けていた。とはいえキハ66・67形の引退が確実に迫ってきたようである。

 

 

【貨物牽引用 新型機関車】

JR貨物DD200形式ディーゼル機関車

−2020年3月14日運行開始−

↑石巻線のコンテナ列車を牽引するDD200形式ディーゼル機関車。同路線ではすでに4往復の貨物列車の牽引に使われている

 

ローカル線区の貨車輸送+貨物駅での入換え機として稼働

ここからは貨物用機関車ならびに、その他の車両の新型車両情報に目を転じたい。

 

まずはJR貨物が本格的に導入を開始したDD200形式ディーゼル機関車から。JR貨物では長年、ローカル線区の貨物牽引と、貨物駅構内での貨車の入れ換えにDE10形式ディーゼル機関車を使ってきた。DE10は国鉄時代に誕生して40年以上働いてきた古参機関車で、老朽化が進んでいた。

 

DE10の仕事を引き継ぐために新造されたのがDD200である。2017年6月に量産先行車901号機が製造された。901号機は石巻線をはじめ各地で、長期にわたり試運転が続けられてきたが、この春、量産車8両が愛知機関区に正式に配備された。

 

そして2020年3月14日から運用が始まった。配置は愛知機関区だが、運用は機関区から遠く離れた地域が多い。

 

まず日本海側では、富山貨物駅〜高山本線・速星駅(はやほしえき)間、富山貨物駅〜氷見線・高岡貨物駅間。新潟貨物ターミナル駅〜信越貨物支線・焼島駅(やけじまえき)間。さらに東北地方の仙台貨物ターミナル駅(一部は小牛田駅)〜石巻駅間の貨物列車の牽引にあたる。ほか北九州貨物ターミナル駅の入換え作業にも使われ始めた。

 

DD200は車体の周囲を囲む白い手すりが目立つ。深紅のやや角張った機関車が牽く貨物列車の姿が、ローカル線に新風を吹き込みつつある。ざん新な印象で、絵になるように感じた。

 

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