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2021/10/10 6:30

懐かしの気動車に乗りたい!旅したい!「小湊鐵道」「いすみ鉄道」

【乗ろう!小湊鐵道①】接続する上総中野駅で列車を待つことに

いすみ鉄道の上総中野駅へ到着したのが12時27分。ここで小湊鐵道の接続列車が13時41分までない。1時間ちょっとの待ち合わせである。ちなみに、同列車の後はキハ28・キハ52利用の列車が13時50分に到着する。あと数分で、小湊鐵道の列車と接続できるのだが、なぜ接続させていないか、不思議に感じた。13時41分の後の列車は16時39分発で、3時間近く待つことになるわけで、これでは房総半島の鉄道での横断はとてもしにくい。

 

さらに上総中野駅〜上総牛久駅間を往復する列車は1日に3本のみ。いすみ鉄道の列車は上総中野駅まで走る列車は1日に11本あり、その差が大きい。

 

災害前の時刻表によると、五井駅〜上総中野駅間往復の列車は6便あった。不通になる前の時刻に戻るとしたら、いすみ鉄道との接続がかなり改善される。小湊鐵道の日常が早く戻ることを期待したい。

 

上総中野駅に到着して30分ほど。ホームへ入ってきたのは小湊鐵道のキハ208だった。キハ200形の208というわけだ。キハ200形とはどのような車両なのだろう。

 

○小湊鐵道キハ200形

↑上総中野駅に停車する小湊鐵道キハ208。後ろの木造駅舎と良く似あう。竹筒のような建物は公共トイレだがその巨大さに違和感を感じた

 

小湊鐵道のキハ200形は1961(昭和36)年から1977(昭和52)年にかけて導入された気動車で、国鉄のキハ20系をベースにしている。総計14両が造られ、長年にわたり活躍してきた。

 

キハ200形は小湊鐵道の顔と言うべき古参車両である。そんなキハ200形にも転機が訪れている。今後導入される後継車両に関しては後述するとして、上総中野駅に到着したキハ208をカメラに納めようというファンや、ローカル線の鉄道旅を楽しむ家族連れの姿が見受けられた。

 

【乗ろう!小湊鐵道②】バスに乗り継ぐ上総牛久駅で出会ったのは

上総中野駅13時41分発の列車に乗車したのは鉄道ファンや家族連れが10人あまり、この列車は上総牛久駅止まりとなる。上総牛久駅から先は不通のため代行バスの利用となる。

 

キハ208の座席はロングシートで、前後にドアは2つということもあり、ひたすら横一列の長いシートが連なる。上総中野駅〜養老渓谷駅間は、房総丘陵の横断路線の中でも、難路で途中、板谷トンネル、朝生原トンネルで房総半島のピークを越える。

 

菜の花の季節には賑わいを見せる月崎駅や飯給駅(いたぶえき)、また珍しいタブレット交換が行われる里見駅、テレビドラマのロケ地としてたびたび登場する上総鶴舞駅など名物駅を停車しつつ走る。途中駅では、駅の見物に訪れた観光客をよく見かけた。いすみ鉄道、小湊鐵道の沿線は、高速道路・国道などの道路網が発達していて、撮り鉄を含めて、首都圏からクルマでやってくる人が非常に多い。この人たちの一部でもよいので、列車で訪れて欲しいと感じた。

↑上総牛久駅に停車していたキハ207。路線不通後は、上総牛久駅〜上総中野駅間は同車両とキハ208のみで運行がやりくりされていた

 

上総中野駅から乗車して約45分。この日の〝終着駅〟である上総牛久駅の1番線ホームに到着した。3番線にはキハ207が停車していた。10月上旬現在、上総牛久駅〜上総中野駅間のみの運行となり、五井駅側はまだ路線が不通のままとなっている。

 

同社の車両基地は五井駅にある。7月初旬の水害によりキハ207とキハ208の2両が上総牛久駅〜上総中野駅間にとり残されたこともあり、かろうじて同区間の運行が続けられていたわけである。2両が残されていなかったとしたら、どうなったのであろうか。2車両による〝孤軍奮闘〟により、路線の営業が細々と維持されていたわけである。

↑上総牛久駅前にはすでに光風台駅行き代行バスが待っていた。列車が14時28分到着した後、バスは14時47分発と20分待つことに

 

上総牛久駅の代行バス発車までは約20分待ち。筆者にとって、その待ち時間の間に駅の周りなど撮影時間がとれるからラッキーだったものの、一般の利用者にとって、この待ち時間は何とも〝じれったい〟思いではないだろうか。

 

上総牛久駅で新しい施設を発見した。上総牛久駅が観光列車の「里山トロッコ」の出発駅であることから整備された施設で「里山トイレ」と名付けられる。要は公共トイレなのだが、トイレが公園風に清潔に、おしゃれに整備されていた。階段でのぼる「階段のトイレ」は列車が見える、いわば〝お立ち台〟なのだそうだ。子どもたちの遊び場にもなりそうな公共トイレだった。

↑上総牛久駅の駅前にできた「里山トイレ」。緑に包まれるようにできた公共トイレで、清潔感が感じられる。階段の上は〝お立ち台〟に

 

光風台駅行きのバスがそろそろ発車しそうだったので、断念したが、次回は階段の上の〝お立ち台〟から列車を撮ってみたい誘惑にかられた。

 

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