たった1個しかないタイヤだからこそできるパフォーマンス。それが通称ネコとも呼ばれる作業用一輪車の魅力だ。重い資材満タンで、足場の悪い作業場をさっそうと駆け回る。地味だけど、ハードな里山DIYにはなくてはならないアイテムなのだ。
タイヤが1本だから機動力アップ!
タイヤが1個しかないからできること。まず細い1本道の走行ができる。たとえばビル施工の高所作業で、細い足場を資材を積んで移動するなんてことは2輪車や3輪車じゃ絶対できない。障害物があるところでも、車体を左右に倒しながら避けて移動できるのも一輪車の得意技だ。もっとすごいのは、タイヤの接地点を支点にして、その場でUターンができる。だからビルの工事現場はもちろん、農地の細いあぜ道でも大活躍するのだ。
構造は恐ろしく簡単だ。フレームの前の下に車輪が1個、フレームの後ろの上の両側にハンドルがあり、両手にハンドルを持って押して走行する。荷台はフレームの上にあり、ハンドルの下に固定式のスタンドがある。荷台は、深型と浅型がある。タイヤはゴムチューブ式のものが一般的だが、近年では発泡ゴムを充填したノーパンクタイヤも多く出回っている。フレームの材質はスチール(鉄パイプ)が多いようだが、アルミニウム管を使った上級機種もある。というわけで、スペックによって多少価格帯は広がるが、スチール製なら1台5000~1万円程度、アルミ製なら1台1万円~2万5000円程度が目安。ブレーキ付きのものやエンジン付きのものもあるが、これはやや特殊で高価。一般DIYなら普通の一輪車で十分だ。なお、交換用タイヤは、チューブ入りが1本800円程度が目安、ノーパンクタイヤが1本1300円程度が目安で、タイヤ交換も簡単だ。
ちょっとアイデアな使い方、教えます
正しい持ち方、ダメな持ち方
ハンドルを持つ両手は肘を伸ばし、なるべくハンドルを低い位置でつかんで押して歩くというのがセオリー。肘を曲げると腕の筋肉の動きが不安定でバランスを崩しやすいという。確かに腕がフリー状態でふらつくと安定した走行ができない。これは一度やってみるとわかる。
なぜネコって呼ばれるの?
いろいろな説があるようだ。インターネットなどで検索してみると、ネコが通るような狭い場所を身軽に動き回れるからという説と逆さに伏せて収納するときの格好がネコの背中みたいだからとする説が有力。なかには、移動するとき、ゴロゴロと猫なで声のような音を出すからという説やネコの両後ろ足を持って歩かせる姿に似ているからという説もあるがホントですかね?
サビだらけの一輪車を復活させました!
大切に使いたいと思っても、つい雨ざらしにしてサビつかせてしまいがちなのが作業用一輪車。編集部の一輪車も例外ではなかった! そこでこのぼろぼろ一輪車をサンディングし、2色の鉄部用塗装スプレーでオールペイントしてみました。
~用意するもの~
レンチ(24mm)、ミニバール、サンディングディスク装着のディスクグラインダー、潤滑スプレー(KURE5-56)、鉄部用塗装スプレー(グレイ&レッド)、金属用プライマー
*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。
取材・文◎脇野修平
*掲載データは2015年8月時のものです。
『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!
ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税