テーマ別に便利な道具のいろいろを紹介する本企画。今回は、正確できれいな木取りの前に欠かせない作業「墨つけ」のための道具を紹介。切断のための線引きの道具といった単純な見方ではくくれない、墨つけにこだわった便利な道具を紹介しよう。
墨線がくっきり引ける/工事用シャープペン2.0mm
一般の筆記具にはない、芯の太さが2mmある工事用に開発されたシャープペン。鉛筆や一般のシャープペンに比べて、よりくっきりした線を引くことができる。2mmという太さはノコギリ用の墨つけには若干広いが、丸ノコ用とすればとても使いやすい芯幅で墨つけできる。芯の色は黒、赤、白があり、木材以外の鉄、モルタル、防水紙など、墨つけする材に合わせて使い分けることができる。
時間が経つと消える墨線/工事用消えるマーカー細字丸芯
合板、鉄、ガラス、プラスチック、コンクリート、塩ビ、布、皮革に使える消えるマーカー。植物から抽出した人体に無害なインクを使用する細字のマーカーは、墨つけ後72時間で自然に消えてしまう。作業後に放っておけば消えてしまうので墨つけの消し忘れを心配することもない。水性インクなので急ぐ場合は水拭きすれば消える。
ボード類に素早く正確にビス打ちピッチをマーキング/ビスピッチマーカーマルチ5段ピッチ
小屋の壁や屋根など、長さのある部分に正確な間隔で、ビス打ちの位置を墨つけできる道具。メインブロックのカートリッジで墨つけ間隔をセットし、材の端にガイド定規を突きつけて材の上をスライドさせれば、指定した間隔ごとにビス打ちの目安になる点がマーキングされる仕組みになっている。ふたつセットされたカートリッジで対応するピッチは100mm、150mm、200mm、250mm、300mmの5種類。エクステリアのDIYからインテリアのリフォームまでさまざまな場面で使える。
アメリカン大工必携の墨つけグッズ/スピード定規
アメリカのフレーマー(住宅組み立て大工)に広く使われている45度、90度、各種傾斜角などを確実に測定、墨つけできる道具。英語ではスピードスクエア。スピードスコヤとも呼ばれる。いろいろな大きさのモデルがあり、日本のサシガネのような感覚で使うことができる。45度と90度は定規の一辺に立ち上がるフェンスを材の端に突き当てれば簡単に測定、墨つけができる。国内のホームセンターでも徐々に見られるようになってきた。写真のものは12インチのモデル。
90度と45度を組み合わせたスコヤ/止型スコヤ
片方が90度、反対側が45度に設定されたコンビネーションスコヤ。写真のモデルは商品名は止型スコヤとなっている。使い方は長辺に設定された厚めに作られた台を材の端に押しつけるだけ。必要に応じて、台から90度、45度を墨つけすることができる。90度の辺の長さが100mmの設定と比較的小型で、目盛りもついているので、家具木工など小型の作品づくりで重宝されている。
DIYからプロまで直角墨つけの必需品/スコヤ
利用する人も多く、作業中もっとも頻繁に使われる直角定規がスコヤだろう。写真のように片方の腕が厚く作られたL字型の定規で、台と呼ぶ厚い腕を材の端に押しつければ、片方の腕が台に対して正確に直角を指してくれる。単純な構造の道具だが、クラフトや指物に使いやすい小さなものから、エクステリアの小屋作りなどに使える大きなものまで、腕の長さで5cm程度から30cm程度まで選択できる。
任意の角度に設定して墨つけできる/自由スコヤ
定規の端についているネジで、任意に設定した角度に固定して使うことができるスコヤ。45度や90度以外に設定された角度を、別の部分に墨つけするときなどに使われる。腕の長さが15cmのモデルと25cmのモデルがあるので製作する作品の大きさに合わせて選択すればいいだろう。作品のバリエーションを広げてくれる、使い勝手のよい墨つけ道具。
連続して寸法を写す際に、設定長さを固定する/直尺用ストッパー
金属製の直定規と組み合わせて使うストッパーで、特定の長さや深さを設定して、その寸法を写す場合に便利に使える。材の位置を決める墨つけや、ホゾ作りなどでは、これがあるとないとでは、作業のはかどり具合が全然違ってくる。15cm、30cm、60cm、1mなどの定規に合わせたサイズが販売されている。ストッパーだけ単品で購入するときは自分の直定規に取りつけることができるか、実際に定規を持って買いにいけば間違いはない。