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2022/11/26 20:30

オシャレさと力強さを兼ね備えた仏車をフィーチャー!! いま注目の“トレビアン”な4社の真実に迫る

いまフランス車の評価が高まっている。美しく、エッジの効いたデザインはもちろん、フランス人の合理主義が生み出す使い勝手の良さも魅力のひとつ。ハイブリッドやEVだって豊富に揃う。世界で最もトレビアンなクルマなのだ!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

 

アナタの知らない仏車

世界的にも評価が高まる同国車の真実に迫る!

オシャレなイメージが先行しているフランス車は、それぞれのメーカーの魅力が語られないことも多い。意外と知られていない真実を解明すべく、フランス車が大好きで、フランス車に精通するモビリティジャーナリストが解説する。

 

私が解説します!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

【その1】フランス車にはどんなメーカーがある?

RENAULT/ルノー

センスの良さが光る生活のパートナー

1898年にパリ近郊で創業したルノーは、第二次世界大戦後しばらく国営企業だった。いまもフランス政府が日産とともに筆頭株主。それもあって生活に根付いた実用車が中心だ。しかしデザインは洗練されていて、センスの良いデザイン雑貨を思わせる。F1に熱心なのも特徴。

 

PEUGEOT/プジョー

ライオンの強さと切れ味良い走り

プジョーは1889年にクルマ作りを始める前から金属製品を手掛けていた。エンブレムのライオンは強さや切れ味を表現すべく、そのころから使われている。本拠地はドイツ国境に近いアルザス地方。そのためかフレンチ風味は濃厚ではなく、切れ味良い走りがウリだ。

 

CITROEN/シトロエン

独創と快適へのこだわりはピカイチ

1919年にクルマ作りを始めたシトロエンは、欧州でいち早く大量生産を実現し、前輪駆動の量産車を送り出すなど、昔から革新的。ハイドロニューマチックに象徴される乗り心地へのこだわりも特徴で、個性的なデザインと併せて、フランス車の象徴と言われることが多い。

 

DS AUTOMOBILES/DS オートモビル

パリの先鋭と洗練が息づくプレミアム

最初はシトロエンのなかのプレミアムラインという位置づけだったが、人気の高まりによって2015年に独立。パリの先鋭と洗練、匠の技をクルマに織り込んだプレミアムブランドで、モータースポーツではブランド設立直後からフォーミュラEに参戦している。

 

【その2】個性あふれるデザインにインテリアも独創的

いわゆる「沈没船ジョーク」で、船長が日本人には「皆さんはもう飛び込みましたよ」と言うが、フランス人には「決して飛び込まないでください」と言えば逆に飛び込むといわれる。フランス車のデザインが個性的なのは、ここに理由がある。つまり人と違う発想を評価するのだ。でも結果としてのデザインは使いやすく心地良い。それを知ってさらに好きになっていく。

↑スタイリッシュなモデルが多いDS オートモビル。なかでもDS 4はオートモービル国際審査委員会主催の第37回フェスティバルにおいて、最も美しいクルマに選出された

 

↑DS 9はDS オートモビルのフラッグシップモデル。シートには最上級の一枚革を巧みな技法で仕上げた、ウォッチストラップデザインのナッパレザーが使われている

 

【その3】ミニバンではなく「MPV(マルチパーパスビークル)」と呼ぶ理由は?

ミニバンという言葉はアメリカ発祥。実際、日本はもちろんフランスでも「ミニ」ではないし「バン」でもない。なのでマルチパーパスビークルという呼び名はむしろしっくりくる。背は高いものの2列シートが多いので、多用途に使えるという部分を強調しているのかもしれない。人生は楽しむものという彼らの考え方が、クルマの呼び方にも反映されている気もする。

↑プジョーのMPVであるリフター。1.5LBlueHDiディーゼルエンジンは130PS/3750rpmの高いパフォーマンスを発揮する。大容量の荷物を積載してもパワフルな走りを実現

 

↑リフターのラゲッジルームは5人乗車時で約597L。ラゲッジトレイを外してリアシートを折りたためば、最大で約2126Lに拡大する。荷室開口部は低く、荷物も載せやすい

 

【その4】使い勝手は抜群! 最新車は操作性も向上

世界で初めてハッチバックを発表し、欧州でいち早く3列シートの乗用車を送り出すなど、フランス車は昔から使い勝手へのこだわりは強かった。フランスならではの独創性から生まれた装備も多く、プジョー、シトロエン、DSに使われているスライド式ATセレクターレバーは代表例だ。加えて最近は日本車などを研究して、運転席まわりの小物入れが充実している。

↑ルノー・ルーテシアはコンパクトハッチバックながら荷室容量は391L(E-TECH HYBRIDは300L)と十分なサイズ。後席シート背面は6:4分割可倒式で長尺物の積載も可能

 

↑プジョー・208のガソリンモデルには、指先だけでシフト操作ができるトグルタイプのオートマチックセレクターを採用。よりストレスフリーなドライビングを実現している

 

【その5】長距離ドライブ時こそわかる乗り心地の良さ

フランスはバカンスの国として知られる。夏になれば家族みんなで遠くに出かけてゆったり過ごすシーンが思い浮かぶ。だからなのか、ロングランを快適に過ごすことができる乗り心地には、並々ならぬこだわりがある。いまでもシトロエンやDSでは、シートやサスペンションに独自の技術を投入。「魔法の絨毯」と言われる移動の快感を、現代に受け継いでいる。

↑シトロエンのC4。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドを実現する

 

↑C4に備わるシトロエン独自のアドバンストコンフォートシート。表面には15mmの厚さがある特別なフォームを採用する。身体を柔らかく包み込み、ホールド性も両立している

 

【その6】燃費性能も向上してEVモデルにも積極的

フランス車は昔から小型車が多く、エンジンも小さめで経済志向だった。現在日本で販売されている量産フランス車の排気量は最大でも2Lだ。最近は電動化が進み、プジョー、シトロエン、DSでは電気自動車やプラグインハイブリッド、ルノーではフルハイブリッドが登場。経済的な車格のおかげもあって、輸入車でトップレベルの環境性能をマークしている。

↑ルノー・ルーテシアに加わったE-TECH HYBRIDは、輸入車で唯一のフルハイブリッドモデル。ハイブリッド燃料消費率は、輸入車でNo.1となる25.2km/Lを誇る

 

↑プジョーはフランス車のなかでも特にEVに積極的なメーカー。現在日本で購入できる9モデルのうち、7モデルでガソリン、ディーゼル車とともにEVをラインナップしている

 

【その7】安全運転支援技術も国産車並みのレベルに

少し前までは「安全性」がフランス車のウィークポイントだったが、いまは多くのモデルがアダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、360度カメラなどを標準装備。国産車と比較検討できるレベルになった。それ以前から備えていた高水準の直進安定性や乗り心地などを含めて考えれば、長距離を安全快適に乗れるクルマへアップデートされたと言えるだろう。

↑最近のプジョー車で採用されているのが「3D i-Cockpit」。ドライブ中の情報を3Dで表示する3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルは、表示形式のカスタマイズも可能

 

↑ルノーは日産、三菱とのアライアンスを生かした先進装備が特徴。360度カメラのほか、駐車可能なスペースを検出して自動でステアリングを操作するパーキングアシストも搭載

 

 

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