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2018/4/5 19:15

Uberと同じくらい改革的! アメリカ人の心を捉えた買い物代行アプリ「Instacart」

仕事で忙しいときや体調が悪くなったときに、誰かに買い物を頼みたくなることがありますよね。休日を家でゆっくり過ごしたいときは外に出掛けるのも億劫。でも、スーパーに行かないと今夜食べる物がないというジレンマに陥ることがあります。

 

そこで便利なのが、米サンフランシスコで急成長を遂げる話題の「Instacart (インスタカート)」です。

 

インスタカートは、アメリカで人気急上昇中のオンデマンド型買物代行サービスです。ユーザーはスマホ上で同サービスに登録されている小売店から好きなものを好きなときに注文。すると、あなたの好きな時間に品物が届きます。

 

驚くべきは配達時間の速さ。荷物は最短1~2時間という早さで手元に全部届くのです。時間の節約になるのは確実。

 

インスタカートは、生鮮食品の即時配達からはじまり、いまではホールフーズ(オーガニックで有名な高級スーパー)、コストコ、セーフウェイ(割と一般的なスーパーマーケット)、ペットショップ、酒屋チェーンのBevmo、ドラッグストアチェーンのCVS、おしゃれな料理器具を扱うSur La Tableなど計135もの小売店と提携しています。シリコンバレーの投資家たちの間でも何かと話題の企業です。

 

年間利用料149ドルのエクスプレスメンバーになると、1回35ドル以上の買物であれば、最短1時間以内の即時配達が無料になります。日時指定も1時間単位で設定可能。シリコンバレーではもう当たり前のクラウドソーシングを利用し、ショッパー(実際に店舗で買物代行する人)が買ったものを、別の配達人が届けてくれるというモデルです。店舗側にもインスタカート専用のレジ列や保管ロッカーがあったりします。

 

お目当ての商品がない場合には注文の変更や返金もできます。代行人が買物をはじめると合図がきて、電話やチャットでリアルタイムにコミュニケーションできるので安心。代行人はちゃんと顔がみえるので、まさにテクノロジー時代の御用聞き「三河屋さん」といったところでしょうか。さらに、定期的に利用しているとAIのおかげか、必需品の一覧やおすすめ商品、クーポン、代替品なども表示されます。

インスタカートは、アメリカ人にとってUber(オンデマンド配車サービス)と同じくらい革命的でした。日本では国土も狭いので郵便局も配達網も十分に発達し、十分なサービスを受けられます。しかし、アメリカはともかく大きて広いので「配達は遅い。遅れる。時間指定なんて夢のまた夢!」というのが現実(Amazonですら翌日配送が限界で、数日遅延もざらにあります)。アメリカ人もそれに慣れていたわけです。しかし、それがスマホやクラウドソーシング、シェアリングエコノミーで変わり、「今すぐ、ここにほしい」が実現されたわけです。ちなみに、インスタカートの創業者はAmazon出身とのこと。

 

また、アメリカは売っている商品も店舗も大き過ぎます。牛乳1本にしても4リットルという量(重いです)。売り場は一般的に東京ドームの半分くらいあり、レジでも延々と並びます。この不便な買い物を誰かが代わりにやってくれたら……というニーズに答えているのがインスタカートなのです。また、ほとんどのお店が店頭で買うのと同じ価格を設定していることも、このインスタカートの良い所といえるでしょう。