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2022/7/1 11:30

”欲しい要素”が詰め込まれてる! 折り畳みカーボン製電動アシスト自転車「カーボン エイジ」に乗ってみた

おしゃれな小径の電動アシスト自転車がほしいと思ったとき、いくつか問題があります。1つは、電動アシスト付きだと、モーターやバッテリーなどを搭載しているため、せっかくのデザインが損なわれてしまう場合が少なくないこと。もう1つは、モーターやバッテリーのおかげで重量が重くなってしまうこと。そして、どうしても価格が高くなってしまうことです。

 

そうした課題を、ほぼ解決してくれているのが、ENDRAGWAY(エンドラグウェー)というブランドがリリースする電動アシスト自転車「Carbon Age(カーボン エイジ)」というモデルです。フレームを軽量なカーボン製とすることで、重量を15.5kgに抑え、一見すると電動アシストとはわからないデザイン。しかも価格は16万9800円(税込)と、アシストのない小径自転車と大きく変わらない金額で購入することができます。

 

かなり理想的なモデルに見える「カーボン エイジ」の完成度はどうなのか? 実際に乗り回して検証してみました。

↑「カーボン エイジ」通常時:全長約161×高さ約98×幅約59cm。ボディカラーは5色展開で、写真のモデルはグレー(マット)

 

スタイリッシュなデザインを実現

電動アシスト自転車というと、モーターやバッテリーが目立つデザインを思い浮かべる人が多いと思いますが、「カーボン エイジ」はスマートなシルエットに仕上がっています。モーターは後輪のハブ(軸)部分に一体となったタイプ。バッテリーはシートポストに内蔵されているので、どちらも目立たないスタイルを実現しています。

↑後輪のハブと一体となっているタイプなので、自転車のスタイルに影響を与えないモーターを搭載

 

↑バッテリーはどこかと思ったら、シートポストに内蔵されています。装着した状態でも取り外した状態でも充電が可能

 

↑走行前にはバッテリーと車体の配線を接続する必要があります

 

フレームはカーボン製で、電動アシストでは多くなってしまう配線を極力内装式としているのもスマートなシルエットを実現している理由です。バッテリーの容量は7000mAhで、アシスト走行の可能な距離は約60km(フル充電時)。別売のボトル式のバッテリー(5200mAh)を追加することで、走行距離を約110km(フル充電時)まで伸ばすことができます。

↑配線をできるだけフレームの内部に通すことで、スッキリしたシルエットに

 

ホイールは20インチでやや太めのタイヤを装着。路面からのショックの吸収性が高いので、街乗りに向いた装備です。前後ともフェンダーが装着されているので、服への泥はねも防止できます。

↑太めの20インチタイヤは街乗りとの相性が良い。フェンダーも通勤などにはうれしい装備

 

↑リアにもフェンダーを装備し、衝撃を吸収するショックアブソーバーも搭載

 

↑ブレーキは前後ともに機械式のディスクブレーキを採用する

 

街乗りに便利な機能も搭載

バッテリーから給電されるライトも標準で装備されているので、通勤で帰りが夜になってしまったようなときも安心。スポーツタイプの自転車は、ライトが装備されていないものが多いので、この点も選びやすいポイントです。やはりスポーツ自転車では装着されていないことが多いスタンドも備えています。

↑バッテリーの電力を利用するので、発電のためにペダルが重くなったりすることもない

 

↑装備されていないと駐められない場所もあるスタンドも標準装備されている

 

もう1つ便利なのは、折り畳み機構が搭載されていること。15.5kgの重量は持ち上げて運ぶにはやや重さを感じるだろうが、クルマや電車に持ち込むにはギリギリ何とかなる重さ。また、コンパクトに畳めることで自宅に持ち込んで室内保管するにもありがたい機構です。

↑手順としては、まずハンドルのロックを外して折り畳む

 

↑続いてサドルを下げ、フレーム中央のヒンジ部分から折り畳むとコンパクトになる

 

↑折り畳んだ際のサイズは全長約90×高さ約67×幅約50cm。ペダルも畳めるので出っ張ることがない

 

アシストフィーリングも良好

走行性能に目を向けても15.5kgという車体の軽さは有利。車体が軽ければ、バッテリーの消費を抑えることもできます。変速ギアはリアのみの7速と段数は多くありませんが、アシストがあるので多くの変速段数は必要ないと考えることもできます。

↑変速ギアはシマノ製「ターニー」グレードの7速

 

モーターは中国製でアシストは5段階に切り替えが可能。ハブモータータイプはアシストがダイレクトに効く分、漕ぎ出しで唐突に車体が押し出されるような感覚をおぼえることも多いのですが、「カーボン エイジ」はあまり唐突さを感じません。最もパワフルな5段階を選択すると、グイグイ坂を登って行けるパワフルさがあるので、パワー不足ではありませんが、よく調律されたアシストフィーリングです。

↑選択しているアシストモードはハンドル中央のディスプレイで確認できます

 

↑アシストモードの3段階目くらいまでは唐突なアシスト感はなく、よくできたアシストフィーリング

 

↑坂道も登ってみましたが、最もパワフルなアシストモードではグイグイ登坂できるパワーを感じました

 

軽量なカーボンフレームにアシスト機構を搭載し、コンパクトに折り畳みも可能と、多くの”欲しいもの”を詰め込んだ「カーボン エイジ」。車体やアシストフィーリングなどの完成度もかなりのもので、16万9800円(税込)という価格はかなりお買い得に感じるものです。リーズナブルな折り畳み自転車にありがちなヒンジ部分の不安も特に感じませんでした。今、この価格で購入できる小径の電動アシスト自転車としては、かなりコストパフォーマンスが高いモデルといえます。

 

撮影/松川 忍

 

 

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