ファッション
2016/4/7 16:53

世界で最も複雑な懐中時計から生まれた 1点ものの超絶時計を速攻チェック!

スイス時計界の老舗ヴァシュロン・コンスタンタンは、1月にジュネーブで新作を発表したばかりですが、その時点で秘密にされていた新作の情報が公開されました。開発のベースになったのは、創業260周年を迎えた2015年の9月17日に世界最多となる57もの複雑機構を備えた特注品「リファレンス 57260」。このスーパーウオッチを製作した3人の時計師が再び結集し、今度は2つの独創的な複雑機構を搭載するユニークピースを作り上げてしまったのです。こっ、行動が早すぎる……。

 

伝統技術を駆使しながらデザインは驚くほどモダン

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最新作「メートル・キャビノティエ・レトログラード・アーミラリ・トゥールビヨン」は、「リファレンス 57260」に搭載されている57の機構から2つの複雑機構を腕時計サイズで実装したモデルになります。2つの機構のうちひとつは、「アーミラリ天球儀トゥールビヨン」と呼ばれるもので、球体ひげゼンマイを収めたケージが2軸で回転する立体トゥールビヨンとなります。18世紀のフランスの時計師アンティード・ジャンヴィエが製作した天文時計に組み込まれている天球儀を模して設計されたことから「アーミラリ天球儀」という名が付けられています。もうひとつの機構は「ダブル・レトログラード」。これは、文字盤のリューズ側にある扇型ダイアルを示す時間と分の2本の針が、それぞれ終点に達したときに始点へと瞬時に戻る(=フライバック)仕組みになっています。

 

球形トゥールビヨンの造形を際立たせる文字盤

 

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このタイムピースには、4つの特許技術が組み込まれていますが、そのうち3つが時計の精度に深く関わる脱進機に関連したものです。ガンギ車とアンクルはシリコン製で、爪石にはダイヤモンドをセット。耐久性と軽量性を兼ね備えた脱進機は、空気や摩擦の抵抗を低減しながらゼンマイのトルクをフル活用できるため、スイス公式クロノメーター検査機関(COSC)の要求基準を上回る精度が維持できます。

 

サイドビューからも複雑機構の動きが鑑賞可能

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時計王国スイスの中でも、とくにジュネーブ州は独自の品質基準を設けるほど時計製造が盛んに行われています。その品質規格は、時計の審美性にまで言及されていて、ムーブメントと外装の各パーツの面取りや仕上げについても細かな規格があります。「メートル・キャビノティエ・レトログラード・アーミラリ・トゥールビヨン」が搭載する自社開発・製造の手巻きCal.1990は299個の微細なパーツが結集していますが、そのすべてに徹底した仕上げが施されているため、ジュネーブ州が定める「ジュネーブ・シール」の刻印が許されています。ケースは18Kホワイトゴールド製で、サイズは直径で45.7mm、厚さは20.06mm。

 

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1点もののため、日本入荷・価格ともに未定ですが、いつか目にできる機会を作って欲しいと願ってやみません。