GetNavi x AQUOSココロビジョンプレーヤー x SHARP

液晶テレビ「AQUOS」と接続して使う 家族の一員

“テレビがつまらない”を解決する「魔法の箱」

SHARP クラウドサービス推進センター 稲本 憲 さん (左) / SHARP クラウドサービス推進センター 堀井 美穂 さん (右)

シャープの製品はよく喋る。冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコン、ロボット掃除機——そんな喋る製品に新しくネットプレーヤーが加わった。本記事では、GetNavi編集長・野村純也がシャープ開発陣とのディスカッションを通じて、同機の魅力を解説。特に、サービス面にまで踏み込んだ新しい挑戦は見どころ満載だ。

ココロビジョンプレーヤーとは?

液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」に接続し、人が近づくと自動で起動、人工知能が見逃し配信などを声で教えてくれたり、多彩なアプリを追加してVODコンテンツを楽しめたりするネットプレーヤー。シャープ独自のVOD配信サービス「ココロビデオ」にも対応し、人工知能が学習したテレビの視聴傾向から、ユーザーが好みそうな見逃し配信や新作映画を教えてくれる。

野村 本日は「アクオス ココロビジョンプレーヤー」のお話をしにきたのですが、その前段として、そもそもシャープさんの家電って、喋る製品多いですよね?

堀井 そうですね。弊社では、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)を組み合わせたAIoT(モノの人工知能化)を進めています。家族とともに暮らす家電だからこそ、「人に寄り添う」存在でありたいという意図からです。

野村 なるほど。冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコンなど様々な製品が喋りますよね。家電の新しい分野を切り拓いている存在という印象です。あ、“関西弁で喋るロボット掃除機”というのもありましたね。今回の「アクオス ココロビジョンプレーヤー」は、この「ココロプロジェクト」の最新作として登場した画期的なネットプレーヤーということでよろしいでしょうか?

稲本 堀井 そうです。

「ココロビジョン」と
「ココロビデオサービス」、2つのココロが柱

野村 さて、本題となる「アクオス ココロビジョンプレーヤー」ですが、これはアクオスとつないで使う製品と聞きました。なんでもオススメの番組を「声」でお知らせしてくれるとか。

堀井 はい。「アクオス ココロビジョンプレーヤー」は“人感センサー×クラウド”で最適なコンテンツを家族にオススメしてくれるネットプレーヤーです。本体にセンサーを搭載しており、感知すると接続したテレビを点灯、使われないと消灯してくれます。そして、ユーザーが利用規約に同意いただくことが前提ですが、インターネットにつながったアクオスの視聴ログから解析し、その人に合う番組を教えてくれるという仕組みを持ち、これを「ココロビジョン」と呼んでいます。

野村 それはスゴイ! 個人個人を認識しているんですか?

堀井 個人は認識していません。というのも、ユーザー個人を認識しなくても、ログを見るだけでそのご家庭の視聴スタイルというものがわかってくるんですよ。

野村 わざわざ余計な機能を付ける必要はないということですね。それにしてもUIが明快でわかりやすいですね。

堀井 テレビを見るきっかけを与えるというのがコンセプトになりますので、あまり難しいことはせずにシンプルさ重視ですね。

ココロビジョンのトップ画面。利用規約に同意したユーザーの視聴ログから、シャープ独自のアルゴリズムで解析されたオススメ番組が4つ並ぶ。テレビ番組だけでなく、提携する動画配信サービスからも教えてくれる。オススメする際には、音声でコンテンツを紹介してくれる新しさも魅力。時刻や天気も表示される。

野村 4つ並んでいるぐらいがゴチャゴチャせず明快で好印象です。そして、ここから現在放送中や未来のテレビ番組、インターネットで動画配信するVODサービスを見られると。ただ、このあたりは所謂、テレビ単体でも利用できるものもありますよね。先日発表会に参加して、個人的に興味を持ったのが、「ココロビジョン」のほかに、「ココロビデオサービス」というものもあって、この2つが柱になっている点。そのあたり、初めての方には混同しそうなので改めてご説明願えますか?

稲本 はい。「ココロビジョン」というのは堀井が言ったような、人工知能や人感センサーによるコンテンツ提案やコミュニケーション機能を実現した新しい機能です。一方で、「ココロビデオサービス」はいわゆるVODサービスですね。ですが、単なるVODではありません。コンテンツ面ではビデオマーケット社と協業し13万本以上のコンテンツを配信しています。レコメンド機能は「ココロビジョン」のログデータを使って、その人に最も合った番組をお知らせすることができます。

野村 ココロビジョンプレーヤーというハードがあって、ココロビジョンという専用UIがあり、ココロビデオサービスという専用VODサービスがあるということですね。

ココロビデオサービスの全体トップ画面。ココロビジョンのキーカラーであるピンクが特徴的だ。UIのカラーリングもカラフルで見ているだけで楽しい感じが伝わってくる。
ココロビジョンが提携する動画サービス・VODサービス一覧

テレビハード屋がサービスまでやる理由

野村 いまのココロビデオサービスについてより深く聞かせてください。サービス面にまでシャープさんがかなり踏み込んでいる印象ですが、そのあたりはどういった意図があるのでしょうか?

稲本 いままで弊社のサービス提供は「AQUOS City」など一部だけでした。ですが、今回このココロビジョンで様々なテレビ番組をレコメンドしますし、時代の流れを考えるとVOD系コンテンツもオススメしていきたい、という考えがありました。だからサービス面に本格的に取り組む必要があったんです。そんなとき、ビデオマーケット社からサービスを一緒にやりませんかというお誘いがありまして、協業という形で進めております。

堀井 日本ドラマの配信にも力を入れていまして、テレビとの相性がすごくいいんです。

野村 コンテンツのデータ自体はビデオマーケット社が持っていて、それをどのようにレコメンドしていくかは、御社のほうでチューニングされているんですか?

稲本 ビデオマーケット社のメタデータと、ココロビジョンのログデータを組み合わせて最適化したレコメンドをしています。いま堀井が言ったように、新作映画やテレビドラマ、家族で楽しめるアニメなどがコンテンツ面での強みです。「99.9」のようなランキング1位の作品も扱うなど、コンテンツの幅広さとスピード感もウリですね。

コンシューマーエレクトロニクスカンパニー
クラウドサービス推進センター サービス事業企画部
稲本 憲 さん (左)

ザウルスやメビウスなど情報機器の商品企画を経て、ネット系サービスを担当。ここ10年はアクオス向けのポータルサイト「AQUOS City」を制作。シャープ内でサービス系を構築してきた。

コンシューマーエレクトロニクスカンパニー
クラウドサービス推進センター イノベーション企画部
堀井 美穂 さん (右)

テレビのグローバルな商品企画を経て、近年はマーケットデータの分析を担当。ココロビジョンの発案者の一人であり、次世代のテレビのありかたを構築している。

野村 そのへんのコンテンツは万全ということですね。VODサービスだとレコメンドのアルゴリズムが重要になると思うのですが、そのあたりのノウハウはいかがですか?

稲本 もともと弊社では電子書籍端末「ガラパゴス」のストアでレコメンド技術の蓄積がありますので、そちらをベースに改善を加えており、最適なものをお届けできると考えています。

野村 AQUOS Cityにガラパゴスストアと、シャープの技術が結集しているわけですね。ところで近年、テレビの接触率が下がっていますが、やはり御社としては、「やはりリビングの中心はテレビ」とお考えなのでしょうか?

稲本 テレビを見ていただかないと我々の商売が成り立ちませんので(笑)。あくまでテレビを見ていただくというコンセプトが元になっています。

堀井 「なぜテレビを見なくなったのか?」というアンケートをとってみると、「テレビがつまらない」という人が多い。しかし、実際はテレビがつまらないんじゃなくて、「探すのが大変」ではないかという結論に至りました。そして、それはデバイスとしてのテレビ屋さんが、ユーザーが望むコンテンツを見つけられるような導線を用意できていないからなのではないかと。逆に、数多くのコンテンツから見たいものを見つけることができる機能を搭載したテレビにすれば、「やっぱりテレビは楽しい、やはりテレビは家に必要なものだ」という認識を持っていただけるのではないか。そう思いましてこのココロビジョンというものをはじめたのです。

野村 純也

VODサービスには早い段階から興味があり積極的に誌面で紹介してきた。2児の父親でもあるため、レコメンドで過激な作品が登場するのを懸念していたが、シャープのUIではそういったものが排除されていると聞き感心。

キャンペーンが実に太っ腹!

野村 サービスの料金体型とかはいかがでしょうか?

稲本 ひとつは、月額500円(税別)の「プレミアムコース」で、毎月540円に相当するポイントがつきます。また、月額980円(税別)の「プレミアム&見放題コース」もあり、毎月540円に相当するポイントに加えて、1万5000本以上の作品が見放題で楽しめます。ほかに、月額900円(税別)でNHKオンデマンドのパックが2種類お楽しみいただけます。

堀井 レンタルビデオの新作をお店で借りるよりは、お手持ちのアクオスですぐ見ていただくことができるという便利さがあります。

野村 他のサービスもそうですが1000円あたりがボリュームゾーン。なので、お手ごろに仕上がっていますね。

稲本 しかも、ビデオマーケット社が提供するキャンペーンがありまして、ココロビジョンプレーヤーを購入していただき、ココロビデオに入会すれば、先着1万名様に2万円分のポイントがプレゼントされます。

野村 え!? 2万円ですか? ココロビジョンプレーヤー自体の価格はいくらですか?

堀井 2万円くらいの価格を見込んでいまして、買っていただければその価格分の動画が見放題ということになります。

野村 アクオスユーザーなら絶対買うべきじゃないですか!? 急がないと。

稲本 セットトップボックスという製品カテゴリ自体は徐々に認知されつつありますが、シャープとしてココロビジョンプレーヤーは新しい製品なので特に力を入れているんです。

野村 ウェブサイトもすでにオープンしているんですね。このサイトでココロビデオに関心がある人に見てもらって、プレーヤーにも興味を持ってもらうと。ここではオススメ作品を紹介しないのですか?

稲本 今後充実させていく予定になっております。

野村 技術的にも、実際の認知・促進についても、シャープさんが並々ならぬ力を入れていくことがよくわかりました。

編集長・野村純也のまとめ

こうした対談・鼎談では大いにしてあることだが、脱線内容にも開発者のこだわりが隠されていて面白い。例えば、デジタル機器が「道具」から「家族」になるには声が重要ということで、声の質を大事にしている(具体的には少し高めの声が老若男女聞き取りやすいとのこと)。サービス面でも同様で、例えばNetflixは加入前だとどんな番組があるかを見れないのだが、ココロビジョンでは番組内容を見られる仕組みになっており、踏み込んだ内容になっている。

つまり、このココロビジョンプレーヤーは、最近流行りつつあるセットアップボックスを作って、大手VODをかき集めて放り込んだ製品ではない。シャープのこれまでのモノづくりを生かしながら、最新サービスを見事に融合させた逸品といえる。他社のテレビでは使える機能が限定されるため、現状はアクオスユーザー向けの製品といった意味が強い。逆にいえば、ポイントプレゼントもあるのだから、アクオスユーザーにとってはマストバイといえる一台だろう。(野村)

シャープ
AQUOSココロビジョンプレーヤー

AN-NP40

発売中(6月10日発売)
ココロビジョンプレーヤー専用のリモコン。下部には4つのボタンを設けており、「ココロビジョン」、「ココロビデオ」「NETFLIX」「YouTube」にダイレクトアクセスできる。
また音声検索も可能。精度も非常に高い。

SPEC

搭載OS:Android 5.1
メモリ(RAM):2.5GB
メモリROM:16GB(ユーザー使用エリア共有)
無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac
接続端子:HDMI端子1個、USB端子2個、LAN端子1個
使用電源:DC IN 12V(ACアダプター:AC100V・50/60Hz)
サイズ/質量:W151×H39×D151mm/約0.5kg

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