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2020/1/5 21:00

プロが選んだ2019年の「ベスト・クラファン」は? テクノロジーが五感を拡張する時代の最新プロダクト

2019年も数多くのプロダクトがクラウドファンディングで生まれました。毎年、限りなく新しいアイデアが考案される睡眠グッズに加えて、今年はアウトドアグッズやポータブルモニター、取り付け式キーボードといった既存のデバイスを拡張するハードウェアも紹介しました。しかし、そんななかで特に注目度を増しているのが、VRやARを使ってユーザーの「五感を拡張させる」というアイテム。そこで本稿では、2019年に紹介したユーザーの感覚を拡張する3つのデバイスを振り返ってみます。

 

1: VRに嗅覚と触覚をプラス! 「Feelreal」

VR元年はとっくに昔のこと。もはや自宅でVRゲームをプレーすることが珍しくなくなりました。今後はコンソール(スマートフォン含む)の性能が上がることで、よりリアルなゲームが実現するのかなと多くの人が想像していたところに登場し、ユーザーたちの関心をかっさらったのがVR用のマスク「Feelreal」でした。自宅用VRヘッドセットの底部に取り付けることで顔を覆い、熱や匂い、風邪、振動、水のミストを顔に向かって放つことで、映像だけでなく嗅覚と触覚までVRの世界に連れ込んでくれるプロダクトです。

 

実際にプロトタイプを試した人は「松の木、バラの花、チョコレート、コーヒーの匂いを感じた。水に濡れたし、風を感じたし、温かさも感じた」と証言。2019年8月の発送には間に合わず、いまはプロダクトは完成しているものの、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認プロセスで待ったがかかってしまい、発送はFDAとのやり取りが完了してからとのこと。

 

【詳しく読む】VRに嗅覚を。よりリアルに近づく「VRマスク」がクラウドで大注目

 

2: まるで本当のフェス! 「Woojer Edge」

予想外のジャンルでも「感覚拡張機能」が追加されています。こちらは音楽に合わせた振動を身体に伝えてくれるプロダクト「Woojer Edge」。音楽やゲームの音響に合わせて体幹に響く振動を生み出してくれる本製品は「試してみて初めてその楽しさに気づく」というプロダクトです。確かに現在では一般的となったゲーム機のコントローラーの振動機能も、登場したばかりのころは多くの人が感動しましたよね。それが身体の中心に響くとなると……。想像しただけでワクワクします。

 

Woojer Edgeが人気を集めているもう1つの理由は、第二世代プロダクトである点。日本でもかなり定着したクラウドファンディングですが、既にクラウドファンディング出身でありながら、第二世代、第三世代のプロダクトが出される時代になっているんですね。ひとつ前のプロダクトでちゃんと完成・発送をしていれば、新プロダクトでもユーザーたちからの信頼を得やすく、それが良いサイクルを生むということが起きています。

 

しかし残念ながらWoojer Edgeは2019年12月に発送予定というスケジュールに間に合わず、コメント欄では「クリスマスプレゼントとして買ったのに」という怒りの声と「ウォルマートで買い物してるんじゃないんだ(リスクは承知だろうという意味)」という擁護派の間でケンカも発生。今後どれだけのスピードで発送が完了し、製品の完成度がどれだけ高いかが見物です。

 

【詳しく読む】まるで本当のフェス!! ストラップ式「振動デバイス」が音体験をディープに変える

 

3: どこでもARで大型スクリーン! 「DreamGlass Air」

ARを使ってまるでSF映画のようなユーザー体験を約束していたのが「DreamGlass Air」です。視界上部にデバイスを装着することで、目の前に100インチ(2.5K解像度、画角90度)のARディスプレイを生み出すという驚きのプロダクト。目の前にスクリーンが広がり、顔の動きに合わせて動くところが少しマトリックスを思わせます。HDMIやUSBでの接続だけでなくワイヤレス接続にも対応しているため、ベッドやソファに寝転んで好きな体勢で好きな映像を楽しむことが可能。

 

Kickstarterでは実際にプロトタイプを使用したユーザーの「これまで試したARプロダクトの多くと比べても、コントラストははるかに良かった」「スクリーンのサイズが素晴らしい」というコメントもあり、1億円以上の開発資金を集めました。最新のアップデートでは工場でのレンズ大量製造の映像をアップロードしています。当初の発送予定は2019年12月から遅れてはいるものの、製造は進んでいるようです。

 

【詳しく読む】ポータブルモニター革命! 目の前に広がる「プライベートARスクリーン」の没入感が半端ない!!

 

このようなアイデアは、数年前であれば「どうせ実現しないクラウドファンディングだろう」と一蹴されていましたが、現在では多くの人たちがお金を投じてるまでに発展しました。その背景には、やはりVRやスマートフォンの性能の急速な向上があるでしょう。既存のデバイスに取り付けることでユーザー体験を拡大するプロダクトは2020年もたくさん登場しそうな気がします。