雑貨・日用品
2022/12/29 20:30

「ねぶた+灯りの新発想。青森ねぶた祭優秀制作者賞で自宅を静かに照らす優越感

東北四大祭りのひとつである「青森ねぶた祭」。青森市内を舞台に毎年8月2日から7日にかけて行われる夏祭りは、夜空を照らす巨大な人形灯籠が登場して観客を魅了する。今回紹介するのは、実際にねぶた祭りで使用された灯籠の一部を使用したランプであり、東北の夏を熱狂させた余韻が漂う美しき逸品だ。

 

唯一無二のデザインは優秀制作者賞「毘沙門天と吉祥天」を使用

国の重要無形民俗文化財として指定される「青森ねぶた祭」は巨大な人形灯籠が青森市内を練り歩き、跳人(ハネト)と呼ばれる踊り手によって盛り上がる東北屈指のお祭りだ。伝統衣装である花笠と浴衣、草履を身に付ければ誰でも参加することができ、跳人が発する「ラッセラー」の掛け声がお祭りを盛り上げる。開催期間中には国内外から約300万人を集める東北地方最大級のイベントとして知られるものの、ここ数年はコロナの影響もあり中止が続いていた。しかし、2022年には「withコロナ」を掲げ、3年振りに開催された。青森の夜空を照らす人形灯籠は最大で幅約9m、高さ約5mを越える巨大さと美しさを競い合い、祭りの終了後には審査によって「ねぶた大賞」の栄誉が贈られる。

 

今回紹介するアイテムは、2022年の青森ねぶた祭で栄誉ある優秀制作者賞を受賞した「毘沙門天と吉祥天」の一部をリサイクルしたランプ「蕾‐Tsubomi。青森の夜空を照らしたねぶたの余韻を漂わせる当該ランプの制作は、ねぶた師として活躍する北村春一氏によるもので、限定120個という希少な作品だ。

↑「青森ねぶた祭」で披露された本物のねぶたの一部を再利用して作られた「蕾‐Tsubomi

 

この作品を作るきっかけとなったのは環境問題へのアプローチなのだという。一年の歳月を掛けて製作した巨大灯籠が祭りの翌日には廃棄されてしまうため、少しでも環境問題を解決しようと発想から誕生したそうだ。北村氏は「この作品は『青森ねぶた祭り』や『ねぶた』という文化、ならびに製作に携わる私たちの活動認知度の向上を目指しながら未来のねぶた祭りを守るための第一歩でもあるのです」と語っている。

↑2022年「青森ねぶた祭」優秀制作者賞を受賞した「毘沙門天と吉祥天」

 

↑「毘沙門天と吉祥天」を制作した、ねぶた師・北村春一氏

 

目の前に置かれた「蕾‐Tsubomi」は、その名の通り開花を待つ蕾を思わせるデザインが秀逸だ。その姿は未来への希望であり、これから華を咲かせようという将来への夢を感じさせる。

 

さらに、ねぶた祭で披露する巨大灯篭(大型ねぶた)の制作時に用いる針金を使用し、シェード部分には青森ひばを練り込んだ和紙と大型ねぶたの一部を組み合わせているというこわだりもある。実は、この作品の話を聞いた時には観光地で売られているお土産的な「小さなねぶた」をイメージしたのだが、実物を見てその考えは一変した。和紙の質感が漂う小さな蕾は凛としながらもお祭りの熱狂を伝える強さがあり、シンプルなデザインは和室、洋室を問うことなくマッチする美しさを纏っていた。灯した時の余韻も、熱く燃えた東北の夜を連想させてくれる。

↑青森ひばが練り込まれた白い和紙

 

紹介するランプには、「毘沙門天と吉祥天」から切り出された青、緑、蒼、橙、黒のストライプを持つデザインが与えられていたが、実際にねぶた祭りで使われた灯籠から切り出されたパーツだけに同じものは二つと存在しない。この唯一無二の表情が作品としての価値を高めているのは間違いないといえよう。サイズは全高が約180㎜、全幅、奥行きが共に約150㎜とコンパクトに設計されており、作品の背面には製作者である北村春一氏の落款が押されている。

↑北村春一氏の落款

 

↑電源はUSB(Type-A)での給電方式となっているので、パソコンやポータブル電源に接続してベランダやバルコニーでのひと時に使用することも可能だ

 

深くあたたかな灯が、心のONとOFFを切り替えてくれる

ここ数年、コロナの影響を受けて自宅でのリモートワークが増えている人も多いことだろう。最初は “通勤しなくてすむ” と浮かれていたが、この状態が長く続くにつれ仕事と生活が同居する生活ではONとOFFの切り替えが付けられずにストレスが溜まっている人が増えていると思う。この原稿を書いているボクもそのひとりであり、色々と試した結果、遂に “仕事” と “プライベート” に区切りを着ける方法を編み出した。その方法とはスイッチの切り替えである。切り替え…と言っても精神的なものではなく、本当にスイッチを切り替えると言う作業である。仕事では明るさを重視した蛍光灯色のシーリングライトを使用しているのだが、仕事が終わると同時に室内の電気を消し、小さな間接照明のランプを灯す。明るさと光色が変わった瞬間、仕事モードからプライベートへとスイッチを切り替えることができ、心穏やかに過ごせるようになったのである。

↑素材にもこだわった「蕾‐Tsubomi」の灯りが心までを柔らかく照らしてくれる

 

蕾‐Tsubomi」を灯した瞬間、和紙を通した柔らかな光が心までを照らしてくれた。日本ならではの美意識である “侘び寂び“ と本物の “ねぶた” ならではの濃厚な物語を思わせる雰囲気が琴線を刺激する。静かな部屋を照らすこの優しい灯りを見つめていると、青森の夜空を照らす巨大な人形灯籠の勇姿と威勢の良い跳人の掛け声が聞こえてくるようだ。

 

ねぶたランプ「蕾‐Tsubomi」はねぶたファンだけではなく、たんなる照明に収まらない生活の質を向上してくれるようなサイドランプを探している人にもぜひおすすめしたい。ちなみにこの作品は、テレビ東京の公式クラウドファンディングサイト「ナナ福神でも取り上げられており、支援という形で購入することができる。価格は、1万7000円と少々高価ではあるが、手に入れた人だけが堪能できる唯一無二の灯りには、その価値があると思えた。灯りの動き、流線形にもこだわりがあるという「蕾‐Tsubomi」で、心穏やかなひと時をぜひ過ごしてみてはいかがだろうか。

 

【関連リンク】「青森ねぶた祭」で運行されたねぶたを使用! 唯一無二のねぶたランプ『蕾-Tsubomi-』