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2020/9/6 19:00

希少車両が多い東海・関西出身の「譲渡車両」の11選!

【注目の譲渡車両⑥】元近鉄路線に残る近鉄電車が徐々に減少中

◆三重県・岐阜県 養老鉄道600系・620系(元近鉄1600系など)

↑養老鉄道養老線を走る元近鉄車両。正面に524号車という数字があるが形式は620系。近鉄マルーン一色の伝統色で走る

 

三重県の桑名駅から岐阜県の大垣駅を経由して揖斐駅(いびえき)まで走る養老鉄道養老線。近鉄の元路線で、さらに養老鉄道が、近鉄グループホールディングの傘下の会社ということもあり長年、近鉄の電車が使われてきた。

 

これまで走ってきたのが近鉄600系・620系で、さまざまな種車を元に改造され、1992(平成4)年に養老線に導入されている。養老鉄道となった2007(平成19)年以降も走り続けてきた。そんな養老鉄道に、東急の7700系15両が2019年に導入され、状況がかわりつつある。それまで600系、610系、620系と、3タイプが走っていたが、すでに610系の全編成が引退となった。

 

600系と620系が16両ほど残る。従来の近鉄マルーン色の車体だけでなく、オレンジ色に白線のラビットカラー、赤地に白線の車両と、車体カラーはいろいろで、元東急車とともに沿線をカラフルに彩る。東急7700系は15両で導入は終了しているが、その後に、どのような電車が導入されるのか、元近鉄車は今後どうなるのか、気になる路線となっている。

 

【注目の譲渡車両⑦】京阪の名物「テレビカー」が富山の“顔”に

◆富山県 富山地方鉄道10030形(元京阪3000系/初代)

↑立山山麓などの山々を背景に走る2両編成の10030形。車両数が多いため富山地方鉄道の路線では良く出会う電車となっている

 

富山平野を走る富山地方鉄道の複数の路線。自社発注の電車、元西武鉄道の電車、元東急電鉄の電車、といろいろな電車が走りなかなか賑やかである。

 

そんななか、ややふくよかな姿形で走る電車を見かける。富山地方鉄道での形式名は10030形。形式名を聞いただけでは、元の電車が何であるかは分かりにくいが、この電車は京阪電気鉄道(以降「京阪」と略)の元3000系(初代)だ。

 

京阪3000系は、京阪の車両史の中でも革新的な電車だった。製造されたのは1971(昭和46)年からで、大阪と京都を結ぶ特急専用車両として生まれた。大阪と京都を結ぶ路線はJR東海道本線、阪急京都線などライバルが多い。そのため乗車率を少しでも高めるべく登場した電車で、オールクロスシート、冷房を装備、後には2階建ての中間車を連結した。また編成の一部車両の車内にテレビを備えていたことから「テレビカー」とも呼ばれた。40年にわたり走り続け2013年3月に京阪の路線から引退している。

 

そんな京阪3000系を大量に引き取ったのが富山地方鉄道だった。1990(平成2)年から17両が移籍している。ちなみに大井川鐵道にも2両が移籍したが、こちらはすでに引退している。

↑2階建て中間車を連結して走る10030形「ダブルデッカーエキスプレス」。車体カラーもヘッドマークも京阪当時を再現した編成だ

 

京阪は線路幅が1435mm、富山地方鉄道の路線は1067mmという違いもあり、入線の際には台車を履き替えるなど改造を施している。

 

富山地方鉄道に多くの元3000系が移籍したこともあり、同鉄道ではよく見かける存在となっている。移籍した中で異色なのが3000系の8831号中間車で、2013年に譲渡された。この8831号中間車は、富山地方鉄道の10030形では唯一の2階建て車両だ。他の10030形は2両編成だが、この8831号車を組み込んだ編成は3両編成となり、また塗装も京阪当時の色に塗り替えられた。編成名も「ダブルデッカーエキスプレス」となり、有料特急列車に使われ走り続けている。

 

編成こそ、京阪当時のような長大ではないが、3両編成になろうとも、往時の姿が楽しめるのは、鉄道ファンとしてはうれしいところだ。

 

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