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2022/1/24 18:00

気になる新車を一気乗り! 電動化の波に乗るポルシェ、三菱のプレミアムモデルをレポート

今回は、ポルシェのタイカン・クロスツーリスモと三菱・新型アウトランダーPHEVをピックアップ。前者はピュアEV、後者はプラグイン・ハイブリッドで、どちらも加速するクルマの電動化を象徴するプレミアムなモデルだ。両車とも独自性は高い。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】高速域でも静粛なのはさすがポルシェ!

EV

ポルシェ

タイカン・クロスツーリスモ

SPEC【タイカン4 クロスツーリスモ】●全長×全幅×全高:4974×1967×1409mm●車両重量:2245kg●パワーユニット:電気モーター×2●最高出力:380[476]PS●最大トルク:51.0kg-m●一充電走行距離:360km

●[ ]内はオーバーブースト時

 

ポルシェでありながらSUV的な快適性も実感!

クロスツーリスモは、セダンのタイカンに続くポルシェのピュアEVの第二弾。タイカンをワゴン化したボディにはSUV風の装備がプラスされ、唯一無二の個性的な外観が最大の特徴となる。日本仕様のパワーユニットは、グレードを問わず電気モーターを前後に搭載。駆動方式が4WDのみとなるほか、バッテリーも93.4kWhの総電力量を持つ仕様に統一される点が、セダンのタイカンとは異なるポイントだ。

 

今回はスペック的に最も控えめなタイカン4に試乗したが、動力性能はそれでもスポーティと呼べる水準。静粛にして滑らかなEVらしさはもちろん、それが高速域でも衰えない点はポルシェらしい。一方、足回りはセダンのタイカンとは異なり、スポーツ性が若干ながらマイルドな味付けになっている。これはダート路面なども守備範囲となる使用環境を想定した結果だが、それだけにSUV資質も上々。贅沢な日常の足としても、自信を持ってオススメできる。

 

[Point 1]  ワゴンボディでもスタイリッシュ!

ワゴン化と言っても外観はスタイリッシュ路線。近年の欧州勢で流行しているシューティングブレーク仕立てとなる。そこにSUV的な装備を追加したことで独自性は十分だ。

 

[Point 2] SUVらしい用途にもしっかり対応

荷室容量はタイカン4の場合でフロント側が84L。リア側は446〜1212Lで、セダンモデルを大幅に上回る。

 

[Point 3] 後席は頭上回りの空間が拡大

前席回りの作りは、基本的にセダンのタイカンと同じ。助手席側にもタッチパネル式のディスプレイが追加できる。後席はワゴン化することで頭上スペースが拡大された。

 

[ラインナップ]

タイカン4:電気モーター×2/4WD/1341万円(税込)
タイカン4S:電気モーター×2/4WD/1534万円(税込)
タイカン・ターボ:電気モーター×2/4WD/2056万円(税込)

 

【その2】これぞ電気駆動モデル最強のオールラウンダー!

SUV

三菱

アウトランダーPHEV

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列気筒DOHC+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

自慢の車両制御技術で走りも十分楽しめる!

SUVのプラグイン・ハイブリッド車としては、世界的ヒット作となったアウトランダーPHEV。2021年12月に正式発売となった2代目では、その万能選手ぶりに一層の磨きがかかっている。

 

まず、2.4Lガソリンエンジン+前後電気モーターという駆動システムの基本構成こそ先代と変わらないが、電気モーターは前後とも大幅に出力が向上。エンジンも高効率化されたほか、駆動用バッテリーは総電力量が13.8kWhから20kWhへと大容量化。EV走行時の最大航続距離は60km台だった先代を大幅に凌ぐ最大87kmを実現し、走行性能も底上げされた。また、電力の供給能力も最大では一般家庭の約12日ぶんに相当するという(先代は約10日ぶん)。

 

しかし、実際に試乗して何よりも新鮮だったのは電動化や4WD技術に長けた三菱の最新作らしい走りだ。実に7つもの選択肢を用意する走行モード切り替えは、走りのキャラクターを鮮やかに変化させてドライバーを楽しませる。今回は舗装路のみでの試乗だったが、例えばターマックモード選択時の身のこなしなどはSUVとは思えないほどスポーティ。その一方、通常時は走行性能も快適で質感も上々。このクラスのSUVとして、いかに魅力的な存在であるかは言うまでもないだろう。

 

[Point 1] 室内は上質感もアピール

シンプルなデザインだが、細部に至る作り込みで先代より質感が格段に向上。もちろん、最新モデルらしく運転支援システムなども充実している。走行モード切り替えはダイヤルを採用しワンタッチだ。

 

[Point 2] モード切り替えの恩恵を実感できる走り

今回はサーキットでの試乗のみだったが、舗装路用のモード切り替えだけでも走りのキャラクターは鮮やかに変化。SUVとは思えない楽しさを実感できた。

 

[Point 3] グレードによって7人乗りも用意

先代のPHEVモデルは5人乗りのみだったが、新型では3列シートの7人乗りも選択可能に。もちろん3列目は小柄な人向けだが、SUVとしては見逃せないメリットとなりそうだ。

 

[Point 4] 使い勝手も期待通り

荷室は、このクラスのSUVとしては十分に実用的。容量は3列目使用時こそ258〜284Lだが、3列目収納時では634〜646L、後席をすべて畳めば1373〜1390Lまで拡大する。

 

[Point 5] 三菱車の旗艦に相応しい仕立てに

駆動システムだけでなく骨格や足回りも着実に進化。外観も格段に存在感が高められた新型は、三菱のフラッグシップモデルという役割も担う。

 

[ラインナップ]

M:2.4L+前後電気モーター/4WD/462万1100円(税込)
G:2.4L+前後電気モーター/4WD/490万4900円(税込)(※)
P:2.4L+前後電気モーター/4WD/532万700円(税込)
※:7人乗りの価格は499万6200円(税込)

 

文/小野泰治 撮影/篠原晃一、小林俊樹

 

 

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