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2019/5/10 21:00

米ウォルマートが、続々と、様々な「ロボット」を導入。実際、雇用や働き方はどう変わる?

「単純作業は将来、ロボットによって行われるようになるだろう」という予想はずいぶんと前から語られてきました。ここ数年で「ロボットの発展で人間から奪われるかもしれない職業」なんて記事がインターネット上でも頻繁に見られるようになりましたが、それでも日常生活でそれを実感するにはまだまだ時間がかかるだろうと思っていたら、先日、米大手スーパーのウォルマートが新しいロボット導入を発表。多くの人たちを不安にさせています。

↑ウォルマートが導入しているロボットたち

 

全米で4600店舗ほどを抱えるウォルマートが、そのうちの1500店舗に導入すると発表したのが、全自動で店舗のフロアーを掃除するロボットです。

 

人が乗るための座席とハンドルもついていますが、人がいなくても自律走行ができるようになっています。ウォルマートによると、これまでは毎日店舗あたり1人のスタッフが2〜3時間床掃除に費やしていたとのこと。その仕事が1500店舗で大幅に短縮、もしくは必要なくなるわけです。

それだけではありません。ウォルマートが2017年から試していた自動で棚の在庫管理をするスキャナーロボットも、300店舗で本格運用を開始するようです。

棚の商品の不足をチェックする店員さんの姿はスーパーマーケットでお馴染みの光景ですが、それもそのうちに見なくなるかもしれません。また、店舗で商品を積み下ろす際に、自動で商品を仕分けながら運んでくれるベルトコンベヤーロボットも600店舗に配置されるそうです。

 

これらのロボットの導入で作業の効率化はもちろん、作業に必要な人の数が減らせることは確実。ウォルマートにとっては非常に大きな人件費削減につながるでしょう。

 

このニュースはすでに大きな反響を呼んでおり、「ロボットが仕事を奪っていく」「ロボットで雇用を減らす企業はロボット税を払うべき」といった懸念の声が上がっています。地元メディアも「ロボットと雇用。ウォルマートの立ち位置はどこか(Forbes)」「床掃除や在庫スキャンといった業務を人間の代わりにロボットウォルマート(The Verge)」とロボットが雇用に与える影響に注目。

 

実店舗でロボットが大々的に働くのはまだ珍しいですが、Amazonを始めとする大手企業の倉庫や工場にはロボットが多く導入されていることはよく知られています。アメリカで大統領選挙に立候補している一人、Andrew Yang氏は「自動化・AIによって生じる失業への対策」を彼の政策ポイントの一つに挙げています(いわゆるユニバーサル・ベーシック・インカム)。ロボットによる失業問題はじわじわと現実味を帯びてきているわけです。

ウォルマートはオンラインでの注文を店舗でピックアップしたり、店舗から配達したりといった業務が拡大しているため、従業員数はむしろ増えていると言います。ロボットの導入によって節約された従業員の時間はカスタマーサービスなどに費やされるとのこと。

オンライン注文と実店舗の両方を拡大していく動きはウォルマートだけでなく、AmazonやTargetなどライバルの小売業者も取り組んでいます。実店舗や倉庫でのロボット導入で効率化される一方、オンライン業務は新しいスタッフを必要とする。このような現象はしばらく続きそうです。職場でロボットと共存していくにはどうすればいいか、私たちも考えたいですね。

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