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2018/7/29 20:00

大昔は1日18時間しかなかった!! 「1日の時間」は長くなっていることが判明

14億年も前のはるか昔は、1日が24時間ではなく、たった18日時間だったという衝撃的なニュースが2018年6月、報道されました。米国科学アカデミーが発行する「Proceedings of the National Academy of Sciences」で、この最新の研究結果が発表されたのです。

 

3.82センチ、月は地球から離れている

米ウィスコンシン大学マディソン校の地球科学を専門とする教授たちの発表によると、地球と月の距離が少しずつ長くなっており、それに伴って地球の自転速度も遅くなっているというのです。この現象に関係しているのが、月が地球を引っ張る「潮汐力」。地球は月の引力の影響を受けていて、月の位置によって満潮と干潮が起こります。その「潮汐力」によって、1年に3.82センチのペースで、月は地球から離れていっていると導かれたのです。

 

このペースから算出すると、現在は約38万キロメートルある地球から月までの距離が、14億年前には34万900キロメートルしかなかったそう。さらに地球の自転スピードも今より速くなるため、1日は18.68時間だったと発表されたわけなんです。

 

地球が公転する軌道や地軸の傾きは変化する

今回の研究で、研究者たちが用いたのが、「ミランコビッチサイクル」というもの。地球の公転の軌道や地軸の傾きが変化することで、周期的に日射量が変動することがわかっています。そして、氷河時代の中でも特に寒冷な「氷期」と、比較的温暖な「間氷期」が一定の期間で訪れることを「ミランコビッチサイクル」と呼んでいます。

 

ミランコビッチサイクルで地球の気候が変化していたことは、岩や地表などの地質記録からもわかるため、今回の研究者たちは14億年前にできた中国の地層などから銅、アルミニウム含有量を解析しました。地質学的な研究とミランコビッチサイクルを組み合わせることで、日射量などの当時の気候状況を導きだし、今回の結論に辿り着いたのです。

一日の長さも微妙に変わる!?

そもそも「1日」の長さは、かつて、地球の公転と自転をベースに決められました。太陽が真南に位置する時刻から、次に太陽が真南にのぼるまでの平均時間を、24時間として定義されたのです。しかし現在は、時間を測定する技術が進歩して、セシウム原子の振動数を基準にした「原子時計」が誕生。1秒の長さがとても高精度になり、世界の標準時計などに使われています。

 

その結果、地球の自転は一定ではなく、遅くなったり速くなったりわずかなズレが生じていることが判明。そこで、原子時計にもとづいた時刻と天文時でズレが0.9秒以内になるように、必要に応じて1秒単位の「うるう秒」を挿入して補正されているんです。

 

1972年から2017年までの46年間で、うるう秒が挿入されたのは27回。直近では、2017年1月1日の午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に、「8時59分60秒」が設けられて、1秒分追加されています。

まだまだ未知のことが多い、はるかかなたの宇宙や地球のこと。人間のテクノロジーや頭脳によって、人類すら存在しなかった太古の宇宙についても、少しずつ解明されていくなんて、ロマンを感じずにはいられないですね。