ファッション
2017/10/9 11:00

【意外な落とし穴に注意!】保管方法で大きく差がつく時計の寿命

時計を複数本コレクションしている、または仕事用、遊び用の2本を使い分けているという方は、時計を“使用しない期間”どのように保管をしていますか? デイリーケアは適度に行っていても、保管や収納については知らないという方も意外と多いはず。正しい方法で保管しておけば、次に使用するときにも問題なく身に着けられるので、ぜひ覚えておきましょう。

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“磁気”や“湿気”、必要以上に神経質になるべからず!

時計の保管場所に関して、湿気や磁気に不安を覚える方も多いでしょう。でも、さほど神経質になる必要はないので安心を。確かに湿気は時計の大敵ですが、浴室やキッチンなど大量に湿気が発生する場所はともかく「人間が普通に、快適に生活できている」場所なら特に問題はありません。磁気に関しても同様で、一般的な家電品なら5cm距離をおけば気にならないほど微細なもの。ただ、「スピーカーの上に時計を置く」「鞄の中にスマホと重ねて入れる」などの密着シーンは、磁気帯びを招き危険なので要注意!

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化粧品や薬品類のある引き出しなどへは収納しないで!

時計を引き出しやロッカーの中などに入れる際は、シンナーや接着剤、化粧品類など揮発性の薬品と一緒にしないよう気を付けましょう。特に貴金属系のモデルや、マザー・オブ・パールなど天然素材を用いた文字盤などは、揮発性物質と化学反応を起こして変色や退色してしまう危険性が大。一度変色してしまうと、化学反応なので修復は不可能です。文字盤やケースごと交換となるので十分に用心を。

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湿気や汚れ残りはケースにしまう前にケアを

時計を長期間、保管する際には本体やブレス、革ベルトに残った水気や汚れをしっかり落としておくことが何より重要。保管ケース内は密閉性があるので、湿気が残っていれば排出が困難です。サビやカビが発生したり、汚れから黴菌が繁殖して肌のトラブルを招くこともあるので要注意。乾いたクロスで汚れなどを拭いたら、日陰の風通しの良い場所で半日以上は自然乾燥を。ブレスのコマ間やリューズの根元など、水気や汚れが残りやすい場所は、綿棒などで丁寧に拭っておくようにしましょう。

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ケースは表・裏・側面など順番を決めて丁寧に乾拭きを。リューズ周りなどには綿棒を使うと便利です。ブレスは表&裏面とも乾拭き。コマの間に汚れがある場合はブラッシングした後、半日ほど乾燥を。ベルトは表&裏をケア。革製品は内部に湿気が残りやすいので、乾燥はしっかりと念入りに行いましょう。

 

3か月以上時計を全く動かさないのは悪影響のもと

機械式時計は長期間使わずに放っておくと、内部の機械油が固まって劣化。精度や寿命に悪影響を与えるので、3か月に一度程度はゼンマイをフルに巻いて駆動させておく、というのも保管時に覚えておきたい大事なポイントです。ゼンマイをフルに巻いておけば、輪列機構や日付け機構など大部分の部品が動き、機械油も適度に循環。クロノグラフや回転ベゼルなど、駆動する特殊機構がある時計は、ついでにそれらを動かしておくことも忘れずに。

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リューズはもちろん、ベゼルやプッシュボタンなど、駆動する箇所はそれらを動かして油を循環。作動性に「重い」「硬い」など問題がないかも念のためにチェックしておきましょう。

 

時計も“生き物”なので間違った方法を実践していると、大きなダメージを与えるだけでなく寿命をも縮めることになってしまいます。ちゃんと手をかけてあげれば結果は現れてくるので、これまで実践したことがなかった方も保管や収納について少し意識してみてください。