ワールド
2020/1/21 18:30

絵に描いた餅? クラファンで人気先行の「MRスマートグラス」の期待と不安

スマートフォンの性能は驚異的なレベルに達しましたが、それを活用したVRやAR、ゲームも身近になりつつあります。例えば、昨年紹介した「DreamGlass Air(DGA)」は、透明なレンズを通してユーザーの目の前に100インチの巨大スクリーンを浮かび上がらせるというものでした。まるでマトリックスの世界のように目の前にスクリーンを登場させてくれるデバイスだと紹介しましたが、それよりもさらにSFの世界に近づいたプロダクトがクラウドファンディングで人気を集めています。

 

それが「MAD Gaze GLOW」。サングラスのようなデバイスを装着し、USB-CケーブルでAndroidフォンとつなげることで、目の前に90インチ(解像度720p)の巨大スクリーンを見せてくれるというものです(iPhone用のコンバーターは開発中とのこと)。

↑MAD Gaze GLOW

 

DGAとの大きな違いはデザインでしょう。DGAと比べるとデバイスは薄く、スッキリしています。視界全体をグラスが覆っており、かなり通常のサングラスのデザインに近づけていますね。

 

また、使う場所を選びそうなDGAと異なり、MAD Gaze GLOWは地下鉄や公共の場で「人に見られる」ことを意識したスタイリッシュな装いになっています。また、GLOWは2D映画に加えて3Dコンテンツにも対応しており、この点ではかなりVRに近いですね。

 

そしてDGAより先に進んでいると感じさせられる点は、デバイスが手の動きをトラッキングすることで、「SLAM(自分の位置の推定と地図の作成を同時に行うこと)」と「ハンドジェスチャー」で操作ができることです。そのため、自分の視界のなかに投影されたゲームを、実際に手を動かしてコントロールすることができるんですね。

↑ハンドジェスチャーで操作することができるMad Gaze GLOW

 

バッテリーは内蔵しておらず、接続したAndroidフォンから電力を供給するとのこと。通常のスマホだと5時間の継続使用ができるそうです。バッテリーが内蔵されていないからこの薄さと軽さ(75g)が実現しているのでしょう。なお、本製品は折りたたんで、ポケットにしまうこともできます。

 

Indiegogoでは、ゲームプレイ用のジョイスティックがセットになった「ゲーマーパック」が約4万4400円、ポータブルなキーボードがセットになった「ワーカホリックパック」が約4万7000円という価格になっています(1月15日時点)。

 

しかし、問題はこの製品が本当に実現するのかということ。昨年行われたKickstarterのコメント欄ではバッカー向けに配送先の住所を既に集めており、12月中旬には最初のグループへの配送が開始される、と発表されています。しかしそれ以降のアップデートはなく、まだ商品が届いていないバッカーたちから質問が書き込まれています。CGを使ったプロモ動画の使用デモと実際のグラスを通したデモ動画にも大きく画質の差が見られるのも懸念点。

開発者には期待通りの製品を作ってもらいたいですが、絵に描いた餅にならないことを祈るばかりです……。